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Business Insider Japan

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先進国が議論するレアアースなどの「脱・中国依存」…リサイクル強化では解決しない“根本課題” | Business Insider Japan
土田 陽介 · 2026-06-15 · via Business Insider Japan
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グローバルインサイト

先進国が議論するレアアースなどの「脱・中国依存」…リサイクル強化では解決しない“根本課題”

燃やしたリチウムイオン電池を検査している様子
ドイツのリチウムイオン電池リサイクル企業アキュレックの工場で、燃やしたリチウムイオン電池を検査している様子。
REUTERS/Wolfgang Rattay

欧州連合(EU)は供給網(サプライチェーン)の脱中国依存を図ろうとさまざまな取り組みを打ち上げている。特に希土類元素(レアアース)など、先端品の生産に必須となる重要原材料(CRM 、Critical Raw Material)に関して、EUは他国と同様、これまでその調達を中国に依存していた。そのため、中国による輸出規制などの影響を強く被るという課題を抱えていた。

EUだけではないが、CRMの中国依存を軽減させるための基本的な発想は、

(1)自主鉱山の開発を含む代替ルートの確保

(2)リサイクルの強化

の2つだ。(1)の場合、日本では南鳥島沖に眠るレアアースの商用化が目指されているが、巨額のコストがネックとなっている。EUも域内での生産を目指しているが、実用化の目処は立たない。

Map of Critical Raw Materials hard rock deposits of Europe 2024
欧州域内に埋蔵されているとされる、鉱物などの重要原材料のマップ。出典データをもとに、編集部が表示範囲などを加工しています。
出典:Map of Critical Raw Materials hard rock deposits of Europe 2024

EU域内には多くの山脈や山岳地帯があるため、そうした場所には相応の重要鉱物が埋蔵されていると考えられている。しかし結局は、その生産するためのコストが大きすぎて、中国の輸出規制リスクを考えてもなお、中国から輸入した方が安価で済む状況だ。この状況はいずれの国においても同様で、ゆえに中国はレアアース分野において2026年現在まで一貫して強い立場を維持し続けている。

そうなると、(2)リサイクルの強化という選択が浮かび上がる。EUは2024年に発効した重要鉱物法(CRMA、CRM法とも言われる)のもと、2030年までに域内で使用される戦略的原材料(CRMの中でもさらに戦略性が高い鉱物)の少なくとも25%以上をリサイクルで賄う目標を打ち立て、加盟各国に対して、その実現のための取り組みの加速を要請している。

リサイクルそのものの方向性は正しいのだろうが、鉱物のリサイクルにはどうしても限界がある。品質が劣化していたり他の金属と複雑に結合していたりするためだ。それを再び産業用に転用するためには、相応の加工コストがかかる。結局は価格見合いでの判断になるため、リサイクルの強化もまた“切り札”とは言い切れない。

本来望ましいのは省資源・省原料だが……

ドイツのペットボトル廃棄物
ドイツのペットボトル廃棄物。
STRINGER Image / Shutterstock

そもそも循環型経済(サーキュラーエコノミー)を掲げるEU は、資源のリサイクルに積極的だったが、プラスチックの失敗事例もある。プラスチック製品のコストは原油価格に連動するため、原油価格が低下すればリサイクル製品の価格競争力が失われる。そして安価なプラスチック製品が海外から流入すれば、この傾向はますます強まる。

その結果、リサイクル業者の廃業が増えることになる。業界団体であるプラスチック・リサイクラーズ・ヨーロッパ(PRE)が2025年11月に発表した報告書によると、それまでの原油価格の下落を受けて欧州のプラスチックリサイクル業者の多くが廃業に追い込まれ、プラスチックのリサイクル能力が大幅に低下する事態になったとみられる。

だからといって、プラスチック製品の輸入を制限することは、市場での競争が歪み価格の高止まりにつながる。つまりリサイクルもまた、価格の変動の影響を大きく受けるため、万全の手段ではないわけだ。では、市場原理を通じたよりよい手段は何かというと、「高価格を受け入れて、省資源・省原料に向けた取り組みを加速させる」ことに尽きる。

これは要するに、できるだけ少ない原材料でモノを作るということだから、生産性の向上にもつながる。原材料の供給側である中国からすれば構造的に需要が弱まることを意味するから、価格の引き下げに応じざるを得ないし、また中国からの輸出制限の意味合いを弱めることにもつながる。もっと市場原理を信じてみたほうが効率的な結果となるわけだ。

しかし、経済や産業の在り方をコントロールしたがるEUにとって、そうした手段を取ることにはあまり関心がないようだ。このように、「あるべき理想的な方向」を定めて、それに合わせて企業や家計の行動を誘導しようとするのが、近年のEUの経済政策であり産業政策の特徴と言える。

EUの場合、理想が現実に追い付かないとルールを頻繁に変えるため、企業はその対応に苦労する。日系を含めた外国籍の企業も、そうしたEUのルールメイクの在り方に苦労している。

さらにEUは、自らが「あるべき理想的な方向」と定めた政策を、その手法まで含めて他国も採用するように迫ってくる。これに各国がまた戸惑い、反発するのである。

「いいモノなら売れる」はもう終わり。インド出身のクリエイターが指摘する、日本企業のマーケティングの盲点

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