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- BaaS代表格の「みんなの銀行」が開業5周年。170万口座の先に見据えるAPIエコノミーと黒字化への道

ふくおかフィナンシャルグループ(以下、FFG)傘下のデジタルバンク・みんなの銀行が、サービス開始から5周年を迎えた。同行は6月12日、5周年記念に合わせて記者発表会を開催し、取締役頭取の永吉健一氏が5年間の歩みと今後の成長戦略を説明した。
みんなの銀行の口座数は2026年5月時点で170万を突破し、BaaS(Banking as a Service)のパートナー企業は36社まで拡大。また、同行が開発した基幹システムは、三菱UFJ銀行(以下、MUFG)が2026年度の開業を目指す新デジタルバンクにも採用が決まっているなど、多面的なビジネス展開が注目を集めている。
一方で、2027年度の黒字化目標に対しての課題も残っている。5周年記念に関する発表内容と周辺情報から、みんなの銀行の現在地を読み解いていこう。
メルカリとも連携し、パートナー網は36社に

みんなの銀行は2021年5月28日、FFG傘下のデジタルバンクとしてサービスを開始。当初はローンサービスも実装していないなど、非常にミニマルな機能でスタートした。
その後、銀行としての基本機能のほか、メインターゲットであるデジタルネイティブなど若年層を意識した機能を追加。「スマホで完結する」デザインや利用体験などの面が評価されており、同行のシステムを使ったBaaSパートナーは年々増加している。
また、同行は大手地銀であるFFG傘下ということで、設立時にグループ内では若年層の取り込みだけでなく、九州以外の地域での顧客獲得という思惑もあった。この5年間で契約者の66%は15〜39歳が占め、居住地の割合も34%が関東、18%が関西とFFGの地盤である九州にとどまらない全国的な利用が広がっている。

口座数増に大きく寄与しているのは、同行の各種銀行機能を切り売りできるBaaS事業だ。現在はその提供方法として、外部パートナーが同行アプリ内でデジタル支店を作る「パートナー支店」モデルと、外部パートナーの持つアプリの中に銀行機能を埋め込む「API提供」モデルの2パターンがある。
2025年度に特に成長を加速させた要因になったのが、2025年12月に開始した「メルカリバンク」だ。メルカリバンクはメルカリアプリ内から口座開設でき、フリマの売上金を即時かつ手数料無料で出金できる点がユーザーに刺さり、利用者数が増えている。

また、2025年5月にはフルクラウド型銀行システムがMUFGの新設デジタルバンクの基幹システムに採用されたと発表。同行自身が口座や預金を集めるB2C事業、銀行機能をパートナーに提供するBaaS事業に続く「システム提供」事業という第3の実績を作っている。
もっとも、現在の同行のシステム提供事業は既存の銀行システムをリプレイスするというより、MUFGのように新規で銀行を立ち上げる際に適した枠組みになっている。国内はもちろん世界的にも銀行の立ち上げが頻繁に発生するわけではない。ただ、永吉氏は「(MUFG採用の発表前と比べると)国内外の問い合わせが増えている」と説明した。

ただこの5年間は順風満帆だったわけではない。BaaS事業の立ち上がりは「当初の想定より遅く」(永吉氏)、そもそも同行がサービスとして提供できる形になるまで3年を要している。また、BaaSという「相手ありき」の事業のため、導入を決定した事業者側の開発リソースや希望するローンチの時期によっても、事業の進捗や収益化のスピードは変化してしまう。
それでも永吉氏は5年間を振り返り「デジタルバンクという概念が一般化してきた」と市場環境の変化に言及。BaaS事業についても「5年かけてようやく形になってきた。認知も得られて、マーケットフィットしてきた」と手応えを語っていた。




























