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私たちは30歳で退職して、ヨットを購入した。「最初の引退」を満喫中だが、リスクを冒す価値はあった
Insider Inc. · 2026-06-14 · via Business Insider Japan
  1. MONEY INSIDER
  2. マネープラン
  3. 私たちは30歳で退職して、ヨットを購入した。「最初の引退」を満喫中だが、リスクを冒す価値はあった
Charles Boddie and Bianca Chan with their dog
チャーリー・ボディ(Charlie Boddie)とビアンカ・チャン(Bianca Chan)は、キャリアが上り調子だったが、仕事を辞めてヨットを購入し、旅行や趣味の追求に乗り出した。数カ月後、2人はその決断に満足している。
Courtesy photo
  • 現在、ともに31歳のビアンカ・チャンとチャーリー・ボディは、2025年時点で充実したキャリアと高い報酬を得ていた。
  • 2人は仕事を辞め、ヨットを購入して旅をし、趣味を楽しむことを決意した――それが彼らの言う「最初の引退(first retirement)」だ。
  • 数カ月後、2人はその決断に満足しており、次のステップを模索している。

「…もしくは、仕事を辞めてやりたいことをやればいいんじゃないか」

最初にその話が出たとき、それは冗談に近いものだった。2025年4月、シアトル中心部のアパートのリビングで一緒に座り、レイク・ユニオン(Lake Union)の船の往来を眺めていたとき、チャーリーがそう言い出したのだ。

私たちは選択肢を探していた。ビアンカは就労ビザで米国に滞在しており、当時はカナダにいる心配性の家族たちから数週間ほど、米国のビザ保持者や観光客が国境で逮捕され、数週間にわたる拘留を余儀なくされているというニュース記事が送られてきていた。

最初は軽く受け流していたが、ニュースが相次ぐにつれ、私たちは確信が持てなくなっていった。最終的に、入国管理の弁護士から、当面の間ビアンカは出国しないよう助言を受けた。

私たちはその助言を受け入れ、仕事を黙々と続けた

シアトルのテックブームの恩恵を受けつつも、別の何かを求めていた

31歳のビアンカはBusiness Insiderのシニア金融記者だった。かつては専門性の高い担当分野だった――ウォール街の大手企業がテクノロジーをどう活用・投資しているか――というテーマは、AIが経済における最注目トピックの一つとなるにつれて爆発的な人気を集めるようになっていた。

同じく31歳のチャーリーも、アマゾンの決済部門でソフトウェアエンジニアとして働いていた。新卒採用で入社し、8年後にはプリンシパルエンジニアへの道を歩んでいた。当時は、米国とカナダにおけるアマゾンの「今すぐ購入、後払い」事業の大部分を担う複数のエンジニアリングチームを率いていた。

当然のことながら、企業での仕事で成果を上げるには強い献身が求められる。私たちは芸術的な趣味や、世界を見て回るための長期かつ没入感のある旅行など、他の追求を犠牲にしていると常に感じていた。スケジュールやライフスタイルの柔軟性を高められる仕事を探すことも話し合った。しかし、常に新たな仕事の機会を選び、その多くは手厚い給与とボーナスを伴うものだった。

4月初旬までに、私たちは米国に無期限で留まるか、弁護士の助言を無視して再入国のたびに国境でリスクを冒すか、どちらかを選ばなければならないと感じていた。その決断を迫られたことで、自分たちの人生をより大きな視点で考えるようになり、やがて米国を完全に離れることも検討し始めた。

ヨットを購入して旅に出ることを決めた

私たちは2017年にシアトルへ移住した。最近シアトル市民となった多くの人々や友人たちと同様に、エメラルドシティ(注:シアトルの愛称)が私たちを引き寄せたのは、豊富なテック系の仕事があったからだ。毎年の大幅な昇給とアマゾン株価の上昇により、毎年ヨーロッパへ旅行し、NHLホッケーのチケットを気まぐれに購入し、シアトルの成長するレストランシーンについていきながらも、貯蓄は容易だった。

だからこそ、最初は仕事を辞めるという考えを笑い飛ばしていた。しかし次第に、一時的に無職となった生活を思い描くようになると、その考えが心に根付き始めた。

数年前にビアンカを初心者向けのセーリングコースに一緒に誘って以来、チャーリーは独自にセーリングの世界へと深く踏み込んでいった。パンデミック中に屋外で過ごす手段として始めたものが、より大きな意味を持つようになっていた。2024年までに、チャーリーは年に数回サンフランシスコへ飛んで上級セーリング講習に参加し、ボート売買の仲介業者とも繋がりを持つようになっていた。ヨットの購入を検討する中で、毎年ヨットに乗れる限られた時間をのばす方法を模索していた。仕事から離れることで、この問題を解決できると考えた。

Sail boat
2人が所有する全長42フィート(約12.8メートル)のヨット「ウィンドソング(Windsong)」。
Courtesy photo

仕事を辞めることを考える要因は、他にもあった。残っている有給休暇の日数よりも、出席したい3件の結婚式を含む、仮の旅行計画の日数の方が多かったのだ。何かを諦めなければならなかった。

約1カ月後、会話の内容は「何をすべきか」から「どうやって実行するか」へと変わっていった。さらに数週間後の5月、私たちは仕事を辞め、30歳で「最初の引退」に入った。

財務上のトレードオフを整理することが、意思決定の鍵だった

私たちはもともと財政面で非常に保守的であり、「引退」期間中は無借金でいたいと考えていたため、まず財務状況を徹底的に見直した。

予算には、日常の生活費や旅行費といった既に分かっている出費を盛り込んだ。次に、ボートの持ち主なら誰もが恐れる予期せぬ整備費用など、予測困難な出費も加味した。最後に、「引退」後の生活に十分な資金が残るかどうかを確認した。

Couple smiling
元Business Insider記者のビアンカ・ボディと、アマゾンに勤務していた夫のチャーリー・ボディ。
Courtesy photo

試算が妥当であることを確認したうえで数字を検証したところ、実現可能だとわかり安堵した。ただし、生活スタイルをいくつか大きく変える必要があった。

厳しい住宅市場の中でも、赤字での賃貸を避けるため、シアトルのコンドミニアムを売却した。コストを抑えるため、旅行中やボートに乗っていない期間は家族の元に身を寄せることにした。一時的ではあるが、必要なトレードオフだと理解していた。

キャリアへの長期的な影響を懸念した

財務面の整理に加え、リスクと犠牲についても検討した。現在の市場環境において、職務経歴書に空白期間が生じることはどのような影響をもたらすのか。また、AIの台頭やAIに関連したレイオフが相次ぐ中、それぞれの分野に復帰するとどうなるのか、といったことについて。

私たちはチームやマネージャーとの職場での会話に備え始めた。私たちにとって重要だったのは、円満に退職することだった。適切な期間の退職予告(それぞれ3週間と4週間)を行い、直属チームを離れたメンバーも含め、好意を持ち尊敬していた同僚との面談の場を設けた。同僚たちは羨ましいと言い、マネージャーたちは勇気があると称え、ビアンカの業界の関係者たちは非常に興味を持ち、ボートからの写真を送るための個人の携帯番号を教えてくれた。

職場での難しい会話への準備に加え、私たちは楽しい話し合いもおこなった。休暇中に何を達成したいか、なぜそれが自分たちに響くのかを深く掘り下げた。この側面を十分に具体化することは、正しい理由で退職するのだと確認するうえで重要だった。

犠牲はあるものの、この「最初の引退」は人生最良の決断の一つだと感じている

12カ月が経ち、これらの目標のいくつかが実を結び始めている。

私たちは愛犬とともに、42フィート(約12.8メートル)のヨット、「ウィンドソング(Windsong)」で北アメリカ北西部の海岸線を1000マイル以上クルーズした。また、ずっと行きたかった場所を訪れ(春の花が咲く東京を見て、ベトナム・ホーチミンの路上で美味しい麺料理を食べた)、世界の新たな楽しみ方も発見した(フランス領ポリネシアでスキューバダイビングをし、メキシコでスキューバのライセンスを取得した)。

Couple on boat playing guitar
ヨットの上でギターを弾くチャーリーとビアンカ。
Courtesy photo

また、突発的な旅もいくつか経験した――バハマでのクルーズ、ユタ州の象徴的な赤い岩山でのクライミング、イスタンブールの急勾配で入り組んだ路地の散策――これらはすべて、「なぜやらないの?」と言えるようになった新たな感覚のおかげだ。

地元に戻ると、ここ数年で最も多くの時間を家族と過ごすことができた。ビアンカは初めての楽器であるベースギターを習い始め、二人で何時間もセッションを楽しんでいる。チャーリーはボートで次々と発生する修理作業のおかげで、アマチュアの電気工事士、整備士、配管工として少しずつ腕を磨いている。

こうした具体的な取り組みの枠を超え、生活面でも恩恵を受けている。ストレスが減り、よく眠れるようになったことで、メンタルヘルス上の効果も現れている。より活動的になったことで、長年悩まされていた慢性的な身体の故障も和らいだ。

こうした結果の中には予想通りのものもあれば、予想外のものもあった。しかし、それらが実現したのは、私たちがそれらを育む余地を与えたからだと思っている。

次のステップは?

この「最初の引退」は休暇として始まったが、私たちはそれ以上のものにしたいと思っている。今は、ライフスタイルの変化の一部を仕事に取り入れる方法を真剣に考えている。

キャリアを完全に転換すること——フリーランスや小規模ビジネスのオーナーに挑戦すること——にも、ますます前向きになっている。新年までには何らかの形で仕事を始めたいと考えており、西海岸で売りに出ているビジネスを何となく探し始めた。失敗して企業勤めに戻る必要が生じる可能性もあると理解しており、労働市場の低迷も認識している。

とはいえ、今この時点まで、今年の後半にどんな仕事をしたいかについて、あまり真剣に考えないようにしてきた。現在の仕事の制約から離れたのに、将来の仕事を確保する課題を心配するのでは意味がないと思っているからだ。

「本人確認を繰り返す社会」はもう終わる——FPoSが実現する“人とモノ”“リアルとデジタル”がつながる社会

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