- MONEY INSIDER
- マネープラン
- 副業として"キャンピングカー改装"をはじめた夫婦、それが本業になる。約5年で17台を手掛け、最高額は約900万円

- 2020年、デヴィッドとアメリアのベイ゠ブラウン夫妻は収入を増やすためにキャンピングカーの改装を始めた。
- 以来、夫妻はこれまで全国で17台のキャンピングカーを買い、改装したのちに販売してきた。最高販売額は6万ドル(約900万円)だった。
- そして今、夫妻はそのスキルを、ニューヨーク市内にあるアパートメントのリノベーションに生かしている。
2020年、ブロードウェイで俳優をしていたデヴィド・ベイ゠ブラウン氏と、その妻で、こちらもブロードウェイで劇場やテレビ局のためにプロのヘアスタイリストとして働いていたアメリア・ベイ゠ブラウン氏は、それまでのキャリアから少し離れ、新しい仕事を始めた。キャンピングカーの改装である。
「ニューヨークで仕事をしていたが、パンデミックですべてが止まってしまったので」と33歳のアメリア氏がBusiness Insiderに語る。「収入を得る別の方法を探した」
夫妻は手始めに1979年製のダッジ・クルーズ・マスターを3000ドル(約45万円、1ドル=150円:以下同)で買った。そのときは自分たちでその車を使って全国を旅するつもりだった。その際、数カ月におよんだ改修作業の様子をYouTubeとInstagramにアップしながら、おんぼろのキャンピングカーをスタイリッシュな空間に変貌させた。フローリングも、キャビネットも、食事用のブースも新しくした。数多くのフォロワーが買いたいと申し出てきたため、結局2万7000ドル(約405万円)で手放した。
「私たちは、その車をほしがっていたほかの人々に、これと同じものをつくることも、カスタム仕様の車をつくることもできると説明し、そうやって注文をとるようになっていった」とアメリア氏は語る。
その後5年をかけて、夫妻は全国で17台のキャンピングカーを改装した。仕事量や手直しする部分の多さに応じて、1万5000ドル(約225万円)から4万5000ドル(約675万円)の範囲で労働の対価を要求した。物資の費用はその贅沢度と品質に応じて変動し、5000ドル(約75万円)から1万5000ドル程度になる。
「動く家というのはユニークなものなので、神経をすり減らすことも多い」と37歳のデヴィド氏は言う。「燃費をよくするためには、あらゆるものすべてが柔軟で軽くなければならない」
最近になって夫妻は動かない家にも事業を拡大した。ニューヨーク市内にある小さなアパートメントも扱い始めたのだ。
キャンピングカーの改装を始めるのは簡単ではなかった
2020年に使い古されたキャンピングカーを借りて西部へ旅行したことが、夫妻がキャンピングカーの改装をビジネスにすることを検討するきっかけになった。旅行後、自分たちで1台購入し、好みのスタイルに改造して冒険に出かけようと考えた。
ふたりが買った最初のキャンピングカーはダッジ・クルーズ・マスターで、水被害で床が腐り、状態がかなり悪かった。ネズミが侵入した痕跡もあった。YouTube動画を参考にしながら自分たちで修理し、キャンピングカー所有者のオンラインコミュニティからのサポートも受けた。
キャンピングカーの骨組みだけを残し、天井、車内の柱、壁、パネル、下張りなどはすべて交換した。
「愚かな話だけど、やってみようと思った」とデヴィドは言う。「それが始まりだった」

そのキャンピングカーを売る相手を選ぶのは、内装を考えるのと同じぐらい難しかった。
最初は1979年製という理由で1万9700ドル(約295万円)という価格を設定したのだが、200人も希望者が現れ、そのうちの多くが提示価格よりも多く支払うと申し出たため、価格がどんどん上がっていった。
結局、ふたりはアメリア氏が「スウィート・ファミリー」と呼ぶカンザス州の家族を選んだ。その家族は改装されたキャンピングカーに惚れ込み、2万7000ドル(約405万円)を提示していた。
振り返ってみると、夫妻が改装に費やした労力は、自分たちが思っていた以上だったかもしれない。
「およそ6カ月働き詰めでようやく改装が終わった」とアメリア氏は言う。「いいお金になったが、時間を考慮に入れると、時給2セント(約3円)といった気分」
パンデミックを乗り越えるための仕事が本格的なビジネスに
ベイ゠ブラウン夫妻は最初のキャンピングカーを売って得たお金の一部を使って2万3000ドル(約345万円)でモーターホーム(大型のキャンピングカー)を買い、そこで暮らしながら、2年にわたって全国を旅して回り、別のキャンピングカーを改装した。
「私たちは、旅をしながら暮らしたいとか、リモートワークをしたいとか、あるいはその両方とか、理由は何であれ、動かない家から出ようとする人々をサポートしてきた」とアメリア氏は言う。
クライアントのための改装をしているあいだ、夫妻はクライアントの敷地内あるいは近所のキャンプ場に停めたみずからのモーターホームで生活した。

ベイ゠ブラウン夫妻は、完全なオーバーホールが必要になるプロジェクトを請け負うことはめったにないが、それでも毎回必ず壁をヤスリで磨き、下塗りを施してから塗装し直すことにしている。
旧式のキャンピングカーの多くは床と壁が単純なリノリウムなので、「家」にいる雰囲気が感じられない。そのため夫妻は、木材、タイル、壁紙、テクスチャなどを用いて、キャンピングカーに「洗練された美しさ」と個性を授けることにしている。
「従来のキャンピングカーの製造プロセスでは組立の迅速さに主眼が置かれるため、利用者にアピールする美しさは考慮されない。だから多くの場合で味気ない内装になってしまう」とデヴィド氏は説明する。「私たちはクライアントに『何をどうすれば、ここが自宅のように感じられる?』と尋ね、彼らにとって夢のような空間をつくるよう心がけている」
夫妻が改装するときは、多くの場合で、空間を最大化し、狭いスペースにおけるプライバシーを強化することに重点を置く。たとえば、複数の子供がいる家族のためには遮音性の高い壁を設置したり、多目的空間を設けたりする。あるプロジェクトでは、顧客の夫婦がキャンピングカーを自宅兼映画撮影用トレーラーとして利用することを希望していたため、ひとつの大きなベッドルームをベッドルームとワードローブに分割した。
「人々の独特な願いに、独特なアイデアで応えることに本当にやりがいを感じる」とデヴィド氏は言った。
あわせて読みたい
Special Feature





























