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アクセンチュアは「戦略を描く」だけではない。生活者の体験を変えるコンサルタントの役割
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コンサルタントといえば、“経営層視点”で戦略立案を担う「戦略コンサルタント」のイメージが先行しがちだ。
一方、総合コンサルティングファームであるアクセンチュアで働く⼭本奈津実(やまもと・なつみ)さんのフィールドは少し異なる。クライアント企業にとっての「お客様」の視点に立ち、デザイナーやエンジニアも含めた社内人材とチームを組んでクライアントのビジネス変革を推進する「カスタマーフロント領域のコンサルタント」だ。
その中で山本さんは、既存顧客の体験を向上させるカスタマーサービスのプロジェクトに携わっている。ユーザーと企業との「接点」をどう設計し、実装していくのか。業務内容やアクセンチュアのカルチャー、働く醍醐味について聞いた。
「企業のブランド価値」を表す顧客接点

カスタマーサービスは、顧客対応をこなすだけの機能ではない。企業がユーザーに「自分たちはどんな会社か」「どれくらいユーザーを大切にしているのか」を表し、ブランド価値を示す重要な顧客接点でもある。
だからこそ、「まずはクライアントがお客様からどう見られたいのか、“ありたい姿”の本質(=原理原則)の認識合わせから始め、それに沿った顧客体験を設計します。そのうえで顧客体験を実現するために最適な業務フローやシステム、体制などを考えていきます」と山本さんは語る。
アクセンチュアは総合コンサルティングファームとして、戦略コンサルからITコンサル、システム開発・運用まで含めた幅広いプロジェクトを通して、クライアントである企業や公的機関の変革を支援している。その中でも、山本さんが生業とするカスタマーサービス領域のコンサルタントは、いわゆる業務コンサルタントの一種だ。
「最終的に目指すのは、クライアント企業のビジネスへの貢献です。すると、支援すべきことは究極のところ、利益増につながるようなお客様接点の設計と徹底した効率化によるコスト削減になります。
こう言うと、格好良くロジカルに物事を進めていくイメージを持たれるかもしれませんが、実際にはクライアントと試行錯誤しながら地道に一つひとつの論点を紐解き、形作っていく仕事です」(山本さん)
「生活者の視点を持つ」ことがカスタマーサービス改革における専門性

山本さんはアクセンチュアに入社してから約7年の間に、5社以上のクライアントに対し、カスタマーサービス領域における企画立案からサービスリリースまで支援してきた。各プロジェクトの支援内容は共通点も多い一方で、毎回頭を悩ませることもあるという。
「カスタマーサービス領域を身近な言葉に置き換えるなら、『お問い合わせ窓口』です。何か困っているお客様が問い合わせ先に連絡し、担当者とやり取りを行いながら課題を解決する。この基本的な流れ自体は、どの企業でも大きく変わりません。
一方で、プロジェクトを進めるうえで難しい点が、『何をもって良い顧客体験とするか』という判断です。たとえば、『応対スピードを最優先すべきか』『解決の正確性や品質を重視すべきか』『顧客の負担の少なさ(問い合わせのしやすさ)を重視すべきか』といった優先順位は、企業の戦略や顧客層によって大きく異なります。
そのため私たちコンサルタントは、単に業務を設計するのではなく、顧客データや問い合わせ内容の分析をもとに、『どの顧客に、どの体験を提供すべきか』を構造的に整理し、単なるお問い合わせ対応に留まらない、企業とお客様がつながる接点全体のあり方を定義していきます。論点自体は共通していても、導き出される答えは毎回まったく異なる。そこが難しさであり、同時にこの仕事の面白さだと感じています」(山本さん)
たとえば、「とにかく早くユーザーの問題を解決すること」を原理原則にしている企業の場合は、「24時間いつでも問い合わせ可能」にすることが顧客体験設計の肝になる。あるいは、「ユーザーにとって最も快適な方法でコミュニケーションを取ること」を原理原則にしているなら、「チャネルのラインナップが充実していること」が重視される。
「直近のプロジェクトでは、グローバルで事業を展開されているクライアントに対して、各地域での現状課題のヒアリングと根本的な課題の分析を行い、その課題を解決しつつ、本来目指したい原理原則に沿った姿の策定と、それに準じた顧客体験、業務、アーキテクチャなどの設計をご支援しました。
このプロジェクトでは、『お客様の状況や嗜好に寄り添って気の利いた先回りサポートを行う』という原理原則のもと、それをどの地域に住むお客様にも届けるために、統一すべき体験上のポリシーやグローバル全体での共通業務の効率化を検討しました。具体的には、各地域で展開されているFAQの統一化にともなう業務とシステムの再設計や、人手不足を解消するためのAI活用の方針の検討などを行っています」(山本さん)
アクセンチュアで幅広い経験を積むなかで、山本さんがより良いユーザー体験をつくるために意識しているのが、「ユーザーである生活者の視点を忘れない」ことだ。
「日々の生活のうえで、企業に何か問い合わせる機会はたくさんあると思います。そのなかで『もっとわかりやすく言ってくれたらいいのに』『社内で確認してから折り返すと言われたけど、いつになったら連絡くれるの?』といった不満を覚えたり、逆に『神サポートだ』と感動したりしたことはないでしょうか。
そういった経験こそがカスタマーサービスの改革に欠かせない専門性となります。特に、プロジェクトのフェーズがシステム開発のフェーズに移ってくると、業務移行や開発のしやすさといった“作り手側の合理性”に目線が引っ張られがちですが、そんなときは少し立ち止まって、“生活者に寄り添うこと”に立ち返るようにしています」(山本さん)
たとえば、ユーザーの困りごとを解決するページの導線を設計する際に、A案とB案が選択肢としてあったとき、「いつか私や身近な人がこのサービスを使う場面で、どちらが嬉しいだろう?」という視点を判断の拠りどころにしている、と山本さんは語る。
「感覚的な良さ」をロジカルに言語化する

こうした感覚的な“良さ”をロジカルに突き詰めて言語化するのも、カスタマーサービス領域のコンサルタントの重要な役割だ。
「『なんとなくこっちのほうが心地良い』という感覚を掘り下げていくと、『問題解決までの時間が短い』『こちらのほうが操作の手数が少ない』といった根拠が必ず見えてきます。感覚をロジカルに分析・言語化し、クライアントとすり合わせながら、より良いユーザー体験を形にしていくことが求められています」(山本さん)
山本さんがやりがいとして挙げるのは、クライアント企業とワンチームで携わったサービスを、“手触り感”を持って世に届けられることだ。
「私たちの仕事は、企画からリリースまで年単位で関わることも多く、プロジェクトによっては週に2、3回ほど顔を突き合わせて、お互いの価値観をぶつけ合い、より良いものを作っていくために徹底的に議論しつくします。時にはPoC(実現可能性の実証)やパイロット導入期間を経て、さらに改善してから本番導入するプロセスを踏むこともあります。
それだけ濃密な時間をともに過ごすので、クライアントとの間にはある種の同志のような感覚が生まれます。みなさんと苦楽をともにしながら、手塩にかけて作り上げたものが世に出る瞬間は嬉しいですし、実際に自分や身近な人が使っているサービスが改善されると、やってよかったと思いますね」(山本さん)
アクセンチュアのメンバーは「合理的だからこそ優しい」

入社前、山本さんは外資系コンサルティングファームに対して、一騎当千のスーパーマンしか生き残れないイメージを持っていたが、入ってみると実態は大きく異なったという。
アクセンチュアでは一つのプロジェクトに対して、体験や業務を設計するコンサルタントから、Webサイトやアプリのデザインをするデザイナー、それを実装するエンジニアなど、様々な人材が集まって仕事をしているが、「自分の職種と職位別に求められるレベルがはっきり定義されているので、無理難題を押しつけられるようなことはなかった」と振り返る。
「今、私がご支援しているプロジェクトは3チーム体制ですが、密にコミュニケーションを取って進めています。ちょっとした疑問点も、みんなで声をかけ合って集まり、解消しています。たまにお昼休みにハンバーガーパーティーをするぐらい和気あいあいとしていますよ。
アクセンチュアでは様々なスキルや経験を持つメンバーが集まってプロジェクトチームを構成するので、チームのパフォーマンスを最大化させる意識がある人が活躍しています。外資系コンサルティングというと、論理的な思考能力が求められ、ドライなイメージがあるかもしれませんが、チームメンバーの力を最大限に発揮させるために、意識的に話しかけやすい雰囲気づくりを行うリーダーが多い印象です。
チームのメンバーが潰れてしまったら、プロジェクト推進にも影響が出てしまい、結局は何のメリットもないですよね。合理性を突き詰めると人間って優しくなるんだな、と感じています」(山本さん)
カスタマーサービス領域のコンサルタントに関心がある人に対し、「自分には特別なビジネス知識や専門性がない、と気後れする必要はない」と山本さんは話す。
「何より“生活者としての視点”を持っていることが、最大の専門性です。カスタマーサービスは、誰もが生活するなかで関わったことがある身近な領域なので、イメージが湧きやすく、ユーザーとしての自分の経験をそのまま活かせます。より良いユーザー体験を追い求め続ける人であれば、それを応援してくれるメンバーが揃っているので、臆せず挑戦してみてください」(山本さん)
誰もが経験している、“生活者としての感覚”。それをロジカルに言語化し、企業と生活者をつなぎ、より良いユーザー体験を生み出すための環境が、アクセンチュアには用意されている。

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