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- 世界を旅行しながら、私は会社を経営している。アメリカにいたら事業拡大の余地はなかっただろう
世界を旅行しながら、私は会社を経営している。アメリカにいたら事業拡大の余地はなかっただろう

- ライアン・ガリード(Ryan Garrido)は海外に住んでコストを削減しながら、ドロップシッピングビジネスを運営している。
- 日常経費の節約が、ビジネスを軌道に乗せるのに役立った。
- 事業オーナーが海外に居住することには一定のトレードオフがあると認めつつ、その価値はあると語る。
本稿は、ドロップシッピング企業であるドロップシッピング・ハイ・チケット(Dropshipping High Ticket)のオーナーでありながら、世界を旅するライアン・ガリード(Ryan Garrido)との対話をもとに編集したエッセイである。37歳のガリードは海外在住中に同社を立ち上げた。
起業家とは、リスクを取る人のことだと思う。アメリカに住んでいれば、「収支がトントンで、家賃、光熱費、食料品、ガソリン代を支払ったあとで20ドル(約3000円)残れば御の字」と考えるかもしれない。
だが、たった20ドルの儲けで、いったいどんなビジネスができるというのか。
余剰資金があってこそ、リスクを取ることができる。アメリカで生活している事業経営者に共通するのはまさにこの問題だ。追加資金がないからリスクを取る余地がないのだ。
アメリカでビジネスを始めようとしたら、生活費がネックとなって踏み出せなかったかもしれない。だが、タイでの生活費は、現時点で収入の10〜20%程度と非常に少ない。日常経費がそれほど重荷にならないからこそ、そもそもビジネスを始めることができた。加えて、会社に全力で投資し、広告をさらに拡大できるのだ。
また、海外に住むことで視野が広がる。他の文化に触れ、自分たちとのやり方の違いが見えてくるからだ。
世界を旅する中でドロップシッピングに出会った
移住する前は、アメリカで営業職に就いていた。ワシントンD.C.でB2B向けと訪問営業をしており、採用活動も行いながらチームを管理していた。その後、メディテーションに傾倒し、本格的に学びたいと思うようになり、アメリカを離れて韓国で勉強することにした。
友人の1人が世界中を旅しながらトークイベントを行い、その様子をFacebookにアップしていたので、ある日メッセージを送って何をしているのか聞いてみた。すると、ハイチケット・ドロップシッピング(high-ticket dropshipping)を行っていて、それに関する講座も行っていると言う。2019年に当時1000ドル(約16万円)ほどでその講座を受講し、それからショップを運営している。
ドロップシッピングとはビジネスモデルの一つである。自分のウェブサイトに顧客が注文を入れると、メーカーに連絡して注文の詳細を伝え、メーカーが顧客に直接商品を発送する仕組みだ。
700ドル(約11万円)以上の高額商品を扱うハイチケット・ドロップシッピングは、サウナ、ジャグジー、ホットタブなど高額品を扱う。
生活費の安さが事業投資の支えとなる海外で生活している
タイには2025年12月から滞在しており、4カ月ほどしか経っていない。基本的には各国に1〜3カ月ほど滞在するスタイルをとっている。
どこに住むかは1カ月ほど前に決断する。私を縛るものは何もないので、気が向いたときにどこへでも気軽に移動できる。
各地を転々とする際に、フライトの便数が多く、人口が多いタイは便利だ。

タイにはもうふたつ、大きな利点がある。
ひとつは為替だ。収入が米ドル建て、 支出がタイバーツ建てなので、現地での購買力はアメリカで米ドルで支出する場合よりもはるかに高い。
もうひとつは、生活費全般の安さと生活の質だ。
生活費が非常に低いため、少ない支出でより多くのものを購入できる。
約14年前、バージニア州マクレーンに住んでいた。ベッドルームがひとつしかない部屋なのに、家賃は月1970ドル(約30万円)だった。
タイでは毎月約1700ドル(約26万円)を支払っているが、滞在しているのはベッドルームがふたつあるホテルのスイートで、広さは約800平方フィート(約74平方メートル)だ。毎日清掃が入り、ジムやプールなどの設備も充実している。
利便性も非常に高い。欲しいものは何でも、20分以内にバイクで届けてもらえる。
海外でビジネスを始めるのは長所も短所もある。だが、私には正しい選択だった
ビジネスの運営には、あらゆるものが必要だ。精神、能力、努力、そのすべてを集中させることが求められる。
今はバンコクでかなり快適な生活を送っているが、操業初期で資金源が必要とあれば、週100ドル(約12万円)の支出まで切り詰めることもできる。それでもワンルームマンションには住めるし、生活が破綻するわけでもない。2018年に初めてここに来たとき、家賃は毎月400ドル(約6万円)だった。
こうして今、事業投資に回せる資金を手にしている。この国はかなり節約できるのでリスクを取る余力が生まれるのだ。

起業すると、運営コストが発生する。ショッピファイ(Shopify)が月40ドル(約6000円)程度、その他のソフトウェアが月80ドル(約1万円)程度、さらに広告への投資も必要だ。スタートアップ時には、収益を上げるために広告費として500〜1000ドル(約8万〜約16 万円)を投じなければならない。
合計すると約2500ドル(約39万円)になる。家賃が400ドル(約6万円)でなければ、そんな資金は用意できなかっただろう。こうしてチャンスをものにできる資金を手にできたのだ。
公平を期して言えば、アメリカならばローンを借りたり、クレジットカードを作ったりと、もっと銀行を活用できただろう。現地にいた方が海外からよりも手続きは容易だ。まともなクレジットスコアさえあれば、一般人でも10万ドル(約1600万円)は資金を調達できる。普通のアメリカ人は、アメリカにはほかのどの国にもない素晴らしい信用市場があることを知らない。
デジタルノマドを目指す人が「生活費が安い場所で、ドルを稼いで現地通貨で使うという裁定取引の機会を活かしたい」と考えるなら、徹底したリサーチが必要だ。勢いだけで始めてはいけない。万全の準備を整えてから臨むべきだ。
海外でビジネスを運営することは必ずしも容易ではない。郵便物の受け取りでさえ面倒なことになりうる。会社や個人の住所、運転免許証の更新場所など、あらゆることが複雑なことが多い。
どこにもメリットとデメリットはある。万人に当てはまる解決策など存在しない。しかし私にはその価値があったと言える。
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