- MONEY INSIDER
- 投資
- JPモルガンは「新たなインフレ時代」がもたらすリスクを警告…リスクヘッジとしてコモディティに注目

- JPモルガン・プライベート・バンクは、アメリカではインフレショックが繰り返し起きる状況が常態化する可能性があると見ている。
- 調査担当者らは、経済が「物価上昇が長引きやすい新たな時代」に向かっていると説明している。
- また、インフレが高止まりすれば、株式と債券の両方が厳しい状況に置かれる可能性があるとも指摘している。
JPモルガン・プライベート・バンク(JPMorgan Private Bank)によると、今後は高インフレが何度も激しく上下する状態が当たり前になる可能性があり、人々の資産を静かにむしばんでいく存在になりかねないという
JPモルガンの調査担当者らは、世界経済が「インフレが起きやすい時代」に入りつつあると考えている。このようなインフレは、我々が気付かないうちに資産価値を少しずつ減らしていく「静かなリスク」になりかねないという。また、同行は、物価上昇率がアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%を上回る状態が続き、物価が急に上がるようなインフレショックが何度も起きる可能性が高いと指摘している。
このレポートでは、現在の状況が、大きなインフレ局面が2度起き、消費者物価の上昇率が1980年に約14%まで達した1970年代のアメリカで起きたインフレ危機の再来につながるリスクがあると警告している。
ただし、調査担当者らは、そうした最悪のシナリオが現実になる可能性は低いとみている。その理由は、1970年代のインフレ危機を悪化させた大きな要因だった「物価上昇と同時に賃金も大きく上がる動き」が、現在の雇用市場ではほとんど見られないからだ。
「コロナ禍の後の世界では、単発ではあるものの新たな経済ショックが次々に起きている。こうした中で、インフレ率はコロナ禍前より高い状態が続きやすくなっているとみている。また、これまでとは違い、株と債券が一緒に値下がりしやすくなっている可能性もある。インフレショックが繰り返し起きることが新たな現実になるかもしれない」と、同行はこの新たな時代について説明している。
イラン戦争の開始以降、市場ではインフレが最大の懸念材料となっている。なぜならば、戦争によって原油価格はここ数年で最高水準まで急騰し、原油市場でも過去最大級の混乱が起きたからだ。
アメリカ経済はここ数年ですでに何度もインフレショックに見舞われてきた。JPモルガンはその例として、コロナ禍によって起きた物価急騰や、ロシアとウクライナの戦争によって強まったインフレ圧力を挙げている。
同行によると、年間のインフレ率が3%を上回っていたことから、イラン戦争が始まる前の時点で、すでにインフレは「粘着性」が高い状態になっていたという。
2026年3月の消費者物価上昇率は、主にエネルギー価格の急騰が押し上げ要因なり、前年比3.3%となった。投資家たちは、原油価格上昇の影響が経済全体にどこまで広がっているかをより詳しく示すものとして、2026年5月13日に発表される2026年4月のインフレ統計を注視している(編注:アメリカの4月の消費者物価指数は前年比3.8%上昇し、エコノミストの予想を上回った)。
あわせて読みたい
Special Feature



























