- CAREER INSIDER
- キャリア
- セールスフォース元幹部が50代で独立起業…後押ししてくれたのは「AIの力」だった

- 50代でセールスフォースのシニア・バイス・プレジデントを辞したガブリエル・タオ氏は、AIガバナンスのスタートアップを立ち上げた。
- AIの進化が後押しとなり、長年の迷いを経て起業に踏み切ったという。
- 会社を辞める前にどのように資金を準備したかについて語った。
この記事は、セールスフォース(Salesforce)の元SVPであるガブリエル・タオ氏とのインタビューに基づいている。文章は長さとわかりやすさを考慮して編集している。
私はオラクル(Oracle)やセールスフォース(Salesforce)など、テクノロジー業界で20年以上働いてきた。数々の製品の成功に貢献してきた私のキャリアは、傍目には順調だった。しかし、有色人種の女性である自分がどこまで活躍できるのかには、限界があると感じていた。
何十年もの間、自分の会社を立ち上げたいと思っていたが、本当にできるとは思っていなかった。自分には向いていないという暗黙の、あるいは露骨なメッセージを長年にわたって受け取り続けてきた。テクノロジー業界でマイノリティとされる多くの人は、そうしたメッセージを静かに内面化していくのだと思う。
しかし近年、AIがその状況を一変させた。この技術のおかげで、私のような創業者でも、はるかに大きな企業と渡り合える可能性の高い製品や事業を構築できるようになったと確信するようになった。
昨年9月、私は2019年から勤めていたセールスフォースのシニア・バイス・プレジデント職を離れ、自身のAIガバナンスのスタートアップを立ち上げることにした。
「今でなければ、いつやるのか?」と自問したのを覚えている。
起業は長い間、現実味のない選択肢だった
キャリアの大半において、起業はほぼ不可能だと思っていた。特にオラクル、マイクロソフト、セールスフォースといった巨大企業と競争するとなれば、なおさらだ。参入は依然として険しい道のりだが、AIはテック系起業家にとっての参入障壁を下げたと私は考えている。ビジネスを始めるには、ウェブサイト、オペレーション、マーケティング資料、分析、顧客調査などが必要になることが多いが、AIはそのすべてを加速させることができる。
AIを使うことによって、小規模なチームでも以前よりはるかに迅速に動けるようになったことにも気づいた。かつては膨大な時間を要していた調査が、今では短時間で実施できるようになり、製品開発にも取り組みやすくなった。
小規模な企業にとってこれまで不可能だった形で、真の競争ができるようになったと初めて感じた。その技術革新と、長年培ってきた経験が相まって、ようやく私は一歩を踏み出す勇気を持てた。
退職前に何年もかけて資金を準備
安定した仕事を辞めることは怖かった。
最終的に一歩踏み出す後押しとなった大きな要因の一つは、仏教の教えだった。後悔のない人生を送ること、そして自分自身に挑戦する勇気を持つことについて、より真剣に考えるようになったのだ。
資金の準備にも多くの時間を費やした。父と義母を経済的に支援しており、夫はすでに退職しているため、綿密な計画と家族の支援なしには、このような決断はできないとわかっていた。
退職前には、予算、貯蓄、そして会社からの給料がなくなったら家族がどう生活していくかについて、時間をかけて考え抜いた。セールスフォースを辞めてからは、旅行をはじめとする生活に不可欠ではない支出を抑えてきた。
起業に伴う資金面については十分に準備できたと思っているが、振り返ると、退職前にビジネスと製品についてもっと深く計画しておけばよかったと感じている。辞表を提出した当時は頭の中に、まだ事業のアイデアが10〜20ほどあった。その不確実性によって初期の進捗が遅れたが、時間が経つにつれて方向性を見つけることができた。

あるAIツールを、繰り返し使い続けている
私は現在、AIのテストとモニタリングのツールに特化したAIガバナンスのスタートアップ「トビックスAI(Tovix AI)」の成長に注力している。
製品のリリースから2カ月が経ち、ビジネスはすでに収益を生み出し、少数ながら有料顧客も獲得した。































