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- イーロン・マスクの元部下が明かす、テスラのイノベーション加速メソッド
イーロン・マスクの元部下が明かす、テスラのイノベーション加速メソッド

- 連続起業家のジョン・マクニール氏は、2015年から2018年にかけて、テスラのセールス担当プレジデントを務めた。
- テスラでマクニール氏は、「5ステップのフレームワーク」の作成に関わったという。同氏はこれが、テスラにイノベーションをもたらしたとしている。
- この5ステップからなるフレームワークは、「ジ・アルゴリズム」という名で、イーロン・マスク氏によって広められた。
この記事は、DVxベンチャーズ(DVx Ventures)の創業者で、2015年から2018年にかけてテスラ(Tesla)でセールス担当プレジデントを務めたジョン・マクニール(Jon McNeill)氏とのインタビューに基づいている。マクニール氏は3月24日、あらゆる規模の企業で使える5ステップのフレームワークをテーマにした著書『ジ・アルゴリズム(The Algorithm)』を刊行したばかりだ。文章は長さや明確さを考慮して編集している。
私たちはテスラ(Tesla)で、5ステップのフレームワークを作り上げた。これは、1週間のあいだに一定のリズムを作ることでイノベーションを牽引する、システマティックな方法だ。
「ジ・アルゴリズム(the algorithm)」と名づけられたこのフレームワークは、テスラの最高経営責任者(CEO)、イーロン・マスク氏によって一躍有名になった。具体的には、「あらゆる要件を疑う」、「プロセス内のステップを可能な限り削減する」、「簡略化と最適化」、「サイクル時間の加速」、そしてこれらすべてを成し遂げた最後に「自動化」という5段階からなる枠組みだ。
2015年にテスラに入った時に、私が同社にもたらしたものの一つが、「リーン生産方式」(「トヨタ生産方式」とも呼ばれる)に関する深い経験だ。
リーン生産方式は、処理能力や生産、各種プロセスに突破口を見いだすことに関しては、大いに役立った。しかし、イノベーションの創出には向いていなかった。あるプロセスをベースにして新たな要素を加えたり、プロセスを改善することはできるかもしれないが、真のイノベーションを創出して新たな製品を作ることはできそうにもなかった。ここが、先ほど紹介した「ジ・アルゴリズム」との違いだ。
ジ・アルゴリズムは、スピードや効率性、イノベーション、成長に飛躍的な進歩をもたらすことを意図して作られた仕組みだ。

このフレームワークは、イーロン・マスク氏でなければ使いこなせないというものではない。前述した著書の全編を通じて、テスラで働き、大きなブレイクスルーを成し遂げた社員たちを取り上げている。工場の延べ面積の半減につながったダイカスト技術、どこからでも修理ができるモバイルリペアサービス、1ページにまとめたカーローンの書類などがこれにあたる。これらのイノベーションはすべて、テスラに務める社員たちが、このフレームワークを利用したことで生まれたものだ。
社内チームがこのフレームワークを作成した大きなきっかけは、私たちが犯していた過ちだった。このとき私たちは、モデル3の製造ラインを過剰に自動化してしまい、その結果、製造に遅れが生じていた。そこで私たちは、「自動化」を5つのステップの最後に置くことに決めた。自動化がフレームワークそのものを完全に破壊する恐れがあるとわかったからだ。
ジ・アルゴリズムから私が得た最初のメリットは、集中力だった。このフレームワークがあることで、適切な対象に集中し続けることができた。2つ目のメリットは、フレームワークのおかげで、イノベーションによるブレイクスルーが継続的に発生したことだ。これにより社員たちは、「このチームで生涯最高の仕事ができた」と口々に語るようになった。これには本当に満たされた気持ちになった。
ジ・アルゴリズムの限界
私が驚かされてきたのは、このフレームワークが異なる多くの環境に応用できることだ。これは、ゼネラルモーターズ(GM)のような従来型の自動車メーカーにも、スタートアップにも当てはめることができる。
しかし、ジ・アルゴリズムがある企業に根付くかどうかは、トップの本気度にかかっている。つまり、変化を渇望しているリーダーが必要ということだ。
一方で、こうしたフレームワークが生み出す環境が、どうにも心身を消耗させるというタイプの人もいるのは間違いない。
テスラで採用面接をしていた時には、私は応募してきた人に、「ここで働く心の準備はできていますか。ここは普通の”軍隊”ではありません。いわば”特殊部隊”です」と問いかけていた(比喩ではなく本当にこの表現で)。この言葉が意味するところは、「私たちは毎日明確な目的を持って動き続けていて、ここに就職すれば、あなたはベスト中のベスト中のベストな人たちと働くことになる」ということだ。
そうした環境で自分は成功を収められる、と思う人なら、このメソッドを大いに気に入るだろう。だがそうでなければ、ここではうまくいかず、このメソッドが大嫌いになるはずだ。この方法を気に入るのは、人と違っていてもかまわないという気質を持つ者だけだ。
ジ・アルゴリズムは、イノベーションを牽引するツールだ。これを使う人自身のリーダーとしてのスタイルやスキルセットを開発・発見するためのツールではない。

私自身は、イーロンのリーダーとしてのスタイルをまねすることはできなかった。もともとそういうタイプではなかったからだ。私のスタイルは、「共同作業を重んじるが、要求が多い」と表現されるのではないかと思う。私は挑発的な姿勢をとることを好むが、これは配下のチームを、メンバーがとても到達できるとは思わなかったところにまで連れていきたい、彼らがやるべき、あるいはできると思っていることより少し先を目指してほしいと思っているからだ。
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