- BUSINESS INSIDER
- 最高のチームで、変革に挑む。
- 現場経験は銀行システム変革の場でどう生きるのか?アクセンチュアで広がる金融IT人材の可能性
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金融機関のDX(デジタル・トランスフォーメーション)が加速するなか、金融ITの現場で求められる役割は大きく変わりつつある。単にシステムを開発・導入するだけでなく、金融機関の変革をどう実現するかが問われている。
そうしたなか、総合コンサルティングファームであるアクセンチュアは、金融機関のIT変革において、構想策定や戦略立案にとどまらず、システム開発・運用まで一貫して支援。金融領域において、銀行、生保・損保、証券、カード会社など、金融サービス全体で幅広い支援を行っている。
そんなアクセンチュアで、金融IT領域のシニア・マネジャーとして活躍しているのが、小島啓路氏だ。銀行システムの開発やプロジェクト推進などSIer(システムインテグレーター)で培った経験がアクセンチュアでどのような価値に変わっているのか? 小島氏に話を聞いた。
銀行システムに育てられた経験を、より大きなフィールドで
小島氏は、数十人規模のシステム開発会社でエンジニアとしてのキャリアをスタートした。主に担当していたのは、銀行の窓口で使われる営業店システムの開発。リーダー、マネジャーへと役割を拡張しながら、約13年にわたりシステム開発の現場に関わってきた。
その後、クラウド系ベンチャーへ転職。銀行のインターネットバンキングシステムをクラウド上に一から構築するプロジェクトに参画し、金融系エンジニアとして基礎を積んだうえで新たな挑戦を試みた。この頃、次のキャリアとしてアクセンチュアを意識するある出来事があったという。
「当時、僕らはクラウド上で銀行システムを作ろうとしていました。その際、アクセンチュアが手がけたデジタルバンクの事例記事を見たんです。アーキテクチャの考え方も、自分たちが議論していた方向性と重なる部分があり、当時非常に参考になりました。『僕がやりたかったのはこういうことだな』と強く実感した出来事でした」(小島氏)

その後業務の幅をさらに広げたいとキャリアチェンジを考えるようになった小島氏。転職活動で最も重視したのは、これまで取り組んできた銀行システムの領域を深められることだ。
銀行システムは社会インフラであり、一定以上の規模や体制がなければ関わりにくい領域でもある。地方銀行をはじめとする金融機関に貢献したい。そして、より大きな案件に携わることで、自身ももう一段成長したい。その2つの思いが、アクセンチュアへの強い関心につながった。
「プログラミングもほぼ知らない状態からキャリアをスタートした自分が、10年以上、銀行や金融機関の仕事に関わるなかで育ててもらった。その思いが強いんです。だからこそ、これまでの経験を活かして、地方銀行をはじめとする金融機関に貢献していきたいと考えていました」(小島氏)
ニッチな専門性が生きる、営業店システム更改の現場
2019年、アクセンチュアに入社した小島氏。現在担当しているのは、地域金融機関の営業店システムの更改プロジェクトだ。勘定系システムの刷新という大きな取り組みに紐づき、営業店舗の窓口で使われる営業店システムも同時に更改していく。小島氏は、その営業店システム側の開発リードを担う。
営業店システムとは、銀行の店舗業務を支える仕組みそのものだ。たとえば来店者が記入した帳票や振込用紙の情報をもとに、OCR(光学文字認識:Optical Character Recognition)で情報を読み取り、行員が申し込み処理を進める。近年はタブレット入力など顧客接点のデジタル化も進み、営業店そのもののあり方も変わりつつある。
「アクセンチュアとしては勘定系やメインシステムの刷新には多く取り組んできましたが、営業店システムの知見を持つ人材は社内に少ない。私の経験を活かせるとのことで、このプロジェクトに声をかけてもらいました」(小島氏)

同プロジェクトでは、既存システムの老朽化という課題に加えて、クライアントである地域金融機関がシステムを自分たちでよりコントロールしたいという要望もあった。これまではITベンダーに一任していた部分も多く、仕様や運用を把握しきれない部分があったという。
そこでアクセンチュアは、システム更改と並行して地域金融機関のシステム部門へのトレーニングを行い、運用しやすい体制づくりも進めている。現在は開発がひと段落し、年末までのテスト期間を経て、翌年初の稼働を目指す。
システム部門と事務部門をつなぐ、顧客に近い仕事
本プロジェクトで小島氏は、銀行のシステム部門と事務部門、それぞれの立場を理解し、両者の間を橋渡しする役割も担った。
「システム部門と事務部門は、要望を出す側と実現する側で、距離が生まれてしまうこともあります。私たちは業務改善もしていく立場なので、事務側にも話を聞き、システム部門とも話す。その間を橋渡しできるのは、私たちならではと感じますね」(小島氏)
アクセンチュアに入って変わったのは、「システムを作ること自体が目的ではなくなったこと」と小島氏は声を大にする。顧客が置かれている状況を踏まえ、本当に必要な仕組みは何か、どうすれば業務を改善できるのかを考える。SIerの経験を土台に、顧客に近い立場で課題解決へ踏み込む仕事へと、役割が広がっているのだ。
「以前は、パッケージを導入する、そのためにカスタマイズして開発する、という仕事が中心でした。今は、お客様の状況を踏まえて、何が本当に必要なのかを考え、業務支援も含めた形で入っていける。単にシステムを作るだけではないところに、仕事の広がりを感じています」(小島氏)
銀行領域の知見を深め、AI活用にも挑む。アクセンチュアで広がるキャリア
アクセンチュアで働く面白さの一つとして、小島氏はプロジェクトごとに異なる専門性を持つメンバーと組めることを挙げる。
「金融系のお客様であっても、金融領域のメンバーだけで進めるわけではありません。たとえば、銀行業務に詳しい人、クラウドに詳しい人、UI/UXに詳しい人など、いろいろな人が集まってプロジェクトを組成します。毎回異なる知見を持った人と一緒に働けるのは素直に面白いですね」(小島氏)

社内には、金融領域の専門性を深める仕組みもある。アクセンチュアには、銀行、保険、証券などのチームがあり、勉強会も定期的に開催されている。「そもそも普通預金とは何か」といった基礎的なテーマから学ぶ場もあり、銀行業務に詳しくないメンバーが知見を身につける機会になっている。
「金融領域は銀行だけではありません。保険や証券、カード会社なども対象です。銀行領域に閉じず、金融全体の知見を持つ人たちと気軽に話せる環境があるので、自分の視野も広がります」(小島氏)
今までの経験を土台に、一段上の仕事へ
アクセンチュアに入って、「システムを作る」ことから、顧客の業務課題に踏み込み、変革を支えるものへと広げていった小島氏。とはいえ、入社前からその働き方を明確にイメージできていたわけではない。コンサルティングファームへの転職には、不安もあった。
これまでのSIer経験は本当に活かせるのか。ロジカルな言葉で詰められ、資料や計画書を中心に仕事を進める世界なのではないか。「外資系だから、ドライで厳しい会社なのでは」という印象もあった。
しかし小島氏が入社後に感じたのは、想像していた以上に人間味のあるカルチャーだったという。
特に入社直後は、コロナ禍でフルリモートの環境だったこともあり、難しい局面では孤立しやすい状況だった。そんななか、プロジェクトを管掌するマネジング・ディレクターが直接連絡をくれ、必要に応じてサポートメンバーを入れてくれた。
「途中で引き継いだ大型案件でさまざまな問題が発生し、その対応やお客様とのコミュニケーションなどで大変な状況だったのですが、(前述の)マネジング・ディレクターが『大丈夫か』『困っていないか』と常に気にかけて連絡をくれたんです。それもあって乗り切ることができました。そういった助け合いの文化はこのプロジェクトだけの話ではなく、社内に根付いていると感じています」(小島氏)

SIer経験を土台に、金融IT変革のより大きな舞台へ
今後、小島氏が目指すのは、より大きなプロジェクトのマネジメントに関わることだ。これまでは開発リードとして、プロジェクト内の開発チームを率いる役割が多かった。これからはPMとして大型案件を担当し、金融機関の変革にさらに貢献していきたいという。
また、自身の業務とは別に、銀行の営業店システムソリューションのプロトタイプをAIで作るトライアルを現在行っているという。
「今までの仕事を通じて「もっとこういうのがあるといいのに」という思いを形にしたものです。以前の自分には想像できなかったのですが、将来的には自分で作ったソリューションをクライアントに導入できたらと考えています。」(小島氏)
銀行は社会インフラであり、地方金融機関がなければ地域のお金の流れも支えられない。だからこそ、金融機関のIT変革には大きな社会的インパクトがある。
もちろん、金融機関のシステム変革は簡単なことではない。しかしながら小島氏は、難しい局面でも必要な体制を組み、最後までやりきる姿勢にアクセンチュアらしさを感じているという。顧客からも「アクセンチュアは絶対に諦めない」と評価されることも多いと話す。
銀行系・金融系SIerで培った経験は、アクセンチュアで一段上の仕事に挑むための土台になる。要件定義、設計、開発、テストといったSIの経験に、金融業務への理解を掛け合わせることで、より難しい課題や大きな変革に向き合える。
「SIerでの開発経験が活かせている感覚があります。その土台があるからこそ、より難しい課題や、自分が実現したいシステムに取り組める。それが一番の楽しさですね」(小島氏)
金融システムは、安定性や信頼性が求められる一方で、変化への対応力も問われている。その変革の現場で、顧客とともに課題を見極め、実装までやりきる。小島氏の歩みは、金融ITの経験を次のステージで活かすキャリアのひとつの形を示している。
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