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- スペースXのIPOで、イーロン・マスク以外に巨万の富を手にしたのは?…その顔ぶれと金額を見てみよう

- スペースXの新規株式公開(IPO)は、イーロン・マスク氏が、何十年にもわたって自身を支え続けてきた人々の忠誠心に報いる人物であることを示した。
- アントニオ・グラシアス氏の保有株の価値は約750億ドル(約1兆2000億円)。マスク氏との関係は20年前にさかのぼる。
- スペースXの社長兼COO、グウィン・ショットウェル氏は、マスク氏のそばでずっと彼を支え続けてきた。彼女の保有株は約20億ドル(約3200億円)近くに上る。
いまや世界初の「1兆ドル長者(トリリオネア)」となったイーロン・マスク(Elon Musk)氏は、周囲に絶対的な忠誠心を求めることで知られている。
だが、今回のスペースX(SpaceX)の株式上場は、彼がその忠誠心に破格の見返りをもたらすことも証明した。良いときも悪いときも長年にわたってマスク氏を支え続けた盟友たちから、新たなビリオネア(億万長者)を続々と生み出したのだ。
スペースXは6月12日の金曜日に取引を開始した。再利用可能なロケットや衛星インターネットが同社を世界有数の価値ある企業へと成長させるはるか以前から、マスク氏のビジョンに賭けてきた従業員、経営幹部、初期の投資家、そしてベンチャーキャピタル。そうした人々にとって、同社の新規株式公開(IPO)は、長年未公開市場で蓄積されてきた含み益が一瞬にして公開市場での巨万の富へと変わる瞬間だった。
スペースXのIPOで大きな勝利を手にした「新ビリオネア」はどんな面々なのか。同社が提出したS-1書類(新規上場申請書)に記載された主要株主データと、公開後の初値である1株150ドル(2万4000円、1ドル=160円)に基づいて紹介していこう。

イーロン・マスク氏:7500億ドル(約120兆円)
最大の勝者がマスク氏本人であることは言うまでもない。その利益は他の追随を許さない圧倒的な規模だ。
スペースXの上場申請書によれば、マスク氏は株式公開前に、約8億4900万株のクラスA株と、約55億7000万株のクラスB株を保有していた。初値ベースで計算すると、その価値は約7500億ドル(約120兆円)に達する。
約2800億ドル(約44兆8000億円)相当と言われるテスラ(Tesla)の保有株と合わせると、マスク氏はいまや名実ともに世界初の「1兆ドル長者」となった。
バロー・エクイティ・パートナーズ:750億ドル(約12兆円)
マスク氏に次ぐ第2の勝者は、彼の側近の一人であり、スペースXの初期投資家でもあるアントニオ・グラシアス(Antonio Gracias)氏だ。彼は今回のIPOで2番目に大きな恩恵を受けた。
グラシアス氏は、自身が創業したプライベートエクイティ企業バロー・エクイティ・パートナーズ(Valor Equity Partners)の関連投資会社を通じ、スペースXのクラスA株の約7.3%に相当する5億株以上を保有している。
12日の取引開始時点で、彼の持ち分の価値は750億ドル(約12兆円)を突破した。
「これはとてつもなく大きなマイルストーンであり、感謝の気持ちでいっぱいだ」——グラシアス氏は取引開始直前、CNBCの取材にそう語り、「人類の産業史上、最も重要な企業の一つだと思っている」と続けた。
このリターンは、ベンチャー投資家が手にした利益としては史上最大級の一つだ。ただし、グラシアス氏個人が実際にいくら投資したかは明らかになっていない。
S-1書類の公開後、グラシアス氏はXにこう投稿した。
「私はファンドの大口パートナーだが、利益の大部分はLP(有限責任組合員=ファンド出資者)に還元される。2006年に初めてスペースXに投資して以来、私たちとスペースXを信じてくれた出資者の皆さんに心から感謝している」
また彼は同日、自身の保有株を「できる限り長く」持ち続ける意向を示した。

グーグル:約1320億ドル(約21兆1200億円)※
2015年、グーグル(Google)はスペースXに約9億ドル(約1440億円)を投資し、約7.64%の株式を取得した。当時の評価額は120億ドル(約1兆9200億円)だった。
それが今回のIPOによって、初日の取引開始からわずか1時間で、グーグルの持ち分は1320億ドル(約21兆1200億円)という途方もない価値に膨れ上がり、史上最高のベンチャー投資の一つとなった。
グーグルにとってスペースXの上場は歴史的な大勝利だが、2026年後半にはさらに巨額の利益を手にする可能性もある。同社はアンソロピック(Anthropic)の株式も約14%保有しており、こちらも今年中の大型IPOを計画しているからだ。
※編集部注:初日の取引開始から1時間後の金額。ブルームバーグによると2025年末時点で6.11%を保有していたことが判明しており、その後2026年2月にスペースXがxAIを買収・統合したことで持分比率は約5%に希薄化されたとの情報もある。
ルーク・ノゼク氏:50億ドル(約8000億円)
マスク氏と同じくペイパル(PayPal)出身で、長年マスク氏を支援してきたルーク・ノゼク(Luke Nosek)氏は、自身と自身のファミリーオフィス、ノゼク・キャピタル(Nosek Capital)を通じて3300万株近いクラスA株を保有している。
その持ち分の価値は、初値ベースで約50億ドル(約8000億円)となった。
ファウンダーズ・ファンド(Founders Fund)に在籍していた2008年、ノゼク氏はスペースXに対する最初の機関投資家によるベンチャー投資を主導し、同社の取締役に就任した。その後、自身が次に立ち上げたギガファンド(Gigafund)でも追加で投資している。
グウィン・ショットウェル:19億ドル(約3040億円)
スペースXの社長兼最高執行責任者(COO)を務めるグウィン・ショットウェル(Gwynne Shotwell)氏は2002年に同社に入社した。以来、彼女はテスラ、政府効率化省(DOGE)、Xなど複数の事業に奔走するマスク氏の傍らで、スペースXの屋台骨を支えてきた。
その揺るぎない献身がいま、大きな実を結んだ。IPO時の株価ベースで、彼女の保有株の価値は20億ドル(約3200億円)に迫る額になった。
これにより、ショットウェル氏はアメリカで最も裕福な「セルフメイド(自力で富を築いた)」女性の一人となった。メタ(Meta)の元COOシェリル・サンドバーグ(Sheryl Sandberg)氏(24億ドル=約3840億円)とテイラー・スウィフト(Taylor Swift)氏(20億ドル=約3200億円)に次ぐ位置につけている。
ブレット・ジョンセン:14億ドル(約2240億円)
ブレット・ジョンセン(Bret Johnsen)氏は2011年、最高財務責任者(CFO)としてスペースXに入社。21世紀で最も野心的かつ多額の費用を要する人類の挑戦を支えるため、何十億ドルもの資金を調達するという超人的な任務を担ってきた。そして今回、IPOという複雑な手続きを見事に乗り越え、同社をついに上場へと導いた。
ジョンセン氏の保有株の価値は初値ベースで約14億ドル(約2240億円)だ。
アイラ・エーレンプレイス:2億500万ドル(約328億円)
ベンチャーキャピタリストでテスラの元取締役でもあるアイラ・エーレンプライス(Ira Ehrenpreis)氏は、「企業は優れた財務リターンをもたらすとともに、社会や環境にポジティブな変化を促すことができる」という信念のもと、インパクト投資に特化したベンチャーキャピタルファーム、DBLパートナーズ(DBL Partners)を設立した。
彼の保有株の価値はスペースX上場時点で、約2億500万ドル(約328億円)となった。
ファウンダーズ・ファンドほか:非公表
多くの著名なベンチャーキャピタルや資産運用会社も、長年にわたってスペースXを支援してきたが、S-1にはそれらの名前が記載されていない。
その中で最も注目すべきはピーター・ティール(Peter Thiel)氏のベンチャーファーム、ファウンダーズ・ファンド(Founders Fund)だ。ピッチブック(Pitchbook)のデータによれば、同社は2008年に初めて投資し、その後2010年、2021年、2025年にも追加投資を行っている。
ほかのベンチャー投資家としては、セコイア・キャピタル(Sequoia Capital)、アンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)、コアチュー・マネジメント(Coatue Management)、ドレイパー・アソシエイツ(Draper Associates)、クラフト・ベンチャーズ(Craft Ventures)などが名を連ねる。
資産運用会社では、フィデリティ(Fidelity)とティー・ロウ・プライス(T. Rowe Price)も、後期ラウンドで同社に出資している。

































