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- カナダの30代夫婦は、たった数年でFIREを達成した。大好きな旅行を我慢せず、収入の70%を貯蓄した方法とは?

- クリスティ・シェン氏とブライス・レオン氏は住宅の購入を計画し、何年も貯金を銀行口座に預けていた。
- 住宅価格が上昇し続けるにつれ、彼らは不満を募らせ、貯蓄をインデックスファンドに振り向けた。
- 積極的な資産形成のおかげで、彼らは7桁(数百万ドル:数億円)の資産を築き上げ、30代で仕事を辞めた。
クリスティ・シェン氏が初めてFIRE(経済的自立と早期退職)ムーブメントについて聞いたとき、彼女はそれが詐欺のように思えた。
2010年代初頭、FIREコミュニティはまだ小規模で、ミスター・マネー・マスタッシュ(Mr. Money Mustache)やJ.L.コリンズといったブロガーたちが、「4%ルール」や、年間支出の25倍を貯蓄すれば経済的自由が得られる、という考え方について議論をリードしていた。
「私は中国の貧しい家庭で育ったので、『株式市場は怖い』と思っていた」と、8歳の時に家族でカナダに移住したシェン氏は語った。
彼女のお金に対する考え方は、両親の「家を買って、株式市場には手を出さないように」という助言によって、主に形作られていた。一方、FIREブロガーたちは、インデックスファンド投資を活用すれば30代で引退できると主張していた。「私はそれをあまり信じていなかった」と、彼女は語った。
当時、シェン氏と夫のブライス・レオン氏は、住宅購入のための貯蓄に注力していた。コンピューター工学を学んでいた時に出会った2人は、ともにIT業界で働き、高収入を得ていた。しかし、トロントでマイホームを持つことは、依然として手の届かないもののように思えた。
「住宅価格は上がる一方だろう」と、シェン氏は述べた。
住宅市場に対する不満から、2人は他の選択肢を検討するようになり、最終的にFIREコミュニティにたどり着いた。

FIREに必要な額の計算
早期退職は魅力的に思えたが、彼らが代替案を考えるきっかけとなったのは、経済的な不確実性だったと、レオン氏は語った。「FIREは、雇用の安定性に対する脅威、当時であればアウトソーシング、から自分たちを守るための手段のように思えた」
2人は「4%ルール」を採用した。これはFIREの一般的な指針で、退職後はポートフォリオの約4%を毎年引き出せるというものだ。つまり、年間支出の約25倍の資金を投資しておく必要がある。彼らの年間支出は約4万カナダドル(約460万円、1カナダドル=115円:以下同)であったため、FIREに必要な金額は100万カナダドル(4万カナダドルの25倍、約1億1500万円)となった。
彼らは7桁(数百万ドル:数億円)の資産に達するには5年から10年かかると予想していた。しかし実際には、わずか数年で達成した。彼らには大きなアドバンテージがあった。2012年に初めてオンラインのFIREコミュニティを知った時点で、2人は頭金としてすでに約50万カナダドル(約5750万円)を貯めていたという。彼らは単にその資金の使い道を変えただけだった。住宅購入に使う代わりに、低コストのインデックスファンドに振り向けたのだ。
収入の最大70%を貯蓄した方法
FIREを本格的に目指す前、夫婦は収入の約30%から50%を貯蓄していたという。2人の合計年収は最高で約16万カナダドル(約1840万円)だった。彼らは最終的に、貯蓄率を70%まで引き上げた。
それができた大きな要因は、生活水準の向上を避けたことにある。2人は質素な1ベッドルームのマンションに住み続け、家賃は10年間ほぼ変わらなかった。
「何度も昇進したにもかかわらず、私たちは生活水準を一切上げなかった」と、シェン氏は語る。「実際に、そして喜んで、お金を使っていたのは、旅行だけだった」
彼らは年間5000ドルから1万ドル(約78万円から155万円、1ドル=155円:以下同)を旅行に費やしたと見積もっており、それを「絶対に譲れない費用」だと述べた。

レオン氏は、支出の削減をダイエットに例え、積極的かつ継続的に貯蓄するための鍵は、自分を完全に制限しないことにあると語った。「短期間なら続けられるが、結局は逆戻りして、バースデーケーキを丸ごと食べてしまう」
FIREとは、むしろ自分にとって大切なことに資金を充てることだ。
また、住居費、交通費、食費という「3大支出」を抑えることも有効だ。彼らは質素なアパートを借り、車を所有せず、自炊することでそれを実践した。これにより、貯蓄目標を達成しつつ、最も大切にしている旅行にお金を費やす余裕が生まれた。
FIREムーブメントについてよくある誤解は、それが我慢を伴うものだという点だとシェン氏は言う。「そうではなく、最適化が重要なのであって、最小化ではない」。支出の記録が、その最適化を可能にした。お金がどこに使われているかを詳しく見始めると、何が付加価値を生み出し、何がそうでないかを特定しやすくなったのだ。
「実際にはほとんど使わないものに、どれだけお金を無駄にしているか、気づいていないものだ」と、彼女は言った。
投資で100万ドルの収益を目指す
彼らは当初、住宅購入を計画していたため、貯蓄は銀行口座に眠っていた。FIREを目指すことを決意してからは、VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド ETF)、IEFA(iシェアーズ・コア MSCI EAFE ETF)、ZCN(BMO S&P/TSX Capped Composite Index ETF:カナダ株全体に投資するETF)など、低コストのインデックスファンドで構成された分散投資ポートフォリオへと資金を移した。
また、彼らは税制優遇口座も最大限に活用した。
「負担なくもらえるお金や、税制優遇を受けられるお金を得る機会があれば、絶対に活用すべきだ」と、リャン氏は述べ、401(k)(企業型確定拠出年金)、ロスIRA(個人退職年金プラン)、HAS(医療費用貯蓄口座)、529プラン(教育資金税制優遇制度)といった口座を例に挙げた。「政府に支払うお金が少なければ少ないほど、自分の手元に残るお金が増えるのだ」
2015年にFIREの目標額を達成した後、シェン氏とレオン氏はそれぞれ31歳と32歳で仕事を辞め、世界中を旅し始めた。それ以来、彼らは資産運用による収入で生活している。ベストセラーとなった彼らの2冊の著書、『Quit Like a Millionaire(ミリオネアあのように仕事を辞める)』と『Parent Like a Millionaire (Without Being One)(ミリオネアのように子育てする[ミリオネアでなくても])』からいくらかの収入を得ているが、その収入に頼って生活をしているわけではないと語った。
Business Insiderが確認した彼らの投資ポートフォリオのスクリーンショットによると、彼らは退職後、純資産を2倍以上に増やしている。
この夫婦にとって、FIREは最終的には早期退職というよりも、むしろ柔軟な働き方を得るためのものとなった。
「FIREは確かに素晴らしいことですが、本当に重要なのは、そもそもなぜその目標額を目指すのかということです」と、シェン氏は語った。このことは、家族の緊急事態の際に特に明らかになった。レオン氏の父親が脳腫瘍と診断された際、2人は彼の介護のために帰国したのだ。「私たちは、これが経済的自立の目的だと気づいた。愛する人たちのために時間を使えるように、自分の時間を取り戻すのだ」
彼女はさらに、経済的自立が親としての自由も広げてくれたと付け加えた。「実際に子供たちのそばにいて、一緒に時間を過ごし、成長の大切な瞬間をひとつも逃さずに済むのだ」
経済的自立を達成することは、決して仕事を辞めることだけを意味するものではなかった。
「それは何かを犠牲にすることでも、仕事を辞めることでもない」と、彼女は語った。「本当に大切なのは、それがあなたに選択肢を与えるということなのだ」
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