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- ホンダ4代目「インサイト」は中国からの“養子”。EVが変えた日本メーカーの針路
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浦上早苗の インサイド・チャイナ

ホンダが往年の名車「インサイト」をEVとして復活させた。しかしその実態は、自社の戦略的空白を埋めるために中国拠点のモデルを急遽招き入れた「養子」とも言える存在だ。ホンダのやり方は特殊要因による“奇策”だが、中国で開発・生産された自動車の世界展開は、主要メーカーのスタンダードになっていくかもしれない。
4代目は中国産
ホンダが17日、SUVの電気自動車(EV)「インサイト」を発売した。フル充電での航続距離は535キロメートルと、同社として最長。価格は550万円だが、国のEV補助金130万円が適用されれば、実質420万円で購入できる。
インサイトは同社初のハイブリッド車として1999年に発売され、2009年に投入された2代目は、トヨタ自動車の「プリウス」と激しい販売競争を繰り広げた。その後発売された3代目は2022年に生産販売を終えており、今回は4年ぶりの「復活」となる。しかし、この4代目インサイトは、中国で2024年に発売されたEV「e:NS2」をベースに、仕様を日本向けに変更したもので、過去3代とは出自が異なる。いわば養子を迎えたようなものだ。
ホンダが中国で製造された車種を日本で発売するのは初めてで、車内で6種類の香りを楽しめるアロマディフューザーや、中国の若者向けのエッジの利いたデザインはそのまま導入された。販売計画台数は3000台限定。
つまり4代目インサイトは、ホンダがEV戦略の見直しを迫られたことで生じたラインナップの空白を埋めるという、特殊な役割を担っている。
日本の空白埋める役割

EVのシェアが非常に低い日本市場では、メーカーのEV開発も「軽」が中心だ。ホンダが現時点で販売しているのも、「N-ONE e:」と「N-VAN e:」の軽2車種にとどまる。
同社は3月にEV戦略を転換し、北米で生産し日本投入も視野に入れていた世界戦略EV「Honda 0(ゼロ)シリーズ」の開発を中止した。
一方足元では中国自動車大手のBYDが日本国内でもラインナップを拡大。政府の補助金政策などでEVの認知も広がっている。空白を放置すればEVに関心がある顧客を奪われかねない。そこでホンダは、中国で販売しているe:NS2を「インサイト」として日本へ持ってくることで、日本でのEV車種を補完したというわけだ。
中国側の事情もある。ホンダの2025年の中国販売は前年比24%減の64万台で、2020年の約162.7万台から約6割減少した。トヨタや日産は2025年に投入した新エネルギー車が健闘し、底打ち感が出始めているが、ホンダは販売減が加速している。
2024年以降、中国でのガソリン車生産能力を削減し新たにEV工場を立ち上げたものの、EVも競争力を打ち出せていない。中国で不振のEVを補助金のある日本で販売することで、稼働率を上げようとする思惑も見え隠れする。
中国拠点を再定義する日産

ホンダの中国製EV輸入は、自社のEV戦略の見直しも背景とする急場しのぎだが、「技術やブランドを現地企業に供与し、成長市場の果実を得る」という従来の認識を改め、中国を開発短縮やイノベーション、さらには輸出拠点として再定義する主要メーカーは増えている。
日産はその1社だ。
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