- BUSINESS INSIDER
- ビジネス
- 「新築で条件を満たせない」マンション高騰で変わる富裕層の選択。「中古億ション」に商機
「新築で条件を満たせない」マンション高騰で変わる富裕層の選択。「中古億ション」に商機

首都圏の新築分譲マンション価格は高騰が続き、平均価格が1億円を超える月も珍しくなくなった。もはや「都心で新築を買う」は、一部の限られた層だけの選択肢になりつつある。
その一方で、富裕層の視線は中古住宅市場へと向かい始めているようだ。中古住宅の仲介プラットフォーム「カウカモ」を運営するツクルバは5月、2億円以上の高額物件を扱う富裕層向けサービスを本格展開すると発表した。2025年から試験的に取り扱いを始めたところ、想定以上の反響があったという。
2億あっても「理想の家ない」

「新築では要望を叶えられない、という状況になってきている」
そう話すのは、富裕層向けサービス「SUITE by cowcamo(スイート バイ カウカモ)」を立ち上げた、カウカモ事業部シニアマネージャーの橘侑氏だ。
SUITE by cowcamoは、都心の2億円超の中古高額物件を扱う専用窓口。中古住宅の購入希望者に対し、専任担当者が物件探しから購入、リノベーションまでを一気通貫で支援する。主なターゲットは、世帯年収が3000万円以上の経営者やパワーカップル、士業、外資系企業勤務者。投資目的ではなく、自ら住む実需層を想定している。
もともと「カウカモ」に掲載されている物件価格帯は7000万〜8000万円が中心。「予算は限られているが、都心の良い立地で、自分らしいリノベーション住宅に住みたい」と考える層から支持を集めてきた。特に20〜30代女性を中心にファンを広げ、結果として1億円未満の価格帯を主戦場として成長してきた経緯がある。そのため、これまではあえて高価格帯へ大きく踏み込んではこなかった。
しかし、2025年から試験的に高額物件の掲載を始めたところ、想定を上回る反響があった。成約件数は非公開ながら、一定の成果が見えたことで本格的に扱うことを決めたという。現在、カウカモでは1.5億円以上の高額物件が全掲載物件のうち約1割を占める。
都心の新築は「高い・少ない・狭い」

背景にあるのは、都心新築マンション市場の変化だ。土地価格や建築資材価格の高騰を受け、新築マンションの供給戸数は減少傾向が続く。特に都心一等地では供給そのものが限られている。
不動産経済研究所によると、東京23区の新築分譲マンション供給戸数は、2025年度に前年比6.8%減、2024年度には同25.5%減と大きく減っている。
一方で、価格は上がり続けている。2026年3月時点で、首都圏の新築分譲マンションの平均価格は1億413万円。平均専有面積は65.21平方メートルで、「1億円超なのにそこまで広くない」という状況も珍しくなくなってきた。都心の新築市場は今、“高い・少ない・狭い”の三重苦だ。現在は、たとえ2億円の予算を用意できたとしても、都心で「広さ」「好立地」「理想的な間取り」「デザイン性」をすべて満たす新築物件に出会うこと自体が、かなり難しくなった。
中古億ション、人気は「低層」

こうした中で存在感を増しているのが中古住宅だという。
「もともと、ビンテージマンションを好む層は一定数いました。ただ今は、都心で希望する広さや条件を満たす新築マンションに出会えないため、“最初から新築を選択肢から外している”という方が増えている印象です。実際、相談に来られる富裕層のうち、新築も並行して検討している人は全体の2割程度という感覚です」(橘氏)
富裕層の間では「中古を買って、自分好みにリノベーションする」という選択肢が有力になりつつある。こうした変化を、 ツクルバ はビジネスチャンスと捉える。仲介手数料型のビジネスである以上、高額物件は収益インパクトも大きい。2億円超の物件が1件成約すれば、従来価格帯の3〜4件分に相当する利益が見込める。
橘氏によると、特に人気を集めているのが、1990年代から2000年代前半に建てられた低層マンションだという。なぜか。
あわせて読みたい
Special Feature






























