
























今年4月、北海道職員として採用され、児童相談所に配属された26歳の男。
しかしその裏では、採用直前まで勤務していた民間施設で、10代の少女にわいせつ行為をしていた疑いが浮上していました。
その後、5月になって男は不同意わいせつ容疑で逮捕されました。
いま問われているのは、なぜ、この人物が子どもと接する現場に配置されたのか、ということです。
■「子どもに関わらせないで」行政に届いていた警告
実は採用前、北海道には外部から一本の電話が寄せられていました。
「児童へのわいせつ行為をした人物が、北海道庁への就職を予定している」
さらに、「子どもに関わる業務には就かせないでほしい」
具体的で、切実な訴えが含まれていたといいます。
しかし、その情報は巨大組織の中で共有されることはありませんでした。
■子どもを支える立場で…少女にわいせつ行為
逮捕されたのは、岩見沢児童相談所の職員だった吹谷望実(ふきや・のぞみ)容疑者、26歳。
警察によりますと、吹谷容疑者は2月、当時勤務していた札幌市内の民間施設で、利用者だった10代前半の少女の体を触るなどのわいせつ行為をした疑いが持たれています。
子どもを支える立場にいた人物が、子どもを傷つける行為に及ぶ…
しかも、その人物はわいせつ行為をはたらいたあとも職を変え、児童相談所という、子どもと日常的に接する現場で働いていたのです。
■なぜ情報は止まったのか…組織の中で消えた警告
道によりますと、情報提供があったのは、吹谷容疑者が採用される前の3月中旬でした。
保健福祉部子ども施策局にかかってきた電話。
情報提供者は、「児童へのわいせつ行為を行った人物が道への就職を予定している」「関連業務に関わらせないでほしい」などと訴えました。
電話を受けた担当職員は、内容をメモにまとめ、上司の課長補佐へメールで報告。
そこには、わいせつ事案の存在も、採用予定者であることも記されていたといいます。
しかし…その情報は、そこで止まってしまいました。
上層部への報告も、人事部局への共有も行わず、事実確認も行われませんでした。
その理由について道は、「札幌市内の民間施設で起きた事案という認識にとどまり、まずは札幌市へ相談してもらうべきだと考えた」と説明しました。
会見では、記者から厳しい質問が相次ぎました。
「採用予定者だという情報まで把握していたのに、なぜ共有しなかったのか」
しかし道は、「民間施設での事案という点に意識が向いていた」などと、同じ説明を繰り返すばかりでした。
■子供を守るための情報共有をどう進めるか
結果として、児童への性犯罪に関する情報は組織の中で埋もれ、子どもと接する現場へ危険な人物が侵入するのを阻止することはできませんでした。
逮捕という事態を受け道は、再発防止策として、虐待やわいせつ事案など、重大な情報については幹部まで報告を徹底し、人事や危機管理部門との情報共有を強化するとしています。
また、責任の所在などについても引き続き調査したい、としています。
子どもを守ってほしいという声は、なぜ組織に響かなかったのか。
行政の重い課題が浮かび上がっています。
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