

















富山県内の用水脇に設置されたひし形の看板に、溺れて両手を上げる男の子—。富山に住んでいれば誰もが見たことがあるこの「用水だ!看板」、実はそのキャラクターを描いたのは専門のデザイナーではなく、県の職員だった。設置から40年、約3000枚が作られてきた看板の意外な誕生秘話を追った。




「用水だ!」—その言葉を聞いただけで、あの看板の男の子を思い浮かべる富山県民は少なくない。


この看板を管理するのは、富山県農村整備課だ。同課によると、看板が設置されてから今年でちょうど40年。これまでに約3000枚が作られ、人通りのある用水脇に設置されてきた。
看板の一番の特長は、なんといっても少年の表情だ。
しかし、そのキャラクターを生み出したのは意外にも専門のデザイナーではなく、県の職員だった。当時の原案が今も残っており、そのイラストはほぼそのまま看板に採用されたという。完成度の高さには思わず驚かされる。

看板がひし形になっているのにも理由がある。道路の警戒標識のように注意喚起を促す目的と、両手を広げる子どもの姿をなるべく大きく描くためだったという。緊急事態をわかりやすく表現し、事故防止を呼びかけるための工夫が、あのシンプルなデザインに凝縮されていた。


さらに驚くのは、看板のあの男の子に名前があることだ。その名も「用水だ!くん」。着ぐるみまで存在し、キラキラとした目が印象的なイケメンキャラクターとして実体化している。


「用水だ!くん」の役割は、用水の危険を知らせることだけにとどまらない。富山県の農産物などのPR活動という新たな任務も担っており、うるっとした目で特産品を紹介する姿は、どこかほほえましい。

設置から40年という長い歴史の中で、「用水だ!看板」は富山県民の生活に静かに溶け込んできた。専門家ではなく職員の手から生まれたあのキャラクターが、今も県内各地の用水脇に立ち続け、子どもたちに用水の危険を訴えている。

街を歩いていて「用水だ!看板」を見かけたとき、その誕生の背景に思いをはせてみると、見慣れた看板が少し違って見えるかもしれない。
(富山テレビ放送)
富山テレビ
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