






















衰退が続く島根・松江市中心部の商店街に、新たな風が吹き込んだ。
地下30メートルから汲み上げた天然温泉に、老舗茶舗の健康茶を使った本格サウナ、さらには宿泊設備まで備えた複合施設「天然温泉・湯屋天神」が、2026年5月7日に営業を始めた。
この温浴施設の整備には、商店街の平日の通行量が、10年前と比べて半数近くに落ち込むなど衰退に歯止めがかからない状況をふまえ、中心商店街復活への思いが込められている。
オープン直後から、湯屋天神には多くの松江市民などが足を運んだ。
一番乗りで訪れた市民は「街中にサウナがある施設はないんですよ。本格的なサウナで日帰りでね、非常に楽しみです」と声を弾ませた。
また30代の女性は「やっぱり温泉ですね」と笑顔で語り、連休明けに訪れた30代の男性は「ゴールデンウィークは連勤だったので、疲れを癒しに来ました」と話していた。

施設の特徴は、天然温泉・サウナ・宿泊機能を一つの場所に凝縮した点にある。
地下30メートルからくみ上げた温泉、サウナには近くの老舗茶舗が扱う健康茶が使われており、地域ならではの体験を提供する。
また宿泊は、ドミトリーや個室を用意し、旅行者にも対応する。

湯屋天神が立地する天神町商店街は、かつて松江市の中心商業地として昭和の時代に大いに栄えた。
しかし、近年は全国の地方商店街と同様、市民の足が遠のいている。
松江市の調査によると、2025年の平日における天神町商店街の歩行者・自転車の通行量は622人。
10年ほど前と比べると半減に近い水準であり、かつての賑わいを想像することも難しい状況だ。
3年前に復活した昭和の人気イベント『土曜夜市』が一定の賑わいを生む日もあるが、日常的な集客には課題が残る。

この施設はTSKさんいん中央テレビが、国と松江市の補助金を活用し、総工費約9億円をかけて整備した。
TSKの田部長右衛門社長は「昼間に歩いてもらいたい、そして起爆剤となるように湯屋を計画した」と語る。
夜間のイベントに頼りがちな商店街の集客を、昼の時間帯にも広げようという狙いが込められている。

地域の関係者も、この施設に大きな期待を寄せている。
北天神町商店会の中村寿男会長は「もちろん発展途上なのは事実。ただ、湯屋も含めて、天神町の周辺が充実してくると観光客の滞留時間も増えてくる。一般の人たちの生活も充実してくるのではと期待している」と話す。
地域住民の日常的な憩いの場としての役割を担いながら、観光客を商店街に引き留める拠点となることが期待されている。
湯屋天神は年間6万5000人の来場を目標に掲げており、その達成が商店街再生の試金石となりそうだ。

TSKさんいん中央テレビ
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