


























福岡県議会で先日、メディアの取材制限につながる新たなルールが検討されていることが明らかになりました。取材や撮影などについて「原則として前日までに対象者の承認を得る」といった内容になっています。こうした新ルール案が浮上した背景やその内容の妥当性についてジャーナリストの鈴木哲夫さんに聞きました。
川崎健太キャスター:
改めて先週、報道陣に配布されました新しいルールの素案について詳しく見ていきたいと思います。4つありますが、全てこれまではなかったものです。
1つが「議員控室に入るときは責任者の承諾を得ること」、2つ目は「議会棟で取材撮影を行うときは前日までに対象の議員の承認を得ること」、3つ目も「議会等で撮影等を行うときは議会事務局の承認を得ること」と書いてます。そして当初は「状況によっては記者に退去を求めることもあり得る」というような話もありました。
そもそも背景にあるのが、県議会による高額な海外視察の問題や県議のパーティー券の購入をめぐる問題というのが最近あって、これを追及する取材が続いていましたので、報道機関への牽制なのではないかという見方もありました。
哲夫さん、今はトーンダウンはしてるんですけど、素案が報道機関に配られたことについていかがでしょうか。
鈴木哲夫さん:
「前日までに」と言うけれど、きょう今この瞬間に何が起きるか分からないわけで、その時に取材をしないで「原則前日までに」って、こんなことはまずありえないですよね。もう何度もこの問題について僕も言ってますけれども、基本的には報道の仕事というのは、報道の「知る権利」だとか言うけども、要するに一般の人たちが知り得ない「権力の高い壁の向こう側」と僕は言うんだけど、マスコミが一般の人の代表として先頭に立って取材をするわけですよ。だからここに規制をかけるっていうことは「一般の人たちに対してしゃべらないよ」っていうことです。こんなことは絶対にあっちゃおかしいことなんですよね。
問題は一体誰がこれを言い出して、なぜ議会事務局が動いたのか。この辺がだんだん曖昧に今なってきてるでしょ。だからこの辺も本当はっきりさせるべきだと思うけれども、取材という原点を考えたときにこういうルールは絶対にあってはならないというのは間違いないですよね。
川崎キャスター:
報道機関のエゴじゃなくて県民のためにならないということですね。
鈴木さん:
その通り、僕らは県民の先頭にいて、代わりに僕らがマイクを向けて言ってるってことですよね。
川崎キャスター:
そして今この福岡県議会を巡る一連の問題、議論がが国会に広がろうとしています。日本保守党の北村晴男参院議員がきのう、政府に対して書面で質問する質問主意書を提出したんですね。これが福岡県議会に関する内容でして、県議会の海外視察は特定の議員の利益を図る背任罪にあたる可能性があるけども、総務省は事実調査をする考えがあるのかということなどを政府に対して質問しています。哲夫さん、これ今後どういうことが考えられますか。
鈴木さん:
この質問主意書にどういう回答が来るか分かりませんけれども、福岡県議会が海外視察でいろんな問題が起きてるぞと、それから今回のような取材規制でこういうことが起きているとなると、福岡県議会の権威が全国的に見て下がっていきますから、これを立て直すのはまさに県議会そのものですよ、県議の人たちですね。だから今まで問題になってることきちんとけじめをつける、答えを出す。もうそれしかないと思いますね。
川崎キャスター:
今回、その取材制限とか海外視察の問題がありますけれど、一部の議員に取材すると、支援者からも福岡県議会が今どうなってるんだという不満の声がはっきり上がってるようです。来年春には県議選がありますし、今まさに県民全体で議会のあり方を厳しく見ていく必要があるかと思います。
(2026年5月28日放送「報道ワイド 記者のチカラ」より)
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