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佐藤優のお悩み哲学相談
【佐藤優】うつ病で休職。傷病手当の“次の一手”は? 「後ろめたさを感じる必要はない」
佐藤優[作家・研究者](構成・本間大樹、イラスト・iziz、編集・野田翔)

シマオ:皆さん、こんにちは! 「佐藤優のお悩み哲学相談」のお時間がやってまいりました。読者の方にこちらの応募フォームからお寄せいただいたお悩みについて、佐藤優さんに答えていただきます。さっそくお便りを読んでいきましょう。
40代、金融業界に勤める会社員です。現在私はうつ病・双極性障害で会社を1年以上休職し、メンタルクリニックに通院して治療を受けています。
病状は回復傾向にあり、医師からは薬の処方と社会復帰の訓練(喫茶店や図書館などでの簡単な疑似的事務作業)をするように言われており、かなりの程度実行できています。
ただ、時々感情のコントロールができないことがあり、妻と子どもの前で怒鳴ったり、物を蹴ったりという人として恥ずべき行為をしてしまう事があります(病気になる前はありえませんでした)。
本当に辛いのは妻と子どもの方だと分かっているのですが、今まで自分よりも他人のためを優先して、仕事でも問題があれば同僚や部下を助け、かばって、きつい業務は率先して引き受けてきた自分が、なぜこのような辛い目にあっているのか理解できません。
私の人生が間違っていたのでしょうか。このような状況をどのように理解し、生きればよいのでしょうか?
また、上司からそろそろ復職できそうかと聞かれており、医師からも現在の回復ペースなら問題ないと言われていますが、専業主婦の妻からはうつ病の原因は現職にあるから、やりたい仕事をやった方がいいのでは、と言われています。
ただ、私がやりたい仕事というとゲーム業界での仕事で、転職は難しいだろうと思っています。
(迷い猫、40代前半、男性、会社員)
※お便りが長文でしたので、記事では一部要約させていただいております。
早計に復帰することを考えずじっくり治療を
シマオ:迷い猫さん、お便りありがとうございます。大変な状況であることが伝わりました。1年以上休職されているそうで、経済的なことも含め、焦りのようなものもあるのかと思います。
佐藤さん:そうですね。ただ、私の経験則からいうと、どうもまだ復帰するには早いような気がします。
シマオ:そうなんですか? メンタルクリニックの医師は今の回復ペースなら問題ないとおっしゃっているようですが……。
佐藤さん:もちろん医師の判断は重視すべきですが、客観的に見て、まだ働くのは現実的ではないように思えます。
なぜなら、ご本人も書かれているように時折感情のコントロールができなくなって怒鳴ったりモノを蹴ったりすることがあるからです。これをもし職場でやったらどうですか?
シマオ:部下がいるとありますし、恐らく迷い猫さんは中間管理職ですよね。となると一発でパワハラ……場合によっては懲戒になってしまうかもしれません。
佐藤さん:その場合、経歴にもっと深い傷が残ることになります。ですから、もう少し時間が必要だと思います。私は専門家ではないので断定はできませんが、あと1年くらいは休むことが必要だと思います。
シマオ:そ、そうなんですか……。結構時間が掛かるんですね。
佐藤さん:それくらいは時間が掛かるものだと覚悟を決めて、早計に社会復帰を目指さないことです。
シマオ:ただ、ご本人はおそらく経済的なこともあり、仕事をしなきゃいけないと考えているのだと思いますが……。
佐藤さん:その認識を変えないといけないと思います。今は仕事のことなどは考えるときではありません。とにかく自身の病気を良くすることだけに専念する。それもあと1年、腹を据えてじっくりと治すことを考えるべきだと思います。切り替えが必要なんです。
シマオ:なるほど、そこを切り替えられずに社会復帰のことを焦るから、余計イライラが募るのかも知れませんね。
傷病手当の“次の一手”は?

佐藤さん:現在迷い猫さんの会社の対応がどのようなものかは分かりませんが、傷病手当の給付を受けているはずです。
シマオ:調べてみると、傷病手当は支給日以前の12カ月の平均給与の3分の2の額が支給されるそうですね。ただ、最長で1年6カ月という期間制限があります。迷い猫さんの焦りもこの期限が関係しているのかも。
佐藤さん:そうかもしれませんね。その場合、次の一手を考えておくべきでしょう。
シマオ:と、言いますと?
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