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- ビジネスAI時代の「AIガードレール」の作り方。アドビが提唱する「ブランド知能」に納得するワケ【尾原和啓の深堀り】
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ビッグテックの動向

AI業界の2つの大規模カンファレンス「Google Cloud Next26」と「Adobe Summit 2026」の現地でのヒアリングと取材を通じて、IT批評家の尾原和啓さんの視点でAIエージェント時代のビジネス戦略を語る短期集中2本立てコラム。
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人間がいちいちチェックしなくてもAIが暴走しないようにするためには、どうすればいいのか?
答えは、AIが猛スピードで突っ走っても絶対に脱線しない「ガードレール」を、システムの内側に最初から組み込んでおくことです。
ガードレールを作るというアプローチにおいて今回、アドビが打ち出してきた「ブランド・インテリジェンス(ブランド知能)」の思想が、もう本当に見事でした。
企業がAIを使って自動でクリエイティブやコンテンツを作らせる場合、絶対に守らなければならないルールがあります。
各国の法規制や職業倫理といった「これに抵触したら一発アウト」というガバナンス上のルールのことを言っているのではありません。
例えば「コカ・コーラ」というブランドがあります。あるいは「ナイキ」でもいいです。コカ・コーラが発信するメッセージやクリエイティブには、言葉ではうまく説明できないけれど「いかにもコカ・コーラらしい」というトーン&マナーがあります。

あの独特の赤色、フォント、カーブ、そしてポジティブなバイブス。こういった非言語的で暗黙知的な「ブランドらしさ」の境界(壁)を、どうやってAIに守らせるのか。ここが、クリエイティブにおける最大の壁でした。

アドビはこのブランドの壁を、意思決定の履歴の蓄積「デシジョントレース」によって突破しようとしています。
普段、私たちはAIに向かってバイブコーディングのような形で指示を出しますよね。「ちょっとこれ違うな、もっとこういう風に変えて」「ここは絶対ダメだから超えないようにして」という風に、修正の指示を繰り返します。日々の「ここはNG」「ここはOK」という人間の意思決定の履歴(デシジョントレース)が、AIのワークフロー上にどんどんデータとして蓄積されています。
これをAIに対して上手に与えれば、あるキャンペーンのクリエイティブを作った時の修正履歴から、「あ、このブランドはこういう表現を嫌がるんだな」というNGラインが見えてきます。

別の業務の履歴からも、また別のルールが見えてきます。これらを共通化していくと、AI自身が「コカ・コーラらしさとは何か」「ナイキらしさとは何か」というブランドのプレーブックを自動的に作り上げられる。これが、アドビの言う「ブランド・インテリジェンス」です。システムの中に、この暗黙知のプレーブックを「ガードレール」として組み込み、あらかじめガバナンス・コントロールが効いたコンテンツ素材を用意され、さらに「自社らしさ」というスタイル(カラーパターンやフォントの配置など)のルールをシステムの内側に埋め込む、というアプローチです。
このガードレールの内側であれば、AIはどれだけ猛スピードでクリエイティブを自動生成しても、そう簡単にはNGラインを超えません。だから、人間が事後チェックをする「関所」を撤廃できるわけです。
人間が後から確認するのではなく、システム自体にNGを出さない構造を徹底する。だからこそ、AIエージェントに完全に業務をお任せする(自律駆動させる)ことが可能になるわけです。
AIの自律駆動は、どんな産業でも取り入れられるわけではないにしろ、理論的には導入可能なビジネスは少なくありません。
気になるのは、ガードレールの中でAIが全速力で走り出した時、一体どんな新しいビジネス機会が生まれるのか、ですよね。そこがすべてです。
アドビが紹介した事例とデモが秀逸でした。
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