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イラン戦争の核心
再エネの導入だけでは解決できない。ホルムズ海峡封鎖で顕になった「石油依存」大国日本の課題

イスラエル・米国による対イラン攻撃に伴うホルムズ海峡封鎖で原油調達のリスクが顕在化し、日本のエネルギー安全保障の脆弱さが浮き彫りになった。生活交通や物資配送でガソリン高に直面し、今後の食料品価格や電気代への波及など、国民の間に仕事や生活の面で不安が広がっている。
脱炭素を旗印に、再生可能エネルギーの導入を進めてきた日本だが、それでも資源というボトルネックを握られることの影響の大きさを、多くの人が改めて実感しているだろう。
政府は3月19日から緊急的激変緩和措置を開始し、ガソリンや軽油などの価格上昇を防ごうとしている。しかし、中東情勢の動向次第ではさらなる混乱も懸念され、追加支援を求める声がある。過去のオイルショックを思い出し、省エネ、節電に踏み込むべきとの声も上がり始めている。
ここで気になるのが、原油とLNGを一括りにする議論だ。
いずれも日本に乏しい化石資源という点では共通するが、国内での用途や輸入先は大きく異なる。地政学リスクへのレジリエンスを高めるうえでも、この違いの理解は欠かせない。エネルギー業界に詳しい筆者が、そのポイントを解説する。
原油とLNG、一括りに語るのは誤り

原油とLNGという2つの市場は大きく異なる。原油の主な用途は自動車、航空機、船舶の「移動用燃料」とプラスチックなどの化学製品の原料となるナフサの「原料」である。
一方LNGは、主に火力発電燃料として、産業、業務、家庭と幅広く電気を届けるために使われる。どちらも産業現場で熱供給用の燃料としても使われている面もあるが、それ以外の用途で使われている割合のほうが大きい。
つまり、原油はモビリティの燃料や化学製品の「原料」として使われる側面が強く、LNGは発電をはじめ「エネルギー」として利用されるケースが大半だ。
次に調達先を見ていきたい。
原油は今回のホルムズ海峡封鎖で体感している通り、調達途絶リスクの問題がある。日本はサウジアラビアなど中東の国々に原油の95%を依存している【図表1】。

原油が調達できなくなるとガソリン、軽油、重油、ジェット燃料という陸海空の移動が止まり、プラスチックなどの化学品製造停止で自動車、電機の基幹産業にも影響を与えるため、経済・社会活動が止まってしまう。そもそも近隣の東南アジアの国々やオーストラリアも原油供給余力が少ないため、日本はやむにやまれず遠方で輸送リスクのある中東に依存してきた経緯がある。
欧州の国々は日本とは対照的に、大西洋に面したアメリカ、カナダ、ブラジル、北海油田のノルウェー、英国、陸路でつながる中央アジアのカザフスタン、中東のサウジアラビア、イラク、北アフリカのリビアなど多様な調達先がある。

一方、LNGは価格高騰リスクを抱える側面が強い。
日本はLNGをオーストラリア、東南アジアといった近隣国から調達しており、中東依存度が低い。調達先も分散しているため、LNGの調達が途絶えるリスクは原油に比べると圧倒的に低い。ただ、天然ガスはデリバティブでヘッジしやすい原油価格に連動した契約も多く、原油価格が高騰すると連動して高騰するため、LNG火力発電による発電コストに跳ね返る問題がある。LNGの価格高騰に伴う経済的影響は、短期的に対策が必要になるだろう。
































