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- 元バイトダンスのエンジニアが、中国のAIはアメリカに「大きく遅れをとっている」と考える理由

- 元バイトダンスのエンジニアのチャン・チーは、「中国のAI産業は依然としてアメリカに大きく遅れを取っている」と語った。
- チャンは、中国のAIモデルはベンチマークでは高い性能を示すものの、それが実際の現場での成果には結びついていないと指摘している。
- 一方で、イーロン・マスクやジェンスン・フアンといったテック業界の有力者は、中国は急速に追い上げており、場合によっては追い抜く可能性もあるとしている。
中国はAI分野でアメリカに追いつきつつあると広く語られているが、元バイトダンス(ByteDance)のエンジニアは、「実際にはその差はむしろさらに広がっている」と考えている。
「中国のモデルが追いついてきているという前提には同意しない。むしろ、依然として大きく遅れを取っていると考えている」と、北京大学の研究者で助教授を務めるチャン・チー(Zhang Chi)はポッドキャスト「イントゥ・アジア(Into Asia)」で語った。「残念ながら、その差はむしろ広がっているのではないかと思う」と続けている。
バイトダンス(ByteDance)でAIモデルの開発に約1年間携わった後、学術界に戻ったジャンは、米中間のAIについて「中国のスタートアップが猛追している」という世間のイメージとは、まったく別次元の深刻な違いがあると語った。
TikTokの親会社であるバイトダンスやアリババ(Alibaba)といった企業のモデルは、ベンチマークテストでは高いスコアを出すかもしれないが、それが現実世界でも同様にうまく機能することを意味するわけではないとチャンは話している
「書類上では中国のあらゆる大手テック企業には優れたモデルがある。しかし、それらが十分に優れているとは思わない」ととチャンは言う。また彼は、各企業内にあるチームは、「ベンチマキシング(Benchmaxxing)」つまり、実用的な性能よりもテストの点数を最適化することに注力してしまっていると説明する。
バイトダンスやアリババは、動画生成AIモデルのシーダンス(Seedance)から大規模言語モデル(LLM)のQwenなど、注目度の高いAIモデルを次々と発表してきた。しかしそれと同時に、ディープフェイクや著作権争い、さらにはそれらのモデルが現実世界での使用に耐えうるものなのかという反発にも直面している。
チャンは「グーグル(Google)は、事前学習と事後学習を含むLLMの一連の学習工程を3カ月で完了できる。一方、バイトダンスでは、おそらく半年で1回の改良サイクルしか回せない」と説明する。
さらにチャンは中国が抱える構造的な弱点として、最先端の半導体が手に入りにくいこと、インフラが十分でないこと、そして学習データの質が低いことを挙げている。
「グーグルとバイトダンスでは、インフラに大きな差がある。質の高いデータを十分に確保できているとは思えない」
さらに彼は、「一部の企業は自前のデータ基盤を構築するのではなく、アメリカの先進的なAIが出力した結果を抽出して活用して開発している」と話し、こうした近道は、長期的な発展を制約する可能性があると説明する。
また、チャンは、アメリカ企業はユーザーからのフィードバックを継続的に得られる点でも有利だとも話している。ChatGPTやClaude、GeminiといったAI製品は、ユーザーとのやり取りを通じて絶えず改善されており、その積み重ねが時間とともにモデルの精度向上につながっているという。
一方で「中国のモデルは悪循環に陥るおそれがある」と指摘している。
「中国のモデルは出発時点で性能が十分ではなかったため、重要な用途にはあまり使われてこなかった。その結果、モデルの質もなかなか向上しない」
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