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- 心理学者が明かす、感情的に成熟した子どもを育てる4つのポイント

- 近年、主流となっている「ジェントル・ペアレンティング(しなやかな子育て)」は、単なる「放任主義(許容的な子育て)」と混同されやすい。
- 心理学者のリンジー・C・ギブソン博士は、子育ての真のゴールは「感情的に成熟した子ども」を育てることだと指摘する。
- 親が「保護」「養育」「指導」「制限」という4つの役割を適切に果たすことで、それは可能になるという。
ジェントル・ペアレンティング(しなやかな子育て)の本来の定義は、頭ごなしに怒鳴るような「恐怖を植え付ける手法」に頼らず、子ども自身に行動の結末(結果)を学ばせることだ。しかし一部の親は、これを子どもにほとんど境界線(ルール)を設けない「放任的な子育て」と都合よく解釈してしまっている。
「子どもにとって、完全な自由は決して『愛情』とは感じられません。なぜなら、彼らは社会的な振る舞い方を必死に学んでいる最中だからです」と、心理学者であり、新著『感情的に成熟した子どもの育て方(原題:How to Raise an Emotionally Mature Child、日本未訳)』の著者であるリンジー・C・ギブソン博士はBusiness Insiderに語った。
「他人の言葉に一切耳を貸さないような子どもに育てることは、決してその子の将来のためにはなりません」

ベストセラー『親といるとなぜか苦しい(原題:Adult Children of Emotionally Immature Parents・日本未訳)』の著者でもあるギブソン博士は、感情的な成熟を「子どもの内面に輝き(生気)が宿っている状態」と大まかに定義している。
親との間に確かな信頼関係(愛着)があるからこそ、子どもはたとえ失敗しても戻れる「安全な場所(ホームベース)」があると確信し、新しいことに挑戦する活力を得られるのだ。
「親は子どもにとって、『最初の上司』であり、『最初のパートナー』であり、『最初の親友』でもあると考えられます」と博士は言う。「つまり親は、子どもが将来の人生で築いていく、あらゆる人間関係の『プロトタイプ(原型)』になるのです」
ギブソン博士は、感情的に成熟した子どもを育てるための4つの核心的な要素を紹介してくれた——当然ながら、そのいずれも「放任主義」とは無関係だ。
まずはここから。子どもの心身を「守り、育む」

親が果たすべき第一の、そして最も直接的な義務は「子どもを守ること(保護)」だとギブソン博士は言う。それは言うまでもなく身体的な危険から守るだけでなく、感情面や対人関係における危険から守ることも意味する。
例えば、博士が前著で分類した「感情的に未熟な親の4タイプ」の一つである『受動的な親(パッシブ・ペアレンツ)』は、危険運転をしている車からは子どもを守れても、感情的に不安定な身内から子どもをかばうことができない。
真の保護とは、上のきょうだいが度を越えてからかっているのを耳にしたときや、片方の親(父親または母親)そして親戚が我が子に攻撃的な言葉を浴びせているときに、間に入って毅然と守ることを指す。
そして、受動的な子育てを含むあらゆる子育てスタイルにおいて、もう一つの根幹となるのが「養育」だ。
「これは哺乳類としての本能的な役割です」と博士は言う。人間を含め、あらゆる哺乳類の赤ちゃんは「適切な感情的養育、つまり愛情深く、細やかな配慮が行き届いたケアがなければ健全に成長できない」という。例えば、親の「感情的な不在(心のネグレクト)」のもとで育った子どもは、自己肯定感が低くなる傾向がある。
怒鳴る罰は逆効果。何回でも伝える「忍耐強い修正」

子どもの感情的な成熟を育むための、残る2つの核心的な要素が「指導」と「制限」である。
「子どもは今まで一度もこの世界に存在したことがないからこそ、指導が必要なのです」と博士は言う。
「なぜこれやあれをするのが失礼にあたるのか、誰も教えてくれなければ分かるはずがありません」
親の役割は、怒鳴ったり罰を与えたりすることなく、「行動の結末」や「守るべき制限」という概念を子どもに噛み砕いて説明することだ。
子どもを怒鳴りつける行為は、一見効果があるように錯覚しがちだと博士は指摘する。「子どもは恐怖による条件反射で、その場では大人しくなるかもしれません。しかしそれは、張り詰めた糸のような不自然なコントロールに過ぎず、すぐに限界を迎えて崩壊します」
代わりに最善のアプローチとなるのが、「忍耐強い修正」だ。「大前提として、物事は一朝一夕にはいかない(ローマは一日にして成らず)と自覚することです。『レストランでは椅子の上に立たないよ』といった指導を、子どもがきちんと身に付けるまで、何度でも、何度でも根気強く繰り返さなければなりません」
同時に、子どもがまだ「親の期待に応えられない年齢」であることを大人が見極めることも重要だ。4歳児は3歳の頃よりコミュニケーションが取れるようになっているとはいえ、レストランで長時間じっと座っていられる能力が完全に備わっているとは限らない、と博士は言う。
その年齢の子どもを罰することは、本質的に筋違いだ。「子どもに制限を課すことよりも、親の側が『幼い子どもの限界(キャパシティ)』を正しく認識することの方が重要なのです」
親も間違える。自分を客観視して「子どもに謝る」

子育てをしていれば、自分の対応を後悔する瞬間は誰にでもある。
博士はこれを夫婦関係(結婚生活)に例える。その瞬間、他にどう対処していいか分からなかったとしても、自分の感情的な反応に内心嫌気がさしたり、「状況をさらに悪化させてしまった」と後から気づいたりするものだ。
この「自己認識(客観視)」こそが、関係修復への大きな第一歩となる。「『そういえば、自分は今日一日何も食べていなくてイライラしていたな』と気づくかもしれないし、『おもちゃのトラックで兄が弟の頭を叩いたのは、これで今日10回目だったから自分の限界がきたんだ』と理解できるかもしれません」と博士は言う。大切なのは、自分がなぜ感情を爆発させ、手厳しい批判に頼ってしまったのか、その根本的な理由を自分自身で理解することだ。
その上で、声を荒げてしまったことや、心に余裕がなくて話を真剣に聞いてあげられなかったことを、親の側から子どもに歩み寄って「ごめんなさい」と謝る。これは大人の責任である。
博士は、こうした親子のやり取り(関係の修復)こそが、すべての健全な人間関係、ひいては子どもが大人になったときに築く未来の人間関係の手本になると言う。
「ずっと良好な関係でいたい大切な親友に接するのと同じように、我が子にも接するべきです」と博士は語る。「何歳であっても、自分のことを大切に想い、わざわざ歩み寄って謝ってくれる人への信頼感は高まります。なぜなら、『自分は相手にとって価値のある、大切な存在なんだ』と実感できるからです」

























