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- 日本代表が戦うスタジアムの屋根、手がけたのは日本企業…W杯4会場で採用、創業100年超え企業が作る「1mmの屋根」の正体【北中米ワールドカップ2026】

気温35度近い道中を歩き、スタジアム内に入ると、冷房が効いた涼しい風と太陽光による自然光がピッチとスタジアム全体を包んでいた。
「これまで観戦してきたスタジアムの中で最も快適に観戦できる」
日本から観戦に駆けつけた都内在住の30代男性が、こう興奮気味に語る施設は「AT&Tスタジアム」(米テキサス州ダラス)。
日本時間6月26日午前8時にキックオフした日本対スウェーデン戦の会場も、まさにこのスタジアムだった。結果は1対1の引き分けに終わったが、決勝トーナメントの対戦相手が決まる1戦として、多くの人が注目していたのではないだろうか。
同スタジアムは、アメリカ、カナダ、メキシコ3カ国で開催中のサッカーワールドカップ北中米大会で使用される全16スタジアムのうちの1つで、日本の初戦であるオランダ戦(2-2)でも使用された。
そんな決戦の地の開閉式屋根を手がけたのが、太陽工業(大阪市淀川区)だ。
テント素材由来の「膜」を使い、日本国内では東京ドームや高輪ゲートウェイ駅の屋根を手がけたことで知られ、直近の売り上げは702億円(2025年)。同社担当者によると「世界の膜構造市場で6〜7割のシェア(自社調べの概算)」というニッチ分野の世界的企業だ。
膜の厚さは約1ミリ。前回カタールW杯で話題となった「三笘の1mm」ならぬ「太陽工業の1mm」がピッチで活躍する選手と日本人サポーターたちのパフォーマンスを支えている。
W杯3会場に「白い屋根」、決勝の舞台にも関与
太陽工業は1922年に「能村テント商会」として創業。戦後1946年に太陽工業となってからは祖業のテント素材を使ったスタジアムなど恒久施設向けの「膜」事業を中心に、地中に埋設する遮水シートなどの土木事業、大型輸送袋などの物流事業の3本柱で事業を展開している。

国際イベントとの関わりも多く、大阪万博(1970年)でアメリカ館の巨大ドーム屋根など膜構造建築物の約9割を手がけたほか、愛・地球博(2005年)や大阪・関西万博(2025年)でも複数のパビリオンを担当した。
大阪・関西万博で話題となった万博サウナ「太陽のつぼみ」や落合陽一氏プロデュースの「null2」、会場最寄駅の「夢洲駅」などを手がけたのも同社だ。

ほかにも、テニスの「アーサー・アッシュ・スタジアム」(全米オープン)やスタッド・ローラン・ギャロス「スザンヌランランコート」(全仏オープン)も手がけている。
今回のW杯では太陽工業はオランダ戦とスウェーデン戦が行われたAT&Tスタジアムに加え、「NRGスタジアム」(米テキサス州ヒューストン)、「メルセデス・ベンツ・スタジアム」(米ジョージア州アトランタ)、「メットライフ・スタジアム」(米ニュージャージー州イーストラザフォード)の計4会場を担当している。
このうち、ヒューストンのNRGスタジアムは日本が決勝トーナメント(ノックアウトステージ)に進出した場合、ラウンド32かラウンド16の試合会場になる可能性がある。スタジアムのコンコース部分の膜を担当したメットライフ・スタジアムでは今大会の決勝が開催される。

「前回のW杯でわれわれが担当したスタジアムで日本代表はドイツとスペインに勝利した。試合を見ていて非常に嬉しかった」
こう語るのは太陽工業のアメリカ子会社Birdairの今野光社長。現在、アメリカ事業の責任者を務めている。
今野社長によると、太陽工業とW杯の縁は1990年イタリア大会にまでさかのぼり、以降、2002年日韓大会で5会場、2010年南アフリカ大会で3会場、2014年ブラジル大会で3会場、2022年カタールで1会場と、欧州が開催国だった大会を除き、膜構造事業者のパイオニアとして継続的にW杯に関与してきた実績を持つという。























