- TECH INSIDER
- レビュー
- 新AIツール「Claude Design」と「Canva AI」の実力を比べてみた。私のあらゆる要望を先読みしてプレゼン資料を作ってくれたのは…

- アンソロピックが手掛けるClaudeの新モデル「Opus 4.7」に、新たなツール「Claude Design」が搭載された。
- このツールを使えば、スライド資料、グラフィック、マーケティング用素材を作成できるという。
- Claude Designが、定番ツール「Canva」に比べてどの程度の実力があるのか、同じプレゼンテーション資料を制作するというタスクを与えて実際に比較してみた。
Canva(キャンバ)は、10年以上にわたって最も人気のあるグラフィックデザイン・プラットフォームの一つとして君臨してきた。そしていま、アンソロピック(Anthropic)がAIの力でその牙城を崩す好機を迎えている。
アンソロピックは4月16日、最新のAIモデル「Opus 4.7」を発表し、その翌日に「Claude Design」のローンチを発表した。同社によれば、このツールを使うことで「デザイン、プロトタイプ、スライド、ワンページャー(1ページにまとめた要約資料)など、洗練されたビジュアル作品」を作成できるという。
アンソロピックはリリースの中で、Claude Designで作成したデザインはCanvaに直接エクスポートすることもできると述べている。
Claudeのこの新機能は、IT業界で「SaaS終末論(SaaSpocalypse)」に対する警戒感が強まるさなかに登場した。SaaS終末論とは、AIの進化がCanvaやウェブサイト作成サービスを手掛けるWix(ウィックス)、業務管理プラットフォームのWorkday(ワークデイ)やAsana(アサナ)といったソフトウェア企業のビジネスモデルを根底から揺るがすかもしれないという危機感を指す言葉だ。
このSaaS終末論をめぐる不安を自分なりに検証すべく、Claude DesignとCanvaに同じスライド資料を作らせ、両者を比較してみることにした。
テストでは、私が1月に手作業で制作した「写真撮影入門」というスライド資料の改良版を作るよう、Claude DesignとCanvaのAIツールそれぞれに依頼した。

この資料は、Business Insiderのシンガポール支局の記者向けに写真撮影のワークショップを行った際に使用したものだ。正直に言えば、私の写真の腕前はデザインのスキルよりはマシ、というレベルだ。
まずはCanva AIを試してみた

Canvaはほかのソフトウェア企業と同様、AIがもたらす競争圧力に対抗するため、自らもAIを積極的に取り込んでいる。同社は現在、「AI 2.0」機能を全ユーザー向けに展開している。これによって、Canvaはユーザーが後から文字の書き換えや配置の変更を自由に行えるデザインを自ら生成する、エージェント型プラットフォーム(自律的に作業を進めるAIプラットフォーム)へと進化しつつある。
私はまずAI 1.0を使ったあと、Claudeと比較するためAI 2.0の早期トライアル版も試した。
Canva AIの第一印象としては、アプリを開いて最初に表示されるランディングページが、Lovable、Replit、Base44といったほかのバイブコーディング・プラットフォーム(テキストの指示だけでコードやデザインを生成できるAIサービス)と似た作りになっており、「今日は何をデザインしましょうか?(What will we design today?)」というフレーズが掲げられていた。
私はプロンプトを送信した。「6つのセクションで構成された、理解度を測定するクイズ付きのプレゼンテーションを作ってほしい。デザインはダーク調のミニマルなスタイルで、ブルーをアクセントカラーに使ってほしい」という内容だ。

Canvaは次に、この資料を使ったプレゼンテーションを受ける側のタイプ(カジュアル、プロフェッショナル、教育向け)と資料のスタイル、どの程度の長さがいいかを選ぶよう求めてきた。そして実際のスライドをデザインする前に、各スライドに盛り込む内容のおおまかなアウトラインを提示し、私が編集できるようにしてくれた。
これは気が利いているなと感じた。
仕上がりは悪くないが、編集が必要だった
AI 1.0は2種類のデザイン案を提示してきた。一方は即却下だった。派手な要素がぶつかり合って、テキストが読みにくかったからだ。使われているグラフィックもかなり単純なものだった。

もう一方のデザイン案はまだマシだったが、テキストボックスが重なり、文字の位置がずれていたり、ところどころ文字が極端に小さくなっていたりした。写真の点数も、私が望むほど多くなかった。そこで私は追加のプロンプトを入力。「テキストボックスを整列させて統一感を出し、写真をもっと増やして、全体をもっと魅力的なものにする」ようCanvaに指示した。

最終的な出来栄えは、私が1月に作ったお粗末な資料よりずっと良く、復習用のワークショップで十分使えるレベルだった。
数日後、AI 2.0を使って同じテストを試してみた。作業プロセスはほぼ同じだったが、AIツールとチャットしながら手動で要素を変更できる点が違っていた。1.0からの嬉しい進化だ。

AI 2.0が作成したデザインはやや退屈だったため、画像を増やし、よりすっきりした見た目で資料を作り直すよう依頼した。
すると「全スライドを再生成する必要があるため、あなたのAI利用枠を大幅に消費します」という警告が出た。しかし、最終的には少し磨きのかかったプレゼンテーション資料が完成した。

思わず笑ってしまったのは、AIが再デザインに飽きたのか、4枚のスライドが手つかずのままにもかかわらず「再デザインは完了しました」と告げてきたときだ。再確認するよう促すと、「おっしゃる通りです、申し訳ありません!」という生成AIでおなじみの返答が返ってきた。
自分の望むレベルに仕上げるまで何度かプロンプトの入力が必要だったが、それでもCanvaのAI生成能力には大いに感心させられた。
滑り出しとしては上々と言っていいだろう。
次にClaude Designを試した
次は、Claude Designの番だ。私は以前、Opus 4.7で自分のイニシャルのロゴを生成したことがあったのだが、そのときのデザインはお世辞にも満足のいくものではなかった。

そのため、今回の写真撮影のプレゼンテーション資料の作成を依頼するときも、それほど期待していなかった。
ところが驚いたことに、Claudeはデザイン作業に取り掛かる前に、重要で的を射た補足の質問をいくつも投げかけてきた。使用するカメラの機種、参加者のスキルレベル(初心者か、スマホ撮影経験者か、趣味で写真を撮る人か)、さらにはアクセントカラーに使う「ブルー」の正確な色合いまで尋ねてきたのだ。
そして、生成されたスライド資料は、私の予想を大きく上回る出来栄えだった。

たとえばあるスライドには「露出の三角形(exposure triangle)」のグラフィックが配置されており、ISO感度、絞り、シャッタースピードが写真の明るさにどう影響するかが視覚的に理解できるように示されていた。
あわせて読みたい
Special Feature




























