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Business Insider Japan

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エイリアンは「最近」来ていないだけかも
Morgan McFal · 2026-05-03 · via Business Insider Japan

エイリアンは「最近」来ていないだけかも

本記事は2019年9月28日に初出した記事の再掲です。

太陽系がある天の川銀河は、1000億個以上の恒星とそれ以上の数の惑星などで構成されている。
太陽系がある天の川銀河は、1000億個以上の恒星とそれ以上の数の惑星などで構成されている。
NASA/JPL-Caltech
  • 人類が住む天の川銀河では、さまざまな恒星系を超えて地球以外の文明広がっている可能性があるとする新たな研究論文が発表された。
  • この研究は、地球外に住む知的生命体との接触の痕跡が見つかっていないことをめぐる「フェルミのパラドックス」に関して、新たな視点を提示するものだ。
  • 論文の著者たちは、「宇宙人は存在しているが、人類とコンタクトを取っていない」という可能性について、さまざまなシナリオを提示している。例えば、宇宙人はかつて地球を訪れたが、人類が気づくようになった「最近」は訪問していない可能性があるというのだ。
  • さらにこの研究では、恒星系を渡り歩こうとする宇宙人は居住可能な恒星系が距離を縮めるタイミングを伺っているのかもしれないという。

天の川銀河には、地球外生命体による多様な文明が満ちあふれている可能性がある。ここ1000万年ほどは宇宙人が地球を訪れていないため、我々がそれに気づいていないだけなのかもしれない。

地球外の知的生命体は、各恒星系の動きを利用した、より負担のかからない形で宇宙を航行しており、時間をかけて天の川銀河の探索を行っている可能性もあるという研究論文が、2019年8月に学術誌『アストロノミカル・ジャーナル』に発表された。

この研究は、「フェルミのパラドックス」という名で知られる疑問に対する、新たな回答と言える。このパラドックスは、地球外文明の存在の可能性が高いと考えられるのにもかかわらず、そのような文明との接触の証拠が存在しないように見えるという矛盾を指す。

このパラドックスはその名の通り、物理学者のエンリコ・フェルミ(Enrico Fermi)が1950年に最初に指摘したものだ。フェルミは「みんな、どこにいるのだろう?」と尋ねたと言われている。

天の川銀河の恒星の位置を測定する欧州宇宙機関(ESA)の探査機「ガイア」
天の川銀河の恒星の位置を測定する欧州宇宙機関(ESA)の探査機「ガイア」
ESA

フェルミのこの時の疑問の本題は、恒星間航行は実現可能かということだった。だがその後、地球外生命体の存在自体に対する疑問を突きつけるものへと、意味合いを変えていった。

宇宙物理学者のマイケル・ハート(Michael H. Hart)は1975年、この問題を考察する論文を発表した。ハートは、天の川銀河が形成されてから約136億年が経っており、この間に知的生命体が同銀河を植民地化する時間はふんだんにあったにもかかわらず、そうした働きかけは地球上の記録には残っていないと指摘した。この点からハートは、天の川銀河には人類以外に高度な文明を持つ生命体はいないはずだと結論づけた。

今回発表された研究成果は、この問題に新たな視点を提供するものだ。地球外生命体は、時間をかけ、戦略的に探索を行っているだけかもしれないと、論文の著者たちは考えている。

この研究論文の主著者で、コンピューター科学を専門とするジョナサン・キャロル=ネレンバック(Jonathan Carroll-Nellenback)はBusiness Insiderの取材に対し、以下のようにコメントした。

「恒星の動きを考えに入れないとすると、残された結論は、自らが生まれ育った惑星を離れた生命体はいない、あるいは、この銀河系で高度な技術を持つ文明は我々人類だけ、という2つだけだ」

天の川銀河に属する恒星(と、その周囲を回る惑星と衛星)は、銀河の真ん中を回転軸として、それぞれ異なる軌道と速度で周回している。そのため、時にはある恒星系が、別の恒星系のそばを行き過ぎることがあると、キャロル=ネレンバックは指摘する。そのため、地球外生命体は、探査目標が自分たちに近づくタイミングを待っている可能性があるという。

その場合、宇宙に高度な文明が広まるのに必要な時間は、1970年代にハートが推定したときよりも長くなるだろう。そうであれば、異星人はまだ地球を訪れていないか、あるいは、訪れたとしても人類が今のように進化するはるか以前であった可能性はある。

恒星間航行に関する新たな概念

地球外生命体からの信号を探査する電波望遠鏡施設「アレン・テレスコープ・アレイ」(Allen Telescope Array:ATA)のパラボラアンテナ。
地球外生命体からの信号を探査する電波望遠鏡施設「アレン・テレスコープ・アレイ」(Allen Telescope Array:ATA)のパラボラアンテナ。
SETI Institute

これまでも研究者は、フェルミのパラドックスに対して答えを出そうと、さまざまなアプローチを採用してきた。地球外生命体が、惑星の地表よりも低い海の中で育まれている可能性について調査した研究もあるし、恒星間航行が可能になる前に、文明が存続不可能になって崩壊したという仮説を立てた研究もある。

また、「動物園仮説」と呼ばれる考え方もある。こちらは、天の川銀河内の知的生命体からなる諸社会が、我々人類には干渉しないという取り決めを交わしている、という仮説だ。その理由は、ちょうど人類が、自然保護区を設けたり、外部とのコンタクトがない先住民への保護を実施したりするのと同じことだ。

一方、2018年にオックスフォード大学の研究チームが発表した論文では、天の川銀河内で人類が唯一の知的生命体である確率を40%、さらには、全宇宙で唯一の存在である確率を約33%と見積もっている。

だが、今回発表された研究論文の著者たちは、こうした過去の研究について、天の川銀河に関するある重要な事実を見逃していると指摘する。それは、銀河内で恒星が動いているということだ。恒星の周囲を惑星が回るのと同じように、各恒星系は、銀河の中心を回転軸として回っている。例えば、人類が住む太陽系も、2億3000万年周期で天の川銀河内を周回している。

仮に、知的生命体による文明が、他の文明から遠く離れたところで興隆した場合(銀河内の辺鄙な場所で発生した地球の文明もこれにあたる)、居住可能な恒星系が自分たちに近づいてくるまで待つことで、恒星間航行の距離を短くすることもできると新たな論文は指摘する。異星人は、新たな恒星系に辿り着いたのち、さらに別の恒星系までの航行距離が自分たちにとって最適になるまで待ってから、その恒星系に移るというわけだ。

太陽系に最も近い恒星として知られるプロキシマ・ケンタウリは、地球から約4.25光年の距離にある。
太陽系に最も近い恒星として知られるプロキシマ・ケンタウリは、地球から約4.25光年の距離にある。
ESA/Hubble/NASA

その筋書きでは、地球外生命体は、天の川銀河の中を高速で移動しているわけではない。自らが居住する恒星系が、居住可能な環境を持つ惑星を従えた別の恒星と近づくのを、長い期間かけて待っていることになる。

「この『長い期間』というのが10億年単位であれば、これはフェルミのパラドックスに対する1つの答えになる」と、キャロル=ネレンバックは指摘する。

「居住可能な条件を備えた天体は非常にまれなため、そうした天体が再び航行可能な距離にまで近接する前に、文明は滅びてしまうのかもしれない」

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