- TECH INSIDER
- レビュー
- 10万円超のカラー電子ペーパー機「Kindle Scribe Colorsoft」レビュー:仕事で分かったタブレットとの違い

書類や資料に手書きでメモを入れる作業を、デジタル上で完結させたい。そう考えるビジネスパーソンにとって、アマゾンの「Kindle Scribe Colorsoft」は選択肢の一つになりそうだ。
本機は、カラー対応の電子ペーパーと手書き機能を備えた「Kindle Scribeシリーズ」の新モデルだ。PDFやWordファイルを取り込んで手書きでメモを加えたり、色分けしながらノートを作成したりできる。
タブレットとスタイラスペンでも似た作業はできる。ただ、Kindle Scribe Colorsoftには電子ペーパーならではの見やすさや、長いバッテリー持続時間という特徴がある。今回は実際に仕事で使って使用感を確かめた。
Kindle Scribe Colorsoft
- メーカー:アマゾン
- 直販価格:10万6980円~(税込)
- 発売時期:2026年6月
11インチでも持ち歩きやすい薄型軽量ボディ

Kindle Scribe Colorsoftは厚さ約5.4mm、重さ約400g(公称値)。11インチの大きめのディスプレイを搭載しているが、手に取るとかなり薄く感じる。
ノートPCやタブレットに比べると、持ち運び時の負担は小さい。屋外や移動先で資料を読み、必要に応じてメモを加える用途にも使いやすいサイズ感だ。

ディスプレイは、Kindle Scriberシリーズとして初めてカラー表示に対応した。ただし、スマートフォンやタブレットのような鮮やかな発色ではない。紙に薄く色を乗せたような、落ち着いた見え方だ。
写真や動画を見るためのカラーというより、ハイライトやメモ、図表を色で整理するためのカラーと考えると分かりやすい。

画面の反射は抑えられており、明るい場所でも文字は読みやすい。長時間の読書や資料確認では、電子ペーパーらしい見やすさを感じる。
色味はデフォルトとビビッドの2パターンから選べる。もっとも、違いはそれほど大きくない。ビビッドにすると、よく見比べれば少し色が濃く見える程度だ。普段使いでは、どちらを選んでも大きな差は感じにくい。


本体カラーはグラファイトとフィグの2色展開。今回はグラファイトを試した。金属製のボディはさらっとした手触りで、質感は悪くない。一方で、指紋はやや目立つ。
手書きの感触は良好、色分けメモも使いやすい

Kindle Scribe Colorsoftは電子書籍リーダーであると同時に、手書きメモ用の端末でもある。実際に使ってみると、便利なのは機能の多さそのものよりも、書く、色で整理する、後から見返すという流れを1台で作りやすい点だ。
同梱される専用プレミアムペンは、ペアリングも充電も不要だ。箱から出してすぐに使える。使わないときは本体側面にマグネットで装着できるため、持ち運びもしやすい。
ペンの書き心地は良好だ。ペン先が画面に触れたとき、紙に書くときのようなわずかな抵抗を再現している一方で、線はなめらかに引ける。替えのペン先が同梱されている点も、長く使ううえでは安心材料になる。

手書きメモを始めるまでの動きは直感的で分かりやすい。ホーム画面の「クイックメモ」からはすぐにメモを作成でき、右下の「ワークスペース」タブからはノートブックを作れる。
ノートや本をフォルダ分けして整理できるので、思いつきのメモと、後から見返したい資料を分けて管理しやすい。

ペン入力の自由度も高い。ペン入力中に表示されるスタイラスツールバーでは、ペン、万年筆、サインペン、鉛筆などの書き味を選べる。
ペンカラーは10色、ハイライトは5色。シェーダーを使えば濃淡の表現もできる。資料の重要部分を色分けしたり、図の中で確認事項を目立たせたりする用途には使いやすい。

書いたメモを後から活用しやすい点も、紙のノートとの違いだ。手書きのノートはテキストに変換して保存でき、メールで共有することもできる。
一部の電子書籍には直接書き込める。ハイライトや下線、付箋メモを残せるため、読書中に気になった箇所を整理する用途にも向いている。


Google ドライブやMicrosoft OneDriveと連携し、PDFやWordファイルを取り込んで手書きメモを加えることもできる。作成したノートはOneNoteに書き出すことも可能だ。紙の資料に赤字を入れる感覚に近く、資料確認や簡単な校正作業では使いやすい。
個人的には、新製品のリリース資料のPDFに手書きでメモを加えたり、Wordファイルを取り込んで校正メモを書き込んだりする使い方で活用している。図形や矢印を手書きで入力できると、後から見返す際にわかりやすい。
タブレットとの違いはバッテリー持続時間にもある

Kindle Scribe Colorsoftの強みは、バッテリー持続時間だ。読書なら最大8週間、手書き入力でも最大2週間持続するとされている。条件は明るさ設定13、ワイヤレス接続オフで1日30分使用した場合だ。
スマートフォンやノートPC、ワイヤレスイヤホンなど、日常的に充電するデバイスはすでに多い。そこに毎日充電が必要な端末が一つ増えると、使う前の手間も増える。特にKindle Scribe Colorsoftのように、必要なときに取り出して使うタイプの端末は、カバンに入れたまま充電を忘れることもある。
その点、手書きでも最大2週間使えるバッテリーは安心感がある。多少充電を忘れていても、すぐに困る場面は少ない。移動中や出張先で読書したり、資料にメモを入れたりするときも、残量をあまり気にせず使える。タブレットとの違いは、こうした日常的な扱いやすさに出る。
ストレージは32GBと64GBの2モデル。スマートフォンの容量に慣れていると少なく見えるが、保存するのは動画などの大きいファイルではなく、主に電子書籍やPDF、ドキュメントだ。通常の使い方であれば、32GBでも余裕はありそうだ。
10万6980円~(税込)という価格は、Kindleシリーズのイメージからすると高く感じる。しかし、Kindle Scribe Colorsoftならではの価値がある。カラー対応電子ペーパーの見やすさ、手書きのしやすさ、そして長いバッテリー持続時間だ。
タブレットのような万能さはないが、読書や資料確認、手書きメモに用途を絞れば扱いやすい。読むことと書くことを日常的に行う人ほど、相性の良さを感じやすい端末だ。























