- TECH INSIDER
- 深掘り
- Gensparkが7月に大規模アップデートを予告。累計1000億円調達のAI新興企業が日韓市場を狙うワケ

AIスタートアップ・Genspark(ジェンスパーク)は6月24日(現地時間)、本社のあるアメリカ・パロアルトで、同社が展開する次世代AIワークスペース「Workspace 6.0」の展開を予告した。
Workspace 6.0の詳細はまだ明らかになっていないが、7月中にニューヨーク、東京、韓国で発表される予定。
同社は高頻度で新機能をGenspark内に公開している。そのため、Workspace 6.0は具体的な機能名ではなく、「1つの区切り」であり、さらに同社は現在「Workspace 4.0」と標榜しているため、「バージョンを1つ飛ばす」ほどの大規模アップデートになることが予想される。
また、すでに新機能の1つ「Genspark Design」などは先行リリースされている。本社で語られたGensparkの製品戦略と、創業2年半で評価額26億ドルに達したビジネスの現在地をレポートする。
資料も設計も1つの基盤で完結

Gensparkは2024年6月、AI検索エンジンとしてスタートした。2025年4月にはエージェントモデル「スーパーエージェント」を発表し、現在は情報収集から成果物の生成までを一貫して自動化するAIワークスペースへと進化している。
なお、生成AIエンジンを自社で開発しているわけではなく、OpenAIやアンソロピック、グーグル、xAIなどの複数のLLMを組み合わせている。
とはいえ、Gensparkを前身の検索エンジンやエージェント機能を有していると認識している人は意外と少ない。同社の看板機能は、調査からスライド生成までを一気通貫で実行する「AI スライド」で、市場でもスライド生成サービスの印象が強い。

本社で行われたデモでは、先日上場した「SpaceX」に関する包括的なビジネススライドを調査し、スライドを生成してみせた。その時間は約5分、さらにプロンプトで日本語を含む多言語に対応させることもできる。
Genspark側が用意しているコンサルタントが作成したようなデザインテンプレートを適用して、わかりやすくすることも、導入企業が自社のデザインルールを用いた独自テンプレートを用意することも可能だ。

Genspark自身が「統合ワークスペース」と謳うように、スライド生成だけが同社の機能ではない。
スプレッドシート機能のデモでは、トヨタ、テスラ、BYDといった複数の自動車メーカーの財務レポートを米国証券取引委員会の公開資料から自動収集し、数式ベースでシートを構築。ハルシネーションを防ぐとともに、データソースを追跡できるファクトチェック機能も備える。
また、スマホアプリも用意されている音声入力ツール「Speakly」は、文字入力だけではなくリアルタイム翻訳機能も搭載し、日本語・英語・韓国語の相互変換や、音声指示によるメール形式への変換なども可能だ。

また、6月24日には「Figma」や「Canva」を意識したデザインツールの「Genspark Design」を公開。Design機能では、ポスターやイベント告知のバナーなど媒体を問わない2Dグラフィックをプロンプトベースで生成できる。
Genspark CEOのEric Jing(エリック・ジン)氏によると、TikTokの幹部がDesign機能開発中にパロアルトのオフィスを訪問。その際に「通常2週間かかる機能デザインが即座にできる」と評価したという。

そして、最大の特徴はこれらの機能がGensparkというプラットフォームの上で全て実装されているということだ。つまり、1度アップロードしたデザインルールや収集した調査結果などがGenspark上でまとまっているため、さまざまな成果物に横展開がしやすい。
Jing氏は「Genspark Designはデザイナーであるだけでなく、プロダクトマネージャーであり教師でもある」とその機能のカバーの幅の広さを強調した。今後展開される「Workspace 6.0」のタイミングでもDesign機能はGensparkの1つの中核的な機能になるだろう。



























