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- インフレ再燃で株式市場に明暗…AIが勝ち組、苦戦している業種は?

- 新たなインフレ局面への警戒感が強まるなか、この数週間、株式市場では勝ち組と負け組の差が広がっている。
- 一方で、AIへの期待を背景に、情報技術セクターは過去最高水準を更新している。
- その一方、原材料・資源、金融、消費者向けセクターは、物価上昇への懸念を背景に圧力を受けている。
インフレ再燃への警戒感が市場全体に広がっている。
債券利回りが数年ぶりの高水準に向けてじわじわと上昇する一方で、インフレへの警戒感は株式市場にも広がり始め、投資家がその影響を意識する場面が増えている。
この1カ月で、株式市場では新たな「勝ち組」と「負け組」が生まれている。その背景には、市場を動かしているふたつの異なる流れがある。そのひとつは、依然として勢いを保つAIブームだ。テクノロジー企業は好調な決算を発表し、今後の成長についても強気な見通しを打ち出している。
もうひとつはインフレだ。AIへの期待で強気ムードが続く市場にもインフレがブレーキをかけかねないとの見方が広がっている。2026年4月の消費者物価は、過去3年で最も速いペースで上昇した。さらに、原油価格の上昇が経済全体に波及するにつれて、物価上昇の勢いが一段と強まるのではないかと投資家は警戒している。
その結果、株式市場では勝ち組と負け組の差が一段と広がっており、市場関係者はこの状況は長く続かない可能性があるとBusiness Insiderに話している。
2026年5月18日時点では、市場で最も好調だった情報技術セクターと、最も低調だった金融セクターの騰落率の差は25ポイントまで広がっていた。
市場をけん引しているのは情報技術セクターで、この1カ月で17%上昇した。これに続いたのが、エネルギーセクターの6%上昇と生活必需品セクターの4%上昇だ。これら2つの分野は、インフレ率の上昇や足元の原油高の恩恵を受けやすいと考えられている。
一方で、原材料・資源、金融、一般消費財、コミュニケーションサービスの各セクターは、市場で最も大きく出遅れた分野のひとつとなった。
BCAリサーチ(BCA Research)のチーフ・グローバル・ストラテジスト、ピーター・ベレジン(Peter Berezin)は、市場で出遅れている分野と好調な分野の差がここまで広がった背景には、インフレを巡る複数の要因が重なった「パーフェクトストーム(複合的な悪条件)」があるとBusiness Insiderに語った。
ベレジンによると、ひとつ目の要因は、投資家が直近の原油価格急騰の影響を警戒していることだ。原油高はエネルギー以外の幅広い分野にも波及し、物価上昇を押し上げる可能性があるという。
ふたつ目の要因は、AIブームが足元ではインフレ要因になっていることだ。AIは長期的には物価上昇を落ち着かせる効果が期待されているものの、現時点では需要拡大によって、かえって物価を押し上げているとベレジンは指摘した。その例として、半導体やチップ、データセンター向け部品などの価格上昇を彼は挙げている。
三つ目は、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の議長に就任するケビン・ウォーシュ(Kevin Warsh)を巡る不透明感が依然として残っていることだ。ウォーシュはドナルド・トランプ(Donald Trump)に指名され、5月13日に議会の承認を受けた。ウォーシュは一部で市場の想定以上にインフレ抑制を重視する姿勢を示しているものの、一方では、市場では時期尚早な利下げに踏み切る可能性を懸念する声も残っている。
ベレジンは、市場の一部に売り圧力が集中している状況に触れながら、「これら3つの要因が重なっている。しかも、2026年以前からすでにインフレ率は目標を上回っていたタイミングで起きている」と語った。
- 原材料・資源:ベレジンによると、インフレ率の上昇によって原材料関連企業のコスト負担が増しており、それを受けて投資家はこのセクターの格付けを引き下げているという。
- 金融:ベレジンは、金利の影響を受けやすい金融セクターもインフレ懸念の間接的な影響を受けていると指摘した。インフレ率が高止まりすると、長期的に金利が高くなる可能性があり、それによって融資が伸び悩むほか、企業や個人の貸し倒れや延滞が増える恐れがあるという。
- 一般消費財:一般消費財セクターは、インフレの影響を受けやすいとみられている。物価が上がると消費者が買い物を控え、その結果、企業の業績が悪化する可能性があるとベレジンは指摘した。
- コミュニケーションサービス:ベレジンによると、このセクターも消費者の支出に左右されやすいため低迷している。物価上昇で家計の負担が増えると、利用者が動画配信サービスなどの契約を解約する可能性があり、その結果、関連企業の業績に悪影響が及ぶという。
- エネルギー、生活必需品:エネルギーや生活必需品のセクターでは、インフレ率の上昇は他の分野ほど大きな逆風にはなっていない。原油価格の上昇を受けて、エネルギー企業の先行きには明るさが見え始めており、物価上昇による原油高が追い風となっている。インタラクティブ・ブローカーズ(Interactive Brokers)のシニアエコノミスト、ホセ・トーレス(José Torres)は、「生活必需品セクターの一部企業にとっては値上げで利益を確保しやすくなるため、インフレは追い風になるかもしれない」とBusiness Insiderに語っている。
- 情報技術:好調な決算に加え、相次ぐ買収や提携などの動きが追い風となり、情報技術セクターは上昇している。AIブームの中心分野のひとつとなっている半導体関連では、半導体関連企業にまとめて投資できるiシェアーズ・セミコンダクターETF(iShares Semiconductor ETF)が過去1カ月で19%上昇している。
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