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パナソニックとオリィがコラボ。障がい者人材の履歴書では見えない才能はどう見つけるのか

4月23日、東京・日本橋の「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」で、パナソニック株式会社と株式会社オリィ研究所による共同実証実験の報告会が開催された。
テーマは「法定雇用率のその先へー障がい者人材の履歴書では見えない才能をどう採用するか」。企業における法定雇用率が 2.7%へと段階的に引き上げられるなど、障がい者雇用の拡大が求められている中で、個人の能力発揮や採用のあり方は日本企業全体にある課題だろう。
パナソニックが目指す「力を開放する」障がい者雇用

パナソニック株式会社エンプロイーサクセス推進部部長の小泉朱里さんは、パネルセッションの中で、創業者・松下幸之助が遺した「物を作る前に人を作る」という言葉をあげた。そして、同社のこの取り組みは障害者の力を「アンロック(開放)」する活動だと話す。従来の雇用が「できる仕事を探して割り当てる」ものだったのに対し、パナソニックは個人の潜在能力を解き放ち、組織の成長エンジンへと変える能動的なプロセスを目指すと言う。
同社はこれまで、農園型就労施設「カドマファーム」での就労支援や、特例子会社による商品づくり、車椅子利用者のためのアクセシビリティマップ製作など、多様なチャネルで「働く場」を創出してきた。しかし、今回のオリィ研究所との連携は、これまでの取り組みとは一線を画す「イノベーションとしての採用」へのチャレンジだ。
オリィ研究所が定義する「孤独」の解消と選択肢の創出
オリィ研究所の相嘉俊介さんは、テクノロジーの力で「人類の孤独」を解消するという同社のミッションを紹介。相嘉さんによると、孤独とは単に一人の状態を指すのではない。「自分の会いたい人に会いに行ける、行きたい場所に行ける、といった社会参加の『選択肢』が少なくなっている状態こそが孤独である」。
分身ロボット「OriHime」は、重度障害や難病などの理由で移動が困難な人々に、その選択肢を取り戻すためのツールだ。相嘉さんは、分身ロボットカフェでのパイロット募集が時に驚くほど高倍率になるという事実を挙げ、働きたい強い意志を持ちながら、物理的制約で社会から切り離されている人々が非常に多いという状況を紹介した。
日本の働き方の未来を変える可能性

今回の実証実験のポイントは、OriHimeを介した「遠隔就労」のテストを通じて、採用のあり方を検証することにある。従来の障害者採用において、履歴書上の記載事項だけでは判断しにくい個人の能力を、実務を共に行うプロセスを通じて発見するのが狙いだ。
実証実験に参加したOriHimeパイロットの「まちゅん」さんは、多発性硬化症を抱え、外出が困難な当事者である。彼女は東京の自宅からOriHimeを操作し、パナソニックのイノベーション・技術部門のプロジェクトに参加した。当実証では、「まちゅん」さんは社員へのインタビューおよび記事作成を担当した。
プロジェクトでまちゅんさんからインタビューを受けたパナソニックの西本夕紀子氏は、プロジェクト参加前後の率直な気持ちを振り返った。「まちゅんさんと私の違いは、4年前という時間的なものと身体的な違いだけで、誰かのために働き、誰かの役に立つことに幸せを感じるという点は共通しているのかもしれません」とコメント。
「この取り組みが広がれば、職場は大きく変わると思います。障害という制約がある働き方が自然に職場に溶け込めば、子育てや介護、病気の療養などで制約を抱える方々が感じている窮屈な思いも解消されるきっかけになるでしょう。制約に意味を感じず、一人ひとりが制約の中で自分の力を発揮することが当たり前になる職場にしたいです」と、日本の働き方の未来を変える可能性を語る。
履歴書では見えない埋もれた才能をどう活かすか。社会と企業、個人の可能性をアンロックするこの試みには、多様なひとの働き方と採用を考えるためのヒントがある。
(取材・文:Mashing Up 遠藤)
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