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浦上早苗の インサイド・チャイナ
スタバ、マックと同じ道たどる中国ハーゲンダッツ。買収した新興企業の思惑
1年間くすぶっていた中国のハーゲンダッツ事業の身売り話がついに決着した。
米食品大手ゼネラル・ミルズは6月、中国本土におけるハーゲンダッツの店舗事業を、中国で急成長中のレモンティーチェーン「檸季(リンジー)」を中心とする投資家グループに譲渡すると発表した。ハーゲンダッツは日本では絶好調のブランドであるため、日本の読者には、少し意外な展開かもしれない。だが、実は中国では1年以上前から売り上げが低調で、身売りを検討していた。
利益生めなくなったカフェ事業

ゼネラル・ミルズが中国の店舗事業の売却を検討していることが明らかになったのはちょうど1年前。中国のハーゲンダッツ店舗はピーク時の2017年の450店舗以上から250店台まで減少し、来店客数も2桁減という厳しい状況に陥っていた。
それから約1年経過した現在、店舗数は約170店舗まで減少した。檸季への売却について、具体的な売却店舗数や取引条件は明らかにされていないが、運営中全ての店舗が売却対象だと見られる。
売却されるのは「店舗事業(およびギフト事業)」だけで、スーパーやコンビニで売られているカップ入りのハーゲンダッツ(小売事業)や、レストランやホテル向けの業務用製品(フードサービス事業)は、引き続きゼネラル・ミルズが自社で保有・運営を継続する。
ゼネラル・ミルズの狙いは、「アセットライト(資産の軽量化)」だ。
ハーゲンダッツは1996年、中国を代表するショッピングストリートである上海の南京路に1号店をオープンした。
当時はまだ人民服姿の人々が普通に街を歩いていた時代で、高級アイスが簡単に売れる市場環境ではなかった。そこで同社は、欧州のテイストを前面に出すことで高級感を演出し、「愛する彼女へ贈る、特別な消費」というプロモーションを展開してブランドを売り込んだ。
日本も進出時に東京・青山に1号店を出し、ピーク時の1994年にはカフェ業態95店舗を展開していたので、入り口戦略は日中共通している。ただ、その後の展開は異なる。
日本では2013年に店舗運営から手を引いたのに対し、中国ではカフェ事業を拡大し、ピーク時の2017年に、グローバルの600~700店舗のうち400店超が中国に立地する状況となった。当時、中国市場の売上高はグローバル全体の50%を占めており、ゼネラル・ミルズのアイス事業にとってもドル箱だった。
ところが2020年代に入ると、中国で客離れが進行する。その要因は、中国で苦戦する他の外資企業と同様、現地勢との競争の激化だ。

例えば、同じ米国ブランドでありながら単品の価格がハーゲンダッツの半分ほどの「Dairy Queen(DQ)」は2020年から中国で店舗を急拡大し、1800店舗を超えた。また、チョコレートやナッツをトッピングしたワッフルコーンのアイスを10元台(1元=23円換算で約230円)で提供する現地低価格ブランド「波比艾斯」も店舗数を1000店に乗せた。
さらに、中国産の素材や作り立てにこだわるクラフトジェラートも人気を高めており、ご当地素材にこだわった高級路線の「野人先生」などはZ世代の支持を急速に集めている。
そもそも中国のハーゲンダッツは、進出時に現地のフランチャイズの仕組みが未成熟だったため、すべての店舗を自社で直接運営する「直営方式」を取らざるを得なかった。これが現在のデフレ下で仇となり、コスト高のなかで客足が減ったことで、カフェ店舗から利益を生み出すことが困難になった。重い店舗事業を切り離すことで、より利益率の高い小売・フードサービス事業にリソースを集中させる。これこそがゼネラル・ミルズの狙いである。






























