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- 古河電工、住友電工、花王……7月1日前後に“株式分割”する全34銘柄リスト。それぞれのファンダメンタルズも解説する

- AI・半導体関連株が牽引し、日経平均株価はついに7万円を突破した。
- そんななか7月上旬、34銘柄が株式を分割する。今回はAI関連で高騰した銘柄が目立つ。
- それらのリストと、そのなかで筆者が注目する8銘柄のファンダメンタルズを解説する。
日本株の急騰が続いている。
半導体・AI関連株が牽引し、本稿執筆時点で日経平均株価は7万円を突破した。ファーストリテイリングを除くと、AI関連株が市場を引き上げている。ホルムズ海峡の封鎖は重石だったが、米・イランの停戦交渉が進展したという報道により、株価の上昇は続く。
そんななか7月1日には、34銘柄が株式分割を予定している。そこには、日経平均を牽引するAI関連株の「電線御三家」のうちの2社、古河電気工業に住友電気工業も含まれる。
「株式分割」とは何か?
- 国内では100株を1単位とする「単元株制度」により、個別株投資のハードルは高い。そんななか、東京証券取引所(東証)は株式の投資水準について、最低購入金額は「50万円未満」が望ましいとしてきた。
- そこで、昨今では「株式分割」を実施する企業は多い。株式分割とは1株を小分けにすることだ。例えば1株3000円の銘柄を10株に分割する場合、1株300円となる。すると最低購入価格が、1単元で30万円だったものが、3万円になるのだ。
- なお、分割によって株価は低減するものの、株数そのものは増える。そのため、分割の前後で投資家が保有する株式の"価値"は変化しない。
「株式分割」を行う企業の狙い
- 企業が株式分割を行う主な目的は、さらなる投資を呼び込むためだ。分割後はより少ない金額で購入できることになり、新規で購入を考える投資家にとっては魅力的な銘柄となる。
- また、企業が成長を続け、株価が大幅に上昇してしまった場合に、一定の流動性を確保するために分割が行われる場合がある。特に日本市場では単元株制度を導入しているため、最低購入金額が高くなった銘柄の株式分割は効果的だ。
以下が7月上旬前後にかけて株式分割を行う、34銘柄の一覧リストだ。また、下記リストのなかの太字が、筆者が注目する8銘柄となっている。この8銘柄については記事後半にて、それぞれのファンダメンタルズを解説していく。
銘柄 | 分割比率 | 効力発行日 | 市場 |
|---|---|---|---|
1/1.8 | 2026年6月26日 金曜日 | 東証スタンダード | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/10 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/4 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/4 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/5 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/3 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/4 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/10 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証スタンダード | |
1/3 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証スタンダード | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証スタンダード | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/3 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証スタンダード | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証スタンダード | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証スタンダード | |
1/8 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証スタンダード | |
1/3 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証グロース | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証グロース | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証プライム | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証グロース | |
1/2 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証グロース | |
1/3 | 20226年7月1日 水曜日 | 名証 | |
1/3 | 20226年7月1日 水曜日 | 東証グロース | |
1/25 | 20226年7月7日 火曜日 | 東証 | |
1/50 | 20226年7月7日 火曜日 | 東証 |
1. 花王|原材料費の高騰が足かせ
効力発行日:2026年7月1日
市場:東証プライム
分割比率:1/2
分配金利回り:2.52%
株主優待:なし
花王は7月1日を効力発生日として株式分割を実施する。現在の株価は6000円台を推移しており、最低投資金額は60万円超。分割により東証の水準を満たすようになる。分割の目的は投資家層のさらなる拡大だ。
花王は洗剤から化粧品、おむつなどの生活用品や、業務用の油脂製品や添加剤などの化成品を製造している。長年にわたって海外展開を強化しており、海外売上高比率は4割を超える。
売上高は年々上昇し続けてきたが、営業利益の過去最高は19年度であり、株価は8000円台を推移していた当時のピークを超えられていない。花王製品の原料を突き詰めれば石油だ。原材料費の高騰が利益を圧迫している。今期は第1四半期で増収増益だが、土地売却の影響が大きく、予断を許さない状況だ。
2. 古河電気工業|光ファイバー需要により株高
効力発行日:2026年7月1日
市場:東証プライム
分割比率:1/10
配当利回り:0.41%
株主優待:なし
古河電気工業の株価は5万円前後を推移し、最低投資金額は約500万円だ。初心者では手が届かない金額であり、株式分割によって投資を呼び込む狙いだ。株価は24年まで3000円台を推移していたが、25年末に9000円台になり、今年に入ってから急騰した。10分の1の分割により、50万円台で購入できるようになる。
同社はフジクラ、住友電気工業とともに「電線御三家」に分類される。26年3月期は増収と営業利益の増益を記録。AIデータセンターや再生エネルギー施設の需要拡大を背景に電線需要が拡大し、光ファイバー需要も伸びたという。今期も光ファイバー需要が伸びると予想されており、株価が急上昇した。ちなみに御三家のフジクラは「テンバガー」となった。今後は27年3月期第1四半期の決算発表が株価を左右することになるだろう。
3. 住友電気工業|予想通りデータセンター需要の拡大に乗れるか
効力発行日:2026年7月1日
市場:東証プライム
分割比率:1/4
配当利回り:1.16%
株主優待:なし
住友電気工業も前述の古河電気工業と同じく、データセンターによる特需に乗った銘柄だ。株価は2000円台を推移していたが、昨年春から上昇し、現在では約1万3000円だ。最低投資金額は100万円を超える。「投資家の皆様にとってより投資しやすい環境を整え、投資家層の更なる拡大を図る」としている。
26年度の業績は売上高5兆3000億円(前期比4%増)、営業利益は4250億円(2%増)を同社は見込んでいる。なお、通期では前期の住友電設株売却の反動により、減益の見込みだ。古河電気工業と同様に、第1四半期の発表が株価を左右するはずだ。
4. 住友商事|非資源分野の投資を強化
効力発行日:2026年7月1日
市場:東証プライム
分割比率:1/4
配当利回り:2.33%
株主優待:なし
住友商事の株価は現在、6000円台を推移する。株価は25年の前半まで3000円台を推移していたが、最終益の更新により上昇した。株式の流動性の向上と投資家層の拡大を目的として、株式分割を実施する予定だ。株式分割によって10万円台で投資できるようになる。
25年度の売上高は7.3兆円で、7大商社の中では6位の規模だ。財閥系商社の中では資源依存度が低く、近年では自社グループから独立していたシステム開発のSCSKを完全子会社化し、米国では米航空機リース大手のエア・リース(Air Lease)を子会社化した。ニッケル開発事業からの撤退も決め、株価では好材料となった。非資源分野への投資による結果が今後の株価に影響するだろう。
5. FOOD & LIFE COMPANIES|中国市場で成長が続く
効力発行日:2026年7月1日
市場:東証プライム
分割比率:1/2
配当利回り:0.40%
株主優待:「スシロー」などで使える株主優待券
FOOD & LIFE COMPANIESは回転寿司の「スシロー」などを運営する企業だ。2020年に4分の1の株式分割を実施したが、5月に1万円を突破するなど、株価の上昇が続いた。投資しやすい環境を整えるため、株式分割を実施する。現在の株価は9000円台であり、最低投資金額は90万円台。分割によって50万円を下回る見込みだ。
近年は増収増益が続き、株価も上昇してきた。主に海外事業が牽引しており、25年9月では国内スシロー事業の売上高が2659億円であるのに対し、海外スシロー事業は1314億円だった。今期も好調が続いている。京樽など他事業を含めると国内では約950店舗を展開し、海外では約280店舗を展開する。特に注力しているのが中国大陸だ。外食各社は現地化に苦戦し、中国市場から撤退してきた。くら寿司も中国市場から撤退している。スシローは生ものを嫌う現地の志向に合わせ、国内店とメニューを変えており、現地で受け入れられたようだ。
6. 日東紡績|AI特需も終息か
効力発行日:2026年7月1日
市場:東証プライム
分割比率:1/5
配当利回り:0.70%
株主優待:なし
日東紡績の株価は現在、2万円前後を推移している。最低投資金額は約200万円であり、かなりハードルの高い銘柄だ。株価は昨年時点で1万円台だったが、その後上昇し、5月上旬に3万円を超えた。ピークアウトしたものの、株式分割を発表した同月下旬時点でも2万円を超えていた。
原糸事業からは撤退済みで、電子材料用やプラスチック強化用のガラス繊維、医薬品などを展開している。AI特需を背景に電子基板用のガラスクロスの需要が拡大すると予想され、株価は上昇した。25年度は増収増益だったが、26年度予想が市場の期待を下回ったため、株価が下落したとみられている。「上がり過ぎた株価が下がった」構図といえる。
7. iFreeETF NASDAQ100レバレッジ|NASDAQ×レバレッジのETF
効力発行日:2026年7月7日
市場:東証
分割比率:1/25
分配金利回り:0.31%
株主優待:なし
iFreeETF NASDAQ100レバレッジは7月7日を効力発生日として口数分割を実施する。基準価額は5万円台を推移していたが、4月頃から急上昇し、現在では8万円前後を推移する。口数分割によって3000円台で購入できるようになる。
同ETFの基準価額はNASDAQ100に連動してきた。改めて解説すると、NASDAQ100はナスダック市場に上場する銘柄のうち、金融セクターを除く時価総額上位100銘柄で構成されている。アルファベット、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアのマグニフィセント・セブンも同指数に含まれる。なお、同ETFは実質2倍のレバレッジをかけたETFであり、AI人気によるテック株の上昇に伴い、基準価額も上昇してきた。
なお、同じ大和アセットマネジメントが提供する投資信託「iFreeレバレッジ NASDAQ100」の信託報酬は0.99%であるのに対し、今回の「iFreeETF NASDAQ100レバレッジ」の信託報酬は0.825%だ。
8. iFreeETF S&P500レバレッジ|AIブームで伸びる米国株
効力発行日:2026年7月7日
市場:東証
分割比率:1/50
分配金利回り:0.37%
株主優待:なし
iFreeETF S&P500レバレッジは前述のETFと同じシリーズだ。基準価額は10万円台を推移し、中東情勢による株安で10万円を下回ったものの、4月以降の上昇で11万8000円台まで上昇した。口数分割により2000円台で購入できるようになる。
S&P500はニューヨーク証券取引所、NASDAQなど米国に上場する500銘柄の時価総額の加重平均で算出される。銘柄の選定基準は時価総額や流動性などで、テック株の影響度が大きい。同ETFの場合は、NASDAQ100と同様にテック株の上昇により基準価額が上昇した。レバレッジも効いている。
なお、同ETFの信託報酬は0.803%。似た名称の投資信託「iFreeレバレッジ S&P500」の信託報酬は0.99%であり、ETFの方がコストは低い。
まとめ
以上、7月上旬前後に分割を行う銘柄のうち、筆者が気になる8銘柄を解説した。花王は海外市場の可能性や配当利回りが魅力的だが、コスト上昇がネックである。AI特需に乗る電線御三家の2社は、フジクラの株価がすでにピークアウトしたような動きを見せている点が参考になるだろう。中国市場が好調なスシローのFOOD & LIFE COMPANIESは、配当利回りが低い。日東紡績は業績を振り返ると、すでにAI特需の効果を十分に受けたといえそうだ。
ETFに関しては、先月の記事でも解説したように、AI関連銘柄は不確実性が大きく、頼りすぎるのは危険だと考えている。AI市場がブームとして終息した場合、S&P500連動型よりもNASDAQ100連動型の方が反動は大きくなるだろう。両者がレバレッジ型である点にも注意しておきたい。こうした背景から、今回の8銘柄のなかで筆者は住友商事に注目したい。株価は上昇したとはいえ、PERは12倍でPBRは1.6程度。同業の中でも比較的割安の水準だ。
今年は引き続き大物銘柄が株式分割を予定しており、今後もピックアップしていく方針だ。


























