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- 米陸軍、「スティンガー」後継として次世代ミサイル1万1000発の調達を計画…ロッキードとRTXが開発競争

- アメリカ陸軍は老朽化したスティンガーミサイルの後継として、次世代短距離迎撃ミサイル1万1000発の調達を計画している。
- この新型肩撃ち式兵器の開発をめぐってしのぎを削っているのが、ロッキード・マーティンとRTXだ。
- この新型ミサイルは、航空機、ヘリコプター、大型ドローンへの対処を想定して設計されている。
アメリカ陸軍は短距離防空兵器の抜本的な刷新に向けて動き出した。老朽化したスティンガーミサイルの後継として、次世代ミサイル1万1000発の調達を目指している。
2026年6月第1週、政府の契約情報サイトに公開された情報提供依頼書(RFI)のなかで、米陸軍は新型地対空ミサイル「次世代短距離迎撃ミサイル(NGSRI:Next Generation Short Range Interceptor)」の生産に向け、防衛産業から意見・提案を幅広く募ると表明した。
陸軍は2023年、防衛関連企業と連携してこの新型兵器の開発を開始した。目標は5年以内の量産開始だ。公開された文書に盛り込まれた計画見積もりによると、今後10年間で、約1万1000発のミサイル本体と、2200基の発射装置を調達する予定だ。
スティンガーの後継機選定をめぐっては、防衛産業の巨人、ロッキード・マーティン(Lockheed Martin)とRTXがしのぎを削っている。現行のスティンガーを製造しているのはRTX傘下のレイセオン(Raytheon)だ。両社は2026年に入り、それぞれ後継候補となるミサイルのテストを実施。ロッキードは1月に一連の飛行テストの第1回目を行い、2月にはRTXのレイセオンが弾道テストを完了させた。
米陸軍によると、新型NGSRIは「撃ちっ放し(fire and forget)」方式のミサイルになるという。発射後に射手が手動で誘導する必要がなく、ヘリコプター、固定翼機、さらには大型の無人航空機(ドローン)を自律的に迎撃できる能力を持つ。
NGSRIは、数十年にわたってアメリカの短距離防空の要であり続けた、肩撃ち式ミサイル「FIM-92スティンガー」の後継として開発されている。車両や戦車の破壊に多用される米軍の「FGM-148ジャベリン」や無反動砲「M3カールグスタフ(MAAWS)」と同様、スティンガーも地上戦闘員が携行できるほど小型で、射手の肩に担いで発射する設計だ。
そうした特性から、スティンガーは「携帯型防空ミサイルシステム(MANPADS:Man-Portable Air-Defense System)」に分類される。赤外線誘導シーカーで標的を追尾する仕組みで、1980年代初頭から第一線で運用されてきた。高い信頼性を誇ってはいるものの、現代の防空環境はかつてなく複雑化しており、より高度な能力が不可欠になっている。
開発中のNGSRIは、より高速で射程が長く、生存性も向上するとともに、対処できる経空脅威の幅も大幅に広がることが期待されている。
米陸軍がNGSRIの大量調達に動く背景には、米軍全体を覆う弾薬備蓄への深刻な危機感がある。中東における戦闘がハイエンドな防空システムの在庫を圧迫しており、ウクライナへの長年にわたる大規模供与もアメリカのスティンガー備蓄を大幅に減少させてきた。
スティンガーは旧式兵器であり、生産ラインや部品サプライチェーンがすでにコールドベース(休眠状態)化しているため、備蓄を速やかに再建することは容易ではない。生産を再開するコストと時間をかけるより、次世代の後継システムを追求したほうがいい——それが陸軍の選択だ。
陸軍の要求仕様書によると、スティンガーの後継ミサイルは既存の発射プラットフォームとの互換性を持つことが条件とされている。

























