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- W杯開幕直後から「予測市場」が急成長。ファウルの数からアナウンサーの実況内容まで何もかも…

サッカーのワールドカップ北中米大会が6月11日に開幕。世界ランク18位の日本は初戦で世界ランク7位のオランダと対戦し、劇的なドロー(引き分け)に持ち込み、次戦では44位のチュニジアを圧倒。早くも日本優勝の可能性を検証するメディアが出てくるなど、大きな盛り上がりを見せています。
ところで、ワールドカップを対象としたスポーツベッティング(賭博)について、日本では日本スポーツ振興センター(JSC)が運営・販売するスポーツくじ「WINNER」を通じて各試合の勝敗に賭ける(正確には「投票する」)ことができるようになっていますが、その規模は米国に比べるとささやかなものです。
調査会社アイラーズ&クレイチク・ゲーミング(Eilers & Krejcik Gaming)によれば、前回2022年のカタール大会におけるオンラインベッティングの総取扱高は9〜10億ドルで、今回大会は基本シナリオでほぼ3倍増の28億ドル規模に達すると予測されています。この数年間でオンラインベッティングを合法化した州が飛躍的に(22州から39州へ)増えたことが要因の一つとか。
対する日本での前回大会におけるサッカーくじ売上高は約35億円で、スポーツくじ全体の年間売上高が直近3年連続で過去最高を更新(2025年度は約1380億円)していることから、今回のワールドカップを通じた売上高も大幅に伸びるとは思われますが、それでも米国の規模とは比較になりません。
スポーツベッティングの規模拡大は社会や経済にとって必ずしもポジティブな変化と受け止められておらず、日米ともにさまざまの議論があり、倫理的なものを含めた価値評価をここでするつもりはありません。
しかし、米国のスポーツベッティング市場で起きつつある劇的な変化、それが市場拡大に大きな貢献を果たしている事実には(国境を越えて)目を向けておくべきと感じています。
キーワードは、最近ニュースでもよく目に耳にするようになった「予測市場」。米国編集部エグゼクティブエディターのジョー・チョッリ記者から最新の状況を伝えてもらいます。
予測市場と従来型スポーツブックの違い
ドローに期待してサッカーの試合を観戦することは(リーグ戦突破をめぐる損得勘定が働くようなケースを除けば)普通あまりありません。基本的には白黒つけてほしい。でも、ドローに賭けてお金を稼げるとしたら?ドローをもっと楽しめるようになるかもしれません。
実際のところ、こうした発想はすでに(少なくとも米国では)スポーツファンの間に広く浸透していて、スポーツベッティングアプリや予測市場を経由して一見無限とも思える賭けの機会にアクセスできるので、ドローに期待した観戦はもはや(一部のファンにとっては)日常茶飯事レベルになっています。
ファンにとってスポーツ観戦の楽しみ方の選択肢が相当に広がっていることは間違いないのですが、そうした変化をもたらしたシステムの運営者サイド、言い換えればグローバル規模で成長を遂げた巨大なスポーツベッティング市場では、賭けの選択肢の広がりを楽しむ牧歌的な時代が過ぎ去り、従来型のスポーツブックと新たに登場した予測市場の間に摩擦が生じています。
米国ほどスポーツベッティングが浸透していない日本では、この話がいまいちピンと来ない読者も多いと思います。そこで、まずはスポーツブックと予測市場の違いを簡単に説明しておきましょう。予測市場については、ここではカルシ(Kalshi)を取り上げます。
■カルシは取引所の運営元、スポーツブックの運営元は胴元
カルシではユーザー同士が契約を売買し、価格は需給で決まります。ブックメーカーは自らオッズ(配当倍率)を設定・提供し、賭けの相手方になります。






















