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- アソビュー、イオンなどに出店の室内遊園地を買収。 約70店舗の“重い資産”「AI時代こそ必要」
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進撃のテーマパーク

イオンモールなどの大型商業施設で必ずと言っていいほど目にする「子ども向けの遊び場」。レジャー予約サイトなどを運営するアソビューが、全天候型の子ども向け室内遊び場「The Kids(ザキッズ)」を買収する。買収金額は30億円で、このM&Aによりアソビューとザキッズの連結売上規模は約110億円に達する見込みだ。
新型コロナウイルス禍の「売り上げほぼゼロ」というどん底から、観光施設向けのSaaS提供によるDX支援でV字回復を遂げたアソビュー。プラットフォーマーであるIT企業が、あえて実店舗という「アセット(資産)」を持つことは、リスクにもなる。しかし、アソビューCEOの山野智久氏の見方は真逆だ。買収の背景と今後の成長戦略を聞いた。
「キッズパーク」はリピート率2倍

「実は、アソビュー!を通じてキッズパークを利用したお客様は、その後ダイビングなど他の遊びを継続して体験するリピート率が2倍ほど高いというデータがありました」(山野氏)
今回M&Aした「ザキッズ」は、0歳児から小学生までが遊べる巨大ジャングルジムやボールプールなどを備えたキッズパークだ。現在、全国のイオンモールといった商業施設などを中心に出店を加速させており、店舗数は約70店舗に上る。売上高も前年比79%増と急成長を遂げている。
アソビューが「キッズパーク」という業態に注目した背景には、自社のデータが示した明確な裏付けがあった。山野氏が言うように、アソビューのサービスのリピート率が他のジャンルと比べておよそ2倍と、サービスとの親和性が極めて高かったのだ。
「ファミリー層って、カップルや友人同士と比べて体験学習への意欲が高いんですよね。『次は水族館に行こう』『次は温泉に行こう』というふうに、子どもを飽きさせないために、いろんな体験を次々と求める傾向があると感じています」(山野氏)
経営者の事業承継ニーズが契機に

データに基づく高い親和性を踏まえ、アソビューは、もともと取引のあったキッズパーク「ザキッズ」との情報交換を開始した。買収を前提としたものではなく、当初は事業連携や出資など、幅広い選択肢を視野に入れていたという。
しかし対話を重ねる中で、ザキッズ側の経営者が将来的な健康不安を抱え、事業承継に悩んでいることが明らかになった。
アソビューはこれまでも、レジャー施設のアナログな在庫管理といった業務課題を解決するためのSaaS「ウラカタ」を立ち上げるなど、業界課題を起点に事業を創出してきた経緯がある。
「タイミングとして非常に縁を感じました」と山野氏は振り返る。
こうしてグループインの検討が具体化し、最終的に事業承継へと至った。当面は現経営陣が続投しつつ、アソビューから事業責任者が取締役副社長として参画する体制となる。
実店舗は「当初からの夢」

実は、アソビューにとって実店舗の保有は創業当初から描いてきた戦略の一つだった。
「創業期からの戦略は、遊び体験市場における“垂直統合”です。AmazonがECを起点に物流や自社ブランドへ広げてきたように、メディアや店舗といった顧客接点と、裏方のシステムから得たデータをもとに、自ら商品やサービスを展開していく考え方です」
アソビューはこれまで、予約サイト「アソビュー!」という集客の入り口と、そのデータを活用して施設の業務効率を高めるSaaS「ウラカタ」を展開してきた。一方で、構想にありながら欠けていたピースが、実店舗だった。
実際、過去にもその機会はあった。2018年、取引先であった沖縄のスキューバダイビングショップのオーナーから、医師としての本業の多忙を理由に事業承継の相談を受け、同社は一度店舗運営に乗り出している。約1年間は自社で運営を行ったものの、その後コロナ禍でレジャー市場が急速に冷え込み、継続を断念した経緯がある。
今回のザキッズの買収は、そうした文脈の延長線上にある。アソビューにとって、実店舗運営への再挑戦でもある。
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