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- グーグルのピチャイCEO、「AI」を敢えて封印…スタンフォード大卒業式で「楽観主義」を説く
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グローバルインサイト

- グーグルCEOのスンダー・ピチャイ氏が6月14日、スタンフォード大学の卒業式で祝辞を述べた。
- 彼はAIについて直接言及せず、代わりに「楽観主義」に焦点を当てた。
- 最近の大学卒業式では、AIの可能性について語った登壇者たちが、学生から激しいブーイングを浴びる事例が相次いでいる。
グーグル(Google)はAI(人工知能)革命を牽引する代表的な企業の一つだ。だが、そのCEOであるスンダー・ピチャイ氏は6月14日、スタンフォード大学の卒業生に向けた祝辞の中で、AIについてほとんど触れなかった。それには、もっともな理由がある。
5月、ピチャイ氏の前任者の1人で、CEOとしてグーグルを巨大企業に育てたエリック・シュミット(Eric Schmidt)氏は、アリゾナ大学の卒業式でAIの可能性を称えるスピーチを行った。すると、学生たちから容赦ないブーイングを浴びた。ミドル・テネシー州立大学でも、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)を見出したことで知られるビッグ・マシン・レコーズ(Big Machine Records)CEOのスコット・ボルシェッタ(Scott Borchetta)氏がAIについて語り始めた途端、学生たちから同様のブーイングが起きている。
では、ピチャイ氏は何を語ったのか。彼は卒業生たちにこう語りかけた。
「今日は皆さんへのアドバイスを話す日だとわかっています。ただ、私も周囲から『何を話すべきか』について多くのアドバイスをもらいました。実のところ、それはすべて同じ内容で『何を言うべきではないか』というものだったのです」
式典の様子を撮影したソーシャルメディアへの投稿には、数十人の学生が抗議のため退場する場面が映っていた。なかにはパレスチナの旗を掲げていた学生もいた。一方でピチャイ氏が現代の若者たちがテクノロジーに向ける嫌悪感に対して歩み寄る姿勢を見せたのは、そう語りかけたときくらいだった。
それでも彼は、少々リスクを冒して軽いジョークも飛ばした。
「皆さんは、(私がAIについて語らないのは)相当難しいはずだと思っていたことでしょう」と彼は言った。「なにしろ、私の苗字(Pichai)の最後の2文字が『AI』ですから」
AI一色のスピーチを避けたピチャイ氏が卒業生たちに伝えたのは、「楽観主義を選べ」というメッセージだった。これは、AIがエントリーレベルの仕事に与える影響に対して、彼らが抱いているであろう不安にさりげなく寄り添う目的だったのかもしれない。
そして彼は、自身がいかにしてポジティブな心構えを身につけたかを語り始めた。
1990年代、初めてカリフォルニアに降り立つまで、ピチャイ氏はそこに緑豊かな風景が広がっていると思い描いていたという。ところが、彼の目に飛び込んできたのは乾いた茶色い大地だった。そのとき、受け入れ先のホストがこう言った。その景色を表す言葉は「茶色」ではなく「黄金色」なんだと。
魅力に欠けるものを、可能性に満ちたものへとどう捉え直すか。それが卒業生たちに送りたい大切な教訓だ、とピチャイ氏は言った。
「私が言った『楽観主義を選ぶ』というのは、そういう意味なんです。ポジティブな方向に視点を切り替えるということです。私が茶色だと思った景色は、彼女には黄金色に見えていた。このわずかな視点の転換が、私の世界に対する見方に大きな影響を与えたのです」
とはいえ、キャリアをスタートさせたばかりの学生たちが、世界を黄金色のレンズ越しに見ることが難しかったとしても、それは仕方のないことだろう。
オープンAI(OpenAI)のサム・アルトマン(Sam Altman)CEOやアンソロピック(Anthropic)のダリオ・アモデイ(Dario Amodei)CEOなど、世界をAI時代へと向かわせる製品を生み出している当事者たちは、AIによって、これまで存在していたエントリーレベルの仕事が時代遅れになる可能性がある、と繰り返し警告してきた。
実際、2026年に入ってからすでに十数社の大手企業がAIを理由にレイオフ(一時解雇)を実施している。そして、最近卒業した何人もの若者たちが、フルタイムの仕事を何カ月も探し続けているのにまったく見つからない、とBusiness Insiderに明かしている。
スタンフォード大学(大学院)の卒業生でもあるピチャイ氏は、2015年からグーグルを率い、シリコンバレーに何度もテクノロジーの波が押し寄せるのを見届けてきた。しかし、彼はポッドキャスト番組「ハード・フォーク(Hard Fork)」の最近のエピソードで、AIは人類がかつて経験したことのないレベルの変化をもたらしていると語った。そして、いまの卒業生たちについてこう言及した。
「いまの卒業生たちは、実際にその進歩を推進する大きな原動力になると同時に、それがもたらす変化や影響に最前線で対応していく存在でもあるのです」

























