- BUSINESS INSIDER
- 国際
- スペースXの牙城に挑む、中国民間ロケット「航天六小龍」の現在地。中国市場、2030年に210兆円の衝撃
米スペースX(SpaceX)がナスダック市場に上場した。取引初日の時価総額は2兆1000億ドル(1円=160円で計算、約336兆円)に達し、過去最大となる750億ドル(約12兆円)を調達した。
経済安全保障の文脈でも欠かせなくなりつつある宇宙産業において、自国内で猛烈な勢いでエコシステムを構築しているのが中国だ。国策としての低軌道通信衛星コンステレーション(中国版スターリンク)構築によって巨大な輸送需要が生まれ、民間ロケットスタートアップ群「航天六小龍」が急成長を遂げている。
スペース Xの価値支える“土地”

スペースXの時価総額はアマゾンに迫っている。一方で、スペースXは2025年には約50億ドル(約8000億円)の損失を計上し、企業価値が同水準のテック大手と比較して売上高は下回っている。スペースXの価値を支えているのは売り上げではなく、「すでに軌道上に存在する衛星の数」だと言われる。
地上から最も近く、遅延の少ない高速通信を地球全土に届けられる低軌道は、宇宙における「一等地」だ。そして、宇宙の周波数や軌道を管理する国際電気通信連合(ITU)には、周波数・軌道の登録申請は基本的に「早い者勝ち」という原則がある。
つまり、宇宙ビジネスを理解する上で重要なのは、「顧客の奪い合い」になる通信サービスではなく、「物理的な土地の奪い合い」という不動産ビジネス的な視点とも言える。
現在、低軌道にはスターリンクの衛星が9600機以上配置されている。電波帯域(通信で使う周波数の幅)や軌道には限りがあるため、スペースXがこの一等地を先に埋めてしまっている状況は、後から参入する国にとって大きな参入障壁になり得る。低軌道の衛星網は通信インフラであると同時に、安全保障や次世代通信(6G)にも直結する戦略物資だ。だからこそ、中国も国家の威信をかけて低軌道通信衛星コンステレーションの構築に本格参戦している。
中国版スターリンクの現状

中国では国家レベルで「中国版スターリンク」の構築が進んでおり、主に性格の異なる二つの巨大プロジェクトが並走している。



















