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- Z世代・α世代は「再開発された街」に集まらない。変わりゆく渋谷と、若者が求める文化の発信地
連載
入山章栄の 経営理論でイシューを語ろう

今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても平易に読み通せます。
再開発が進むなかで、渋谷はどんな街になるのでしょうか。入山先生は「東急株式会社や東急不動産は、文化都市として成功した渋谷を、スタートアップが集積するグローバルビジネス文化都市へ進化させようとしている。これまでのように、渋谷に元気な若い人たちが集まるかが問われている」と解説します。
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東急グループが目指す渋谷「文化+テック都市」

今年はハンズ渋谷店(旧東急ハンズ)が11月に、渋谷西武が9月末にそれぞれ閉店するそうです。どちらも80〜90年代の渋谷の象徴的な存在でしたから、時代の変わり目にいることを実感しました。
僕は青春時代に渋谷に結構行っていましたので、感慨深いものがありますね。渋谷は文化の発信地でしたが、今は大地主の東急株式会社(旧・東京急行電鉄。以下、東急)や東急不動産が、再開発を進めています。
渋谷には「Bunkamura」がありますが、東急グループは、創業者の時代から文化都市をつくりたいと考えていて、そこに人が集まるような街づくりをしてきました。街をつくり、そこに通うための電車を引き、沿線の都市開発をするのが、特に東急電鉄の伝統的な戦略だったんです。街づくりと暮らし方そのものを設計するような「人生設計のようなインフラ」を築いてきたとも言えるでしょう。

再開発のお話が出ましたが、これから渋谷はどこに向かうのでしょうか?
今、東急と東急不動産は文化都市として成功してきた渋谷を、スタートアップなどが集積するグローバルビジネス都市文化へ進化させようとしています。
まず、東急が手がけた代表例が「渋谷ヒカリエ」、Googleオフィスのある「渋谷ストリーム」、ミクシィやDeNAが入居している「渋谷スクランブルスクエア」などです。一方で東急不動産のほうは、「渋谷フクラス」、そして肝入りで始まった「Shibuya Sakura Stage」が代表例です。
渋谷は、元々国内有数のスタートアップ集積地です。1990年代後半、渋谷にはサイバーエージェントなどのベンチャー企業が集まり、「ビットバレー」と呼ばれていました。
今もスタートアップ向けの施設もあるし、ITベンチャーやスタートアップの集積は続いています。渋谷は東京大学の駒場キャンパスや東京科学大学(旧東工大)も近いですから、アカデミアとの連携や人材確保もしやすい、という地の利もあります。
再開発で失われる「カオス」。文化はどこに移るのか

一方で、再開発によって新しいビルが増え、街が均質化されていくと、文化の発信地としての魅力は減っていくようにも感じます。
そうですね……。ただ渋谷の場合は、全体の中でも再開発のエリアが限られているので、文化の発信地という性質がある程度は残るはず、と僕は考えています。そして、ディープな文化を求める人の流れは、渋谷から少し離れた神泉やBusiness Insider Japan編集部のある若い人は大人がいる場所を避ける円山町、奥渋(宇田川町・神山町・富ヶ谷周辺)にさらに移っていくのかな、と思います。

奥渋や神泉は素敵なお店が多くて人気がありますね。
はい。都市の面白いところは、「人が文化を求めて移動していく」ので、エコシステムが変化していくことです。渋谷の場合は、かつて文化の発信源だったパルコやセンター街周辺が今やインバウンド客の集まる場所になり、ディープなカルチャーを求める日本人は、むしろ奥渋側に移っていく。ただ、奥渋は落ち着いた街ですから、元気な若い人たちが集まるかというと違うかもしれません。
今でも渋谷センター街にはパワーがありますが、元気な若い人を惹きつけるという意味では、むしろ池袋のサンシャイン通りや新宿歌舞伎町にパワーが移っているようにも見えます。































