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- BookLiveは「電子書籍ストア」の枠を越える——オリジナル作品の制作から流通まで手がける「コミックの製造小売」戦略とは?
Sponsored Content by BookLive Co., Ltd.

電子書籍ストア市場を牽引するBookLiveが、ビジネスの多角化を加速させている。同社は「ブックライブ」をはじめとするストア事業を軸としながらも、IP(知的財産)の創出にも力を入れ、制作から配信・販促まで連携できる体制を武器に、独自のコンテンツ制作やプロモーション施策を展開。オリジナルコミック発のアニメ化・ドラマ化・映画化を次々と成功させている。
同社が掲げるのは、「デジタルエンターテイメントIP企業」というビジョンだ。電子書籍ストア事業を軸としながら、コンテンツ創出やクリエイター支援にも取り組みを広げている。その裏にどのような戦略があるのか。淡野正(あわの・ただし)社長に話を聞いた。
電子コミック市場は急拡大を経て成熟期へ
スマートフォンやタブレットでマンガを読むというライフスタイルが定着して久しい。出版科学研究所によると、2025年のコミック市場は6925億円にのぼり、そのうち電子コミックは5273億円と市場の76.1%を占める。
今日の電子コミックの隆盛をリードしてきた代表的な企業が、国内最大級の総合電子書籍ストア「ブックライブ」を運営するBookLiveだ。社長の淡野正氏は、凸版印刷(現TOPPANホールディングス)でデジタルコンテンツの流通・販売事業を立ち上げ、2011年にBookLiveを創設。黎明期から電子コミックの普及に携わってきた“電子コミックの父”とも評される人物だ。

淡野社長によると、「ガラケー(ガラパゴスケータイ)」が普及していた2000年代初頭には、通信料や画面の制約から、マンガをコマごとに表示するしかなかったため、出版社側に忌避感があり、印刷事業が主力であった凸版印刷社内でも、電子コミックへの懐疑的な見方が強かったという。
しかし、パケット定額制の登場、通信速度の改善、スマートフォンの普及など、技術の進化を追い風に、デジタルコンテンツへの課金が消費行動として定着。2014年の統計開始以降、電子コミックは順調に市場規模を拡大してきた。特にコロナ禍ではソーシャル・ディスタンス対策としてデジタル活用の意識が高まり、外出自粛による「巣ごもり需要」は急成長をもたらした。
だが、ここに来て市場は成熟期を迎えているという。コロナ特需の終息もあり、市場拡大を続けているものの、成長のペースは徐々に落ち着きつつある。
「3話無料や1巻無料といった形で、フリーミアム施策(無料で提供し課金につなげる施策)が有効に働くのは電子コミックの強みではありますが、現在は動画やSNS、ゲームなどコンテンツも多様化していて、『可処分時間の奪い合い』が起きています。日本では人口が増えない限り、今までのような急拡大は難しく、想定よりも早く急成長のフェーズは一巡し、次の成長に向けた転換期に入りつつあると受け止めています」(淡野氏)
BookLiveが設立以前から「オリジナルコミック」を手がけてきたワケ
電子コミック市場には、出版社やプラットフォーマーなどからの参入も相次ぎ、伸びるサービスと伸び悩むサービスの二極化も進んでいる。そのなかでBookLiveが安定成長を続ける背景には、現在のBookLive設立以前から、オリジナル作品の制作を進めてきたことも大きく関係している。
独自IPの創出は、もともと柔軟なマーケティング施策を実現するためにスタートしたと、淡野氏は振り返る。
「紙の書籍は再販価格維持制度(メーカーが小売価格を決定する制度)があり、値引きできませんが、電子書籍は対象外なので可能です。ただ当時は、出版社に電子コミックの値引きやクーポンの活用を提案しても、『紙との価格バランスを慎重に見たい』という声が多くありました。
それであれば、デジタルならではの可能性を検証するために、自社でもコミック作品の制作に取り組んでみようと考えたのがきっかけです。そこで得られた知見を出版社にフィードバックすることで、結果的に市場全体にも還元できるのではないかと考えていました」(淡野氏)

そこから15年を経て、オリジナル作品の存在は、同社の経営を支えるまでに成長している。現在、BookLiveのIP創出を担うのは「4つのスタジオ」だ。
BookLive本体の編集部である「ライブコミックス」では「COMICエトワール」「COMICアンブル」「COMICアスティル」といったレーベルを通じて、デジタル発のオリジナル作品を展開している。加えて2017年に「フレックスコミックス」を傘下に入れ、「COMICメテオ」「COMICポラリス」といったレーベルを通じて人気作品を世に送り出している。いずれもグループ内の編集機能として、それぞれの強みやカラーを活かしたコンテンツ作りが進められている。
さらに2023年には、マンガ・イラスト・アニメーション・映像など、幅広いデジタルコンテンツを制作するクリエイター集団「デジタル職人」と、Webtoon(縦スクロールコミック)の企画・制作を主軸とする「C-Route(シー・ルート)」をグループへ迎え入れた。
これらの編集・制作機能が組み合わさることで、BookLiveはコンテンツ創出の幅を広げている。
「あえてスタジオを集約せずに4つに分散させているのは、コンテンツの多様性を重視してのことです。各編集部門にはそれぞれのカラーがあるので、そのカラーを尊重しています。同じジャンルの作品であっても、スタジオによって仕上がりに違いがあり、そこに面白さがあります」(淡野氏)
アニメ化・実される作品も相次ぐ

ライブコミックスやフレックスコミックスなどを通じて生み出されるオリジナルコンテンツの存在は、当然ながらストアの差別化に大きく寄与する。ただ、作品の自社独占にはこだわらず、先行販売した後に他社のストアに提供することもあれば、同時発売することもあるという。作品の販路を増やせば、クリエイターの価値向上にもつながるからだ。
「当社のグループビジョンの1つに、『クリエイターの価値向上』があり、コンテンツの価値を高めるだけでなく、クリエイター自身の活躍の場を広げていくことを重視しています。クリエイターとの接触を増やし、さまざまな形でIP創出につなげていく取り組みを進めています」(淡野氏)
業界全体の発展が、最終的に自社の利益として還元される。これは淡野氏に一貫する信念でもある。
こうした独自IPの創出は、メディアミックスにも結実。2017年の『恋愛暴君』のアニメ化を皮切りに、オリジナルコミックを原作とする映像化の実績を積み上げている。

メディア化されれば原作の認知度が向上し、キャラクターのマーチャンダイジング展開にもつながりやすい。2023年にはテレビ朝日と資本業務提携を行い、アニメ化・実写化を目的としたオリジナルコンテンツの共同制作体制を構築するなど、積極的な取り組みを進めている。
制作から販促までをつなぎ、マーケティング知見を広げる仕組み

こうしたBookLiveの躍進を支えるのは、前述した4つのスタジオと電子書籍ストア(ブックライブ、ブッコミ)をつなぎ、制作・編集から配信・販促までのプロセスを横断的に連動させる体制・仕組みだ。
ユニクロやZARAなどの成功で知られるSPA(Speciality store retailer of Private label Apparel:アパレルの製造小売業)モデルのように、企画から販売までを一体でとらえる考え方になぞらえて、BookLiveはSPC(Speciality store retailer of Private label Comic:コミックの製造小売業)モデルを提唱している。
SPCモデルのもとで制作スタジオは、ストアから得られるマーケティングデータを起点にした逆算型のコンテンツ制作が可能となる。ストア側も作品ごとにきめ細やかなプロモーション施策を展開できる。
「例えば、電子コミックの広告から『こういうセリフが受けている』『こういう眼鏡の女の子が人気』といった情報が得られます。それを企画段階でキャラクターの造形や絵のタッチに反映したり、ネーム(マンガを描く際の設計図)段階で修正を加えたりすることで、読者に届きやすい作品づくりにつなげています。
もちろん100%成功する方程式があるわけではないですが、限られた時間の中でタイムリーに対応できるのが、SPCのメリットだと考えています」(淡野氏)
ただし目的は、自社で完結させることではない。ストアで得られるユーザーの閲覧・購買データやプロモーションの反応をもとに、作品づくりや販促の知見を蓄積し、それを出版社とも共有していくことで、より効果的に読者へ作品を届けることを目指している。
現在は若者を中心に紙離れが進み、情報源がスマホで完結する人も少なくない。これまでは紙のコミックを電子化するパターンが一般的だったが、現在は紙・電子それぞれの特性に応じた展開が進むなかで、ボーンデジタルの作品が主流となりつつある。この流れが進めば、SPCモデルがより効力を発揮する場面も増えていくことだろう。
一方で、BookLiveは紙のコミックを軽視しているわけではない。前述したスタジオの1つである「フレックスコミックス」の作品は紙の刊行を原則としており、ブックライブ発の作品も紙での刊行率は上昇しているという。

「作家にとって紙のコミック刊行は大きな目標であり、特に新人作家がデビューしたとき、周囲の人にスマホの画面を見せるより、紙のコミックを渡したいという気持ちがいまだに大きいのは間違いありません。また、紙のコミックが書店に置かれることで、広く認知される効果も期待できます。
原材料費の高騰によるコストの問題はネックですが、よりプレミアム性の高い作品、売れる作品をセレクトしながらも、紙のコミックは刊行を続けるつもりです」(淡野氏)
クリエイターと作品の裾野を広げる「エコシステム」の構築
現在、BookLiveがSPCモデルの構築と並行して注力しているのが、クリエイターが継続的に活動しやすい環境づくりだ。2019年に「パルミー」を子会社化し、2022年には「Xfolio(クロスフォリオ)」というサービスを開始している。
「パルミー」は、イラストやマンガの描き方をオンライン講座で学ぶことができる定額制サービス。「クロスフォリオ」は、ポートフォリオ作成や作品公開、ファンコミュニティやダウンロード販売機能などを備えたクリエイターのための総合プラットフォームで、現在までの累計会員数は36万人を突破している。これらは、イラストやマンガに親しむ人の裾野を広げ、創作活動を始めやすくする環境づくりの一環として位置づけられている。
「われわれにとってコンテンツは事業の基盤であり、それを生み出すクリエイターの存在は欠かせません。描きたい人が集まり、学び、ファンをつくり、やがてプロの作家として羽ばたいていける。そうした流れを支える環境を整えることが、結果として作品やIPの多様性につながっていくと考えています」(淡野氏)

さらにBookLiveは、ショート動画の隆盛という消費トレンドを捉え、2026年4月に映像作品と小説・シナリオを1つの場所で楽しめるエンターテイメントプラットフォーム「StellaJean(ステラジーン)」をリリースした。ショートドラマを中心とした映像作品の配信に加え、小説とシナリオの投稿機能も備えたサービスだ。
これも単なる動画配信サービスではなく、「映像化から逆算したIP開発」を目指す取り組みの一つとして位置づけられる。投稿されたテキストコンテンツから映像化の可能性を見出すほか、自社マンガ原作の展開やプロモーションにも活用することで、活字と映像の双方向のシナジーを狙う。
こうした一連の取り組みは、BookLive単独で完結するものではなく、クリエイターや出版社、さまざまなプレイヤーとともに、コンテンツの可能性を広げていくためのエコシステムとして機能することを目指している。
「デジタルエンターテイメントIP企業」へ
ビジネスの多角化は、デジタル上に限らない。BookLiveは2024年4月、東京・原宿「ハラカド」内にリアル店舗をオープンしている。作品の展示即売会やファンミーティング、トークセッションなどを行い、クリエイター・作品とファンがつながる“推し活拠点”として機能している。リアル店舗はキャラクター関連グッズの売り場となるなど、活用の幅が広い。自社IPと他社IPの両方を扱いながら、集客力を向上し、ファンの熱量を高めたい考えだ。

今、コンテンツ産業は日本の基幹産業として位置づけられ、IPビジネスの重要性はますます高まっている。そのなかで、淡野氏はマンガにとどまらないさまざまなIPを生み出せる「IPプロデューサー」が求められていると語る。
「コンテンツが持つ魅力を深く理解し、例えばアパレルとのコラボを手がけるなど、いろいろな形で訴求し、マネタイズしていけるスキルが重要です。特に海外市場ではマンガをマンガのまま展開するのは難しく、アニメやゲームによる展開など、戦略的に考える必要があります。その国に合ったコンテンツに変換していくプロデュース力が不可欠です」(淡野氏)
BookLiveは「電子書籍ストアの会社」という枠を越え、「デジタルエンターテイメントIP企業」としての可能性を模索し始めている。魅力的なマンガ作品を届ける従来の役割を軸に、クリエイターやパートナーとともにコンテンツの可能性を広げていく取り組みが、事業の新たな広がりを生んでいる。




























