- BUSINESS INSIDER
- ビジネス
- マイクロン決算が示した驚異のメモリ需要。でも、サムスンとSKハイニックス支える韓国市場への懸念は消えない
連載
ビッグテックの動向

6月25日早朝(米国時間24日夕刻)は世界中の市場関係者が固唾(かたず)を呑んで注目の決算発表を待ちました。いや、その緊迫感を表現するには注目などという言葉では足りないかもしれません。
メモリチップ大手マイクロン・テクノロジー(Micron Technology)の第3四半期(3〜5月)決算を前に、メディアや金融機関の予測記事には普段あまり見かけない物々しい警句が並びました。
米経済誌フォーブス(Forbes)は6月23日付記事で、テクノロジー株強気派の最先鋒、ウェドブッシュ・セキュリティーズ(WedBush Securities)のダン・アイブス氏の珍しく控えめなコメントを紹介。「メモリチップをめぐる株取引の重要な局面を前に緊張感が高まって」おり、株式市場が「本当の意味で試される正念場」と見ている、と。
IG証券シニアファイナンシャルライターの小雲規生氏も同23日付の分析レポートで次のように警鐘を鳴らしました。
「マイクロンは3カ月前の決算発表で設備投資負担の重さが嫌気され、株価が急落した経緯がある。その際は日本の半導体株にも余波が及んだ。日経平均は半導体株への依存度が高いだけに、マイクロンの発表内容次第では、日経平均にショックが走る展開も考えられそうだ」
また、ブルームバーグ(Bloomberg)は少し前の5月29日記事で、ザックス・インベストメント・リサーチ(Zacks Investment Research)の株式ストラテジスト、アンドリュー・ロッコ氏による次のようなコメントを紹介していました。
「マイクロン株は近くクライマックス的な上昇局面を迎える模様だ。クライマックス的な値動きは一般的に、ファンダメンタルズの悪化に先立ってテクニカル指標の極端な動きとなって現れる」
テクノロジー企業1社の四半期決算が「最後の審判」さながらの終末論的厳粛さをもって待たれたのは、マイクロンがAI革命ないしAIトレードの行く先を決定的に左右するメモリチップ市場の最重要プレーヤーの一角を担う存在だからです。
結論から言えば、世界の主要経済メディアが相次いで報道した決算発表の内容は、懸念された「マイクロン・ショック」とは程遠いものでした。しかしそれだけに、市場関係者が引き続き動向に目を凝らすメモリチップ市場の「他の」最重要プレーヤーから目が離せなくなりました。
米国編集部エグゼクティブエディターのジョー・チョッリ記者から解説してもらいます。
「暗黒の火曜日」で見えた韓国市場の実情
ここ数カ月、AIトレードが米国の株価指数を繰り返し最高値更新へと押し上げ、ついには史上最大の新規株式公開(IPO)が米国市場を舞台に行われるなか、米国の株式投資家の視線は主に国内に向けられてきました。
しかし、ひとたびマグニフィセント・セブンが支配する米国市場から目を離すと、その華々しい存在感は一気に色褪(あ)せます。ここしばらく世界の投資家を熱狂させてきたのは、エヌビディア(Nvidia)でもスペースX(SpaceX)でもなく、韓国の半導体企業なのです。
サムスン電子(Samsung Electronics)とSKハイニックス(SK Hynix)は、米国でイラン戦争開戦後の株価下落が底を打つのとほぼ同じタイミングで世界の時価総額ランキングを駆け上がり始め、5月には両社とも1兆ドルクラブの仲間入りを果たしました。
株価上昇の勢いはその後も衰えず、週明け6月22日月曜日の終値でサムスン電子が年初来195%、SKハイニックスが同349%と、いずれも驚異的な水準に達しています。
ところが、翌23日火曜日に異変(少なくとも一時的に異変と見える動き)が起きました。サムスン電子が13.4%、SKハイニックスが12.3%と、揃って2ケタの急落を記録したのです。


























