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- 踏み切れないドコモの料金値上げ。「つながらない」利用者の声とNTT中期計画「重圧」の中で来期も減収へ
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注目企業の決算

KDDIやソフトバンクといった競合他社が、既存料金の値上げを実施しているが、NTTドコモの前田義晃社長は5月8日に開催した同社の2025年度決算会見で、ドコモでの値上げについて含みを持たせた。
料金値上げに追随するか聞かれた前田氏は、コスト上昇を背景に「価格改定を考えていかなければいけない」と述べた。背景には競合の動向だけでなく、2025年度通期において、販促費とネットワーク投資の急増でコンシューマ通信事業の営業利益が前年比35.3%減と急落したという事情がある。
値上げに踏み切れるか。その前提として、25種類のプランを抱える複雑な料金体系を整理できるかが焦点となる。
コンシューマ通信は前年比35%減益

ドコモは、ここ数年間でネットワーク品質への不満で離れた顧客を取り戻すため、販促強化とネットワーク強靭化への投資に集中してきた。その重荷が今期の決算に表面化していた。
2025年度の営業収益は6兆4581億円(前年比3.9%増)と過去最高を更新した。ただし、営業利益は9421億円にとどまり、前年から785億円減少した。
減益の中心はコンシューマ通信事業だ。同事業の営業利益は3046億円で、前年から1665億円減った。減少率は35.3%に達する。

基地局の整備などにかかる設備投資は8575億円と前年比20%増、ネットワーク強靭化費用の増加額は206億円。前田社長は「昨年度比では販促強化費の影響が大きい」と説明した。
販促強化の面では、2025年度下期においてMNP(ナンバーポータビリティ)のプラス化という成果を上げたが、端末購入プログラム「カエドキプログラム」など過去の経緯から一定額の継続計上が避けられず、効率化には時間がかかる。
コンシューマ通信の減益分は、スマートライフ事業(営業利益3027億円、前年比29.6%増)と法人事業(同3347億円、6%増)の伸びが部分的に補った。スマートライフは金融やエンタメなど、法人事業はNTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズなど)が中核だ。
25種類のプランを抱える複雑な料金体系

前述の通り、携帯各社では物価高騰を背景に料金値上げが相次いでいる。ドコモも2025年6月に新料金プラン「ドコモMAX」を投入し、従来の主力プランより1000円以上高い水準に設定した。ただし、既存プランの料金はこれまで据え置いてきた。
KDDIは2025年8月に既存プランを含む料金値上げを実施し、ARPU※増加など業績にプラス効果が表れている。ソフトバンクも追随する形で2026年7月に同様の値上げを行う。
※ARPUとは:Average Revenue Per Userの略。ドコモの場合は、1利用者当たり月間平均収入。

一方、ドコモは既存プランの値上げを検討する姿勢は見せたものの、踏み切るには高いハードルが待ち構える。
前田社長は「古いプランから含めて、いくらぐらいでどんな条件でやっているかは相当多種多様」と説明。現在、受付終了分を含めて25種類のプランが並列する状況で、一律値上げは容易でないとの見方を示した。
ドコモのオンライン専用プラン「ahamo」は契約者数が800万を超え、新規契約者の半数強がahamoを選択している状況だという。それでも前田社長は料金改定について「ahamo単体で考えるべき話ではない、全体の話」と語り、新旧プランをまたぐ料金体系の再設計が課題だと示唆した。
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