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- ギグワーカーがロボットを育てる…インスタワーク、AI訓練用のウェアラブルカメラ「インスタコア」を発表

- インスタワークはギグワーカー向けのウェアラブルカメラシステム「インスタコア」を発表した。
- このシステムは、作業員の業務風景を記録するもので、ロボットの訓練に活用される。
- スミール・メガニCEOは、ギグワーカーがロボットの「ラングラー(世話役)」やトレーナーになり得るとの見方を示している。
ロボット訓練をめぐるゴールドラッシュがギグワークに迫りつつある。
ホテルや倉庫、スタジアムなどでの単発バイトのマッチングで知られるインスタワーク(Instawork)は、ギグワーカーがロボットの訓練用リアルワールドデータを収集するためのウェアラブルカメラシステムを発表した。
Business Insiderはこの新システム「インスタコア」をいち早く取材した。これは、頭部、胸部、そして両手首に装着する計5台のカメラで構成され、8時間のシフトに耐える設計のコンピューター内蔵バックパックに接続されている。
その狙いは、「プロ」と呼ばれるインスタワークの登録労働者に、業務中の作業風景を記録してもらうことにある。対象となる作業は、業務用厨房での野菜を刻む作業から、食料品店での品出しまで多岐にわたる。こうして収集された映像データは、商業環境で稼働するロボットの開発を目指すロボティクス企業やAI研究所に提供される。
インスタワークはこれまでに、ベンチマーク(Benchmark)、グレイロック(Greylock)、スパーク・キャピタル(Spark Capital)などから1億5000万ドル(約240億円)以上の資金を調達している。また、具体的な顧客名は明かさなかったものの、取引先には有力な研究機関が含まれていることを明らかにした。
これは、AIがチャットボットから現実世界で行動できる機械へと進化するにつれ、リアルワールドデータを求める競争が激化していることを反映している。OpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)CEOは、ロボティクスを同社の次なるフロンティアと宣言しており、エヌビディア(Nvidia)、メタ(Meta)、テスラ(Tesla)もそれぞれのロボティクス事業を加速させている。
インスタワークのプラットフォームには約1000万人のプロが在籍しており、多様な作業環境へのアクセスを可能にしている。その多様性は、現実世界の複雑さに対応できるロボットを訓練しようとするAI研究機関やロボティクス企業にとって、データの価値をより高いものにしている。
「インスタコアを世界中に展開し、ロボティクス向けとして最大かつ最も多様な商業データセットを収集していく」と、インスタワークのロボティクス部門責任者であり、アマゾン(Amazon)で家庭用ロボット「Astro」の開発に携わった経歴を持つアーロン・ブロンバーグ(Aaron Bromberg)は述べた。
インスタコア版の『インセプション』
マウンテンビューにあるインスタワークの倉庫では、作業員たちがすでにインスタコアを装着し、インスタコアの増産に向けた組み立て作業を行う自身の姿を記録していた。
「まるで映画『インセプション』のようだ。作業をしながら、自分たち自身のデータも録画しているのだから」と、ブロンバーグは施設を案内しながら語った。

2カ月前までこのスペースは空だった。およそ10年間にわたり労働力マッチングプラットフォームとして事業を展開してきたインスタワークだが、驚異的なスピードでハードウェア分野への参入を進めている。
2025年、ロボット企業がインスタワークのプラットフォームに求人を掲載していることに気づいたスミール・メガニ(Sumir Meghani)CEOは、ロボティクスについて理解を深めるため、Yコンビネータ(Y Combinator)本部に集まる創業者たちとの対話を重ねるようになった。
「人は時に、こちらが想定していなかった方法で製品を使い始める。そのシグナルを追えばいい」とメガニは言う。「ロボティクスは、我々が得意とする肉体労働とAIが交わる領域だと気づき、衝撃を受けた」
ロボコップにはしない
最大の課題は、さまざまな職種の作業員が装着できるシステムを設計することだった。だがブロンバーグは、彼らがロボコップのように見える装置にはしたくなかった。
初期バージョンは重すぎるうえ、バッテリー持続時間が不十分で、発熱も激しく、背中に携帯用ヒーターを背負っているような感覚を覚えた作業員もいた。インスタワークは彼らからのフィードバックをもとに改良を重ねた。
最終的には、作業員の快適性とロボット企業が求める詳細なデータ収集能力のバランスが取れたシステムとなった。2台のヘッドカメラで奥行きを計算し、胸部カメラが周囲の環境を広く捉え、手首カメラが手の動きを追跡する。このシステムは映像とセンサーデータを同期させる機能も備え、総重量は1.4kg未満だ。
マウンテンビューの施設で現場監督を務めるインスタワーク・プロのアーロン・カーシュナー(Aaron Kerchner)は、「慣れが必要なのは確かだ」と言う。
「ケーブルが何かに引っかかることもあるため、動くときは意識するようになる」























