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- くら寿司、三機工業……5月1日前後に“株式分割”する全10銘柄リスト。各社のファンダメンタルズも解説する

- イラン戦争の停戦ムードが高まるなか、日経平均は終値で6万円台を試そうとしている。
- そんななか、4月下旬から5月上旬に、くら寿司など10銘柄が株式分割を実施する。
- 今回はグロース株が目立つものの、各社のファンダメンタルズを解説していく。
日経平均の終値は、ついに6万円台を試すところまで来た。
イラン情勢の悪化で原油価格が高止まりするなか、4月も半ばを過ぎ、いよいよ停戦ムードも高まっている。米株が復調するなか、日本株もかつての勢いを取り戻してきた。
そんななか、4月下旬から5月上旬にかけて、10銘柄が株式分割を行う。各社のファンダメンタルズを解説していく。
「株式分割」とは何か?
- 国内では100株を1単位とする「単元株制度」により、個別株投資のハードルは高い。そんななか、東京証券取引所(東証)は株式の投資水準について、最低購入金額は「50万円未満」が望ましいとしてきた。
- そこで、昨今では「株式分割」を実施する企業は多い。株式分割とは1株を小分けにすることだ。例えば1株3000円の銘柄を10株に分割する場合、1株300円となる。すると最低購入価格が、1単元で30万円だったものが、3万円になるのだ。
なお、分割によって株価は低減するものの、株数そのものは増える。そのため、分割の前後で投資家が保有する株式の"価値"は変化しない。
「株式分割」を行う企業の狙い
- 企業が株式分割を行う主な目的は、さらなる投資を呼び込むためだ。分割後はより少ない金額で購入できることになり、新規で購入を考える投資家にとっては魅力的な銘柄となる。
- また、企業が成長を続け、株価が大幅に上昇してしまった場合に、一定の流動性を確保するために分割が行われる場合がある。特に日本市場では単元株制度を導入しているため、最低購入金額が高くなった銘柄の株式分割は効果的だ。
1. アーキテクツ・スタジオ・ジャパン|建築家と顧客のマッチング事業を展開
効力発行日:2026年4月24日
市場:東証グロース
分割比率:1/10
配当利回り:0.00%
株主優待:なし
アーキテクツ・スタジオ・ジャパンは、4月24日を効力発生日として株式分割を行った。投資金額を引き下げることで、投資家層の拡大と流動性の向上を図る。分割前の株価は3000円台後半だったが、現在では400円台で取引されている。
同社は2013年に東証マザーズ市場に上場し、現在はグロース市場に上場している。「建築家ネットワーク」を構築し、顧客と建築家をマッチングする事業を展開。顧客が建築家から建築プランを提案してもらえるサービスや、建築家物件の仲介サービスなどを提供する。
近年は増収が続いているものの、減損損失や関連企業株式の売却損を計上し、利益の確保に苦戦しているようだ。今後の黒字化が求められている。
2. アセンテック|仮想デスクトップを中心としたITインフラを提供
効力発行日:2026年5月1日
市場:東証スタンダード
分割比率:1/3
配当利回り:3.36%
株主優待:なし
アセンテックも投資家層の拡大と流動性の向上を目的として株式分割を実施する。現在の株価は1300円台で、最低投資金額は東証が推奨する基準の範囲内だが、それでも分割を実施するようだ。
同社はスタンダード上場企業で、ITインフラ事業を展開。仮想デスクトップの構築やハードウェアの提供、セキュリティサービスなどを提供する。近年は増収増益が続き、26年1月期は売上・利益ともに過去最高を更新した。なお、同社によると、27年1月期の売上高は前年度同等の175億円、営業利益は3割減の20億円を予想しているという。
3. グリーンエナジー&カンパニー|原油高で注目される
効力発行日:2026年5月1日
市場:東証グロース
分割比率:1/3
配当利回り:0.35%
株主優待:Amazonギフトカードなどに交換可能なデジタルギフト
グリーンエナジー&カンパニーも5月1日に3分の1の株式分割を実施する。同社の株価は2000円台を推移していたが、2月以降に急上昇し、現在では4000円台を推移する。最低投資金額は40万円台から十数万円に下がる見込みだ。
グリーンエナジー&カンパニーは中東情勢による原油高で注目され、株価が上昇した。同社は太陽光発電所や系統用蓄電所などを運営。「ネットゼロ・エネルギー・ハウス」の販売も手がけている。近年は増収が続き、25年4月期に売上高は100億円を突破した。今期は170億円を見込む。営業利益も増加傾向にあり、今後もしばらく注目されそうな銘柄だ。
4. システム ディ|学校・自治体向けのソフトを開発
効力発行日:2026年5月1日
市場:東証スタンダード
分割比率:1/3
配当利回り:1.68%
株主優待:なし
システム ディも投資家層の拡大と流動性の向上を目的として、3分の1の株式分割を実施する。株価は1700円前後を推移しており、分割後は数万円で投資できるようになる。
同社は学校向けの財務・総務管理ソフトや自治体向けの財務ソフトを開発・提供している。近年の売上高は40億円台を推移しており、徐々に拡大し、25年10月期には50億円を突破した。増収に伴い利益も順調に拡大している。手堅い商売で安定的な銘柄といえる。
5. くら寿司|子供・インバウンド向けに力を入れる回転寿司チェーン
効力発行日:2026年5月1日
市場:東証プライム
分割比率:1/2
配当利回り:0.84%
株主優待:優待お食事券
くら寿司は、わずか5年前の2021年に、2分の1の株式分割を実施していたが、再度実施する予定だ。近年の株価は3500円前後を推移しており、最低投資金額は35万円だ。分割によってより購入しやすくなる。
コロナ禍以降、くら寿司は増収が続いた。くら寿司は大手4社の中で現在も注文品以外の寿司を流し続けている。子供受けを狙った施策の一環だ。また、浅草などの旗艦店ではインバウンド向けに特別メニューを提供しており、観光客には人気スポットとなっている。こうした施策が差別化につながり、好調な業績をもたらした。今期も増収増益が続いている。
6. NE|EC事業者向けの管理システムを提供
効力発行日:2026年5月1日
市場:東証グロース
分割比率:1/2
配当利回り:0.00%
株主優待:自社サービス「NEXT ENGINE」の割引クーポン
NEは5月1日に2分の1の株式分割を実施する。目的は投資家層の拡大と流動性の向上だ。同社は25年11月にグロース市場に上場したばかりだが、株価は700円台から600円台に下落。投資を呼び込む狙いがあるようだ。
NEはEC事業者の受注・在庫管理などを一括管理するシステム「NEXT ENGINE」を主力とする。主に中小事業者を対象としているとみられるが、公式サイトの導入事例では大手企業の例も取り上げられている。売上高は年々増え続け、26年4月期は40億円を突破する見込みだ。
7. 三機工業|旺盛な開発需要で増収増益
効力発行日:2026年5月1日
市場:東証プライム
分割比率:1/3
配当利回り:2.30%
株主優待:なし
三機工業も投資家層の拡大と流動性の向上を目的として株式分割を実施する。株価は24年当初まで2000円を下回っていたが、年々上昇し、7000円台を推移している。分割により30万円台で購入できるようになり、東証の推奨する基準を満たす。
三機工業はくら寿司と同じく東証プライム市場に上場する。空調・電気・水道設備などを手がける建設会社で、通常のオフィスビルのほか、工場の熱回収システム、廃棄物処理工場の設備なども手がけている。近年の旺盛な不動産開発需要に乗り、業績は伸び続けた。受注高は22年3月期に2023億円となり、25年3月期に2500億円を突破した。26年3月期は2700億円を見込む。
8. HUMAN MADE|近年人気が急上昇中のファッションブランド
効力発行日:2026年5月1日
市場:東証グロース
分割比率:1/4
配当利回り:0.00%
株主優待:なし
HUMAN MADEは25年11月に東証グロース市場に上場したばかりだが、投資家層の拡大と流動性の向上を目的として株式分割を実施する。NEとは対照的に、株価は当初の4000円台から5500円台に上昇した。最低投資金額は50万円超から10万円台に縮小する見込みだ。
HUMAN MADEはファッションデザイナーのNIGO®氏が立ち上げたストリート系のブランドで、Tシャツは1万円台と高価格帯だ。近年の人気で増収が続き、営業利益率はファッションブランドとしては非常に大きく、30%を超えた。デザイナー系のファッションと聞くと独自の世界に囚われている印象を受けるが、開発では過去の販売データなどを冷静に分析しているという。
9. ビジュアル・プロセッシング・ジャパン|企業のデジタル資産を一括管理
効力発行日:2026年5月1日
市場:東証グロース
分割比率:1/2
配当利回り:1.24%
株主優待:なし
ビジュアル・プロセッシング・ジャパンも同じく、銘柄の投資家層の拡大と流動性の向上のため株式分割を実施する。25年3月にグロース市場に上場し、株価は概ね1000円台後半を推移している。
同社は企業の商標データや動画・写真などのデジタル資産を管理するソフトウエアを開発している。大企業では商品の写真を各部署が保有し、会社全体で一括管理していないことが多いが、同社のサービスを用いることで、一元的に管理できるという。公表日などのデータと紐づけできる。公式サイトの導入事例を見ると、大企業も多く名を連ねている。ありそうで無かったようなサービスであり、近年は増収増益が続いてきた。
10. リビン・テクノロジーズ|不動産の一括査定サイトを運営
効力発行日:2026年5月12日
市場:東証グロース
分割比率:1/2
配当利回り:0.00%
株主優待:Amazonギフトカードなどに交換可能なデジタルギフト
リビン・テクノロジーズは5月12日に2分の1の株式分割を実施する。19年にグロース市場に上場し、近年の株価は3000円台後半を推移。最低投資金額は30万円を超える。分割により10万円台で購入できるようになる。
同社は不動産の一括査定サイト「リビンマッチ」を主力とする。売却したい不動産物件を登録すると、複数社から売却金額の査定を受けられるサイトだ。リースバックの査定サイトも運営している。直近では水回りメンテナンスの企業を子会社化し、リアル領域の強化も図っている。近年は緩やかながらも増収増益が続いてきた。無配当だが、優待利回りは4%台と比較的大きい。
まとめ
以上、5月1日前後に株式分割を実施する10銘柄をピックアップした。プライム市場に上場するのはくら寿司と三機工業の2銘柄だけであり、システム ディとアセンテックの2銘柄がスタンダード市場、残りの6銘柄がグロース市場に上場している。
プライムの2銘柄は安定性では優れているが、配当利回りが気になるところだ。国内の回転寿司市場は飽和しつつある。三機工業に関しては、昨今の建築費・原材料費の高騰が足かせとなりそうだ。
安定性と成長性を両立できる点で筆者は、スタンダードの2銘柄、アセンテックとシステム ディに注目している。セキュリティ対策が求められている中、今後も仮想化需要は拡大するとみている。一方のシステム ディは公共・学校向けに強く、中期では安定しそうだ。
グロース銘柄に関しては東証が30年以降、新たな上場維持基準として「上場5年経過後から、時価総額100億円以上」という基準を設ける計画だ。また、最初の数年で業績が伸びなければ長期でも伸びにくいという意見もあり、グロース株投資では時価総額に注意する必要がある。株式分割は今後も予定されており、毎月ピックアップしていく方針だ。































