なぜ半導体関連株はこれほど脆弱なのか

半導体関連株は直近4営業日のうち3日で下落を記録し、ナスダック100指数同様、底が見えない相場が続いています(なお、6月11日の株式市場では半導体関連株が猛烈な反発を記録)。
半導体関連企業の動向を示すフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は6月3日に史上最高値をつけたあと、翌4日にブロードコムが市場予想を下回る第3四半期(5〜7月)売上高見通しを明らかにしたのをきっかけに急落。
上のナスダック100指数に関するブロックでも触れたように、市場予想を大幅に上回る雇用統計により年内の利下げ期待が完全に打ち砕かれたことで、下落に勢いがつきました。
MVIS米国上場半導体25指数への連動を目指す上場投資信託で、(SOX同様)半導体関連企業の動向を示す「VanEck Semiconductor ETF」は直近5営業日で10%下落。主要銘柄が軒並み大きな打撃を受けています(その後、6月11日の大引けまでに7%弱上昇)。

6月4日以降の各社の株価下落率(6月10日時点、カッコ内は翌6月11日終値の数値)は以下の通りです。
- アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD):17%下落(10%下落)
- インテル(Intel):5%下落(4%上昇)
- エヌビディア(Nvidia):7%下落(5%下落)
- マイクロン・テクノロジー(Micron Technology):17%下落(8%下落)
- ブロードコム(Broadcom):22%下落(20%下落)
- マーベル・テクノロジー(Marvell Technology):16%下落(7%下落)
金融業界の専門家たちは、史上最高値を繰り返し更新する半導体関連銘柄の驚異的な株価上昇そのものが、市場全体もしくはAIトレードの強気センチメントを脆く、揺らぎやすいものにしていることを指摘します。
投資分析プラットフォームを運営するリフレクシビティ(Reflexivity)の共同創業者兼プレジデント、ジュゼッペ・セッテ氏はビジネスインサイダーの取材に対し次のように語りました。
「半導体関連株はS&P500種株価指数のリターンを引き上げる支配的なけん引役を担ってきましたが、それゆえに脆くなっていたのです。資金が集中し、バリュエーションが上昇、際限なく高まる期待を一身に集め、失敗の余地のほぼない状況に置かれていました」
また、市場関係者の中には、先週後半から続く半導体関連株を含めた市場全体の下落の背景にあるのは、年内に複数実施されるとみられる巨大IPOだと指摘する声もあります。
明日予定されているスペースXの株式公開がその筆頭であり、投資資金を確保する目的でポジション整理を進める投資家の動きが株価下落につながっているというわけです。
資産運用会社ファウンダーETF(Founder ETFs)のポートフォリオマネジャー、マイケル・モナハン氏はこう指摘します。
「株価下落の原因は、どの投資家もスペースXのIPOとそのためのポジション調整にフォーカスし、他の銘柄に十分配慮する余地がないからではないでしょうか」
また、ストリート・プロ(TheStreet Pro)のシニアポートフォリオマネジャー、クリス・バーサス氏は半導体関連株の下落要因について、昨今の大幅上昇で含み益を積み上げた投資家が利益確定に動いた結果と分析しています。
同じ文脈で、投資会社プリンス・キャピタル(Prince Capital)のアレクサンダー・ワー創業者兼最高投資責任者(CIO)は、AI関連銘柄の急騰を経た利益確定の売りを見越して、6月に入る前に先手を打ってポジションを解消したと明かしました。
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【気になるこの動き】ナスダック100指数の底が見えない

ナスダック(NASDAQ)100指数が底を探しあぐねています。上のチャートが示すように、ハイテク株中心に構成されるこの株価指数は6月10日水曜日に2%下落し、直近4営業日の累計下落率は6%に達しました。
5日金曜日に米労働省が発表した雇用統計で、非農業部門の新規雇用者数が前月比17万2000人増と市場予想を上回る力強い伸びを見せ、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに動くとの見方が強まったのが、この連鎖的な株価下落の発端でした。
その後、米国がイランに対し「強力な攻撃」を仕掛けると示唆して和平合意を迫った上で、10日水曜日に「自衛攻撃」を実施し、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)も同日ホルムズ海峡の船舶に報復攻撃を行うという軍事的緊張が原油価格を押し上げ、それが株式市場に対する追加の下押し圧力となっています。
トランプ米大統領は11日夜に再び「非常に激しい攻撃を行う」と発言し、イランの石油輸出拠点であるカーグ島を「そう遠くない将来に」掌握する準備を進めていることを示唆しました。
明日12日はスペースXの株式公開が予定されていますが、そのわずか15日後にはナスダック100指数への採用が想定されており、これ以上ないくらいに荒れ模様の中で指数がどう動くか、懸念は高まるばかりです。













