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- 平凡な従業員はもはや安全ではない…職を維持するためのハードルが上がった
平凡な従業員はもはや安全ではない…職を維持するためのハードルが上がった

- 企業は業績を上げるために、成績の悪い従業員を優秀な人材に置き換えている。
- 人件費の制約が厳しくなるなかで、企業にとってはそうした方法が、労働力を最適化する手段の一つになっている。
- この傾向は、若手の役職から、幹部クラスまでの階層で見られる。
人件費は限られている。そのため企業の中には、優秀な人材を集めるにあたり、「別の方法」を模索しているところもある。それは、既存の従業員をもっと有能な人に置き換えるという方法だ。
「凡庸な人は、もはや求められません」と語るのは、サプライチェーン・ロジスティクス分野の採用を手掛けるピナクル・グロース・アドバイザーズ(Pinnacle Growth Advisors)の創業者、ブレント・オルスガ(Brent Orsuga)だ。オルスガはここ1年で、従業員数を増やすことなく静かに従業員を入れ替えるクライアントを数多く目にしてきた。
「どの企業も、いま現在の顔ぶれを見回したあと、『とびきり最高の人材がほしい』と考えるのです」とオルスガは言う。
オルスガは例として、営業担当者10人を雇っており、業績を向上させたいと考えている会社のケースを挙げた。この会社は、営業チームを拡大することもできる。だが、成績の最も低い営業担当者を特定し、その社員に代わって新たな人を雇う方が安上がりとなるケースは多い。新たに雇った社員のコストの方がやや高い場合でさえ、だ。
そうした「アップグレード」は目新しいものではないが、オルスガによれば、20年以上にわたって見てきたなかでも2025年ほど、採用業界でその傾向が強くなった年はなかったという。オルスガはこれを「ターゲットを絞った迅速な雇用(bullseye hiring)」と呼んでいる。「すべての席(ポジション)が重要視され、ターゲットを絞って、適切な人を、適切な席に得る必要があるといった感じです」とオルスガは説明する。
最近のアメリカでは、先行き不透明な経済、コスト削減、AI導入によって、雇用が減速している。 2026年2月には、採用率が3.1%まで低下した。この数字は非常に低い水準であり、これに匹敵するのは、パンデミックと、グレート・リセッション(2008年の金融危機をきっかけとする景気後退)からの回復初期だけだ。
テクノロジー、マーケティング、ロジスティクス分野の採用担当者3名が語ったところによれば、企業が人材を雇用する際に、既存の従業員を犠牲にすることもあるという。
こうした変化は、若手の役職から幹部クラスまでの階層で起きている。その原動力の一つになっているのが、採用予算の締めつけに伴い、人材に費やす資金から、最大限の費用対効果を得ようとする動きだ。
「よい仕事」ではなく「最高の仕事」が求められる
人材サービス会社セラ・バイ・ランドスタッド・デジタル(Cella by Randstad Digital)で、マーケティングやテック分野における中級~上級レベルの役職の採用を担当しているリンゼイ・マイケティ(Lindsay Myketey)によれば、既存従業員のアップグレードを模索するクライアントの多くは、非公開で求人を行う「コンフィデンシャル・サーチ」に頼っているという。
マイケティによれば、役職の変化に伴い、成績不振や、AI関連などのスキルギャップといったいくつかの理由から、企業が既存の従業員を入れ替える可能性があるという。さらに、マネージャークラスが負う責任が増しており、こうした動きについていけない人を企業が入れ替える可能性もあるとマイケティは続ける。場合によっては、解雇ではなく、別の役職へ異動させられることもあるという。
そうした入れ替え目的での求人が実際にどのように行われるかは、役職や階層によって異なる。上級レベルの役職――通常は年10万ドル以上の報酬をもらう人たち――の場合、求人を公開するのではなく、ヘッドハンターがコンフィデンシャル・サーチをするケースもある、とオルスガは述べる。そうすれば、入れ替え対象になっている既存の従業員を「びくびくさせる」のを避けられるという。
中級レベルの役職の場合は、ヘッドハントと公開での求人が併せて用いられるという。コンプライアンス上の理由から、外部に求人を出さなければいけない場合もあるとオルスガは述べる。また、同じような肩書をもつ従業員が多いため、新たに求人を公開しても、それが誰かの入れ替えではなく、拡大の兆しとして受け取られる可能性もある。
さらにオルスガによれば、一部の企業は「常に雇用している」という。つまり、必ずしも増員を目的とせず、成績の低い従業員をいずれ入れ替えるために、新たな人材を雇用しているのだ。こうした動きの影響は、若手の従業員に偏る可能性があり、若手はわれ知らず、毎年現れる新卒者の集団と競争する立場になるかもしれない。
オルスガによれば、場合によっては、コストが高くつくという理由から、成績のよい従業員が切られることもあるという。オルスガはこれを、多くのチームがサラリーキャップのもとで運営されるスポーツの世界になぞらえた。使える資金には限りがあるため、才能のある高給取りの選手を手放す場合があるのだ。
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