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- さようなら、「マネージャー」。こんにちは、「プレイヤーコーチ」と「組織リード」
さようなら、「マネージャー」。こんにちは、「プレイヤーコーチ」と「組織リード」

- メタは一部の管理職の呼び方を「組織リード」に変更し、ブロックは「プレイヤーコーチ」と呼んでいる。両社はいずれもAIの活用を強めている。
- 元ネットフリックスのチーフ・タレント・オフィサーであるパティ・マッコードは、上からの指示中心の管理はイノベーションを妨げる可能性があるとBusiness Insiderに語った。
- 階層をなくす取り組みは必ずしも成功するとは限らず、オンライン小売のザッポスは2010年代にその難しさを経験している。
大企業はこれまで長年にわたって、中間管理職の削減を進めてきた。現在、2つの著名企業がその役割の一部を見直しており、業務の一部をAI(人工知能)に委ねている。
メタ・プラットフォームズ(Meta Platforms)は2026年3月、同社のメタバースの実現に向けた研究開発を担う主要な部門、リアリティ・ラボ(Reality Labs)の従業員に対し、「AIビルダー(AI builder)」「AIポッドリード(Pod Lead)」「組織リード(Org Lead)」という3つの新たな職位のいずれかを付与し始めた。これは、「AIネイティブ」な企業へと変革する取り組みの一環である。
決済企業ブロック(Block)も、組織内から「マネージャー」という言葉を排除しつつある。管理職はチームとともに実務を担う「プレイヤーコーチ(player-coaches)」へと変わり、マネジメントはせず、自分の専門スキル(技術や知識)で会社に貢献する「インディビジュアル・コントリビューター(Individual Contributor)」は、指示を待つのではなく、AIツールを活用して自ら判断する。
企業はこれまで、インターネットやモバイルコンピューティングといった大きな変化をもたらす技術の登場に合わせて、組織の再編を進めてきた。一部の企業にとって、AIはその最新の触媒となっている。
専任の中間管理職を廃し、その業務の一部をAIに委ねる手法は一般的ではなく、2010年代にザッポス(Zappos)が試みた、従来の上下関係(上司・部下)をなくし役割ベースで組織を運営する仕組み「ホラクラシー(Holacracy)」を思い起こさせる。ブロック(Block)のジャック・ドーシー(Jack Dorsey)CEOは、最終的にはすべての管理職の階層を廃止したいという考えを示している。
もっとも現時点では、メタやブロックの呼称変更は、見た目ほど大きな変化ではないかもしれない。新しい役割の説明にも、人による監督や支援が前提として残っているからだ。
企業が仕事のあり方を見直す際も、「実際の組織構造の変化は伴っていない場合がある」と、EC大手であるストックX(StockX)の共同創業者で、リーダーシップのコンサルタントのクリス・カウフマン(Chris Kaufman)は指摘する。「それは、仕切り付きの弁当箱で、おかずの位置を入れ替えているだけのようなものだ」と話す。
管理職の階層をなくす
メタとブロックで進む組織再編は、スピードと効率を重視し管理職の人数を削減してきた長年の流れの延長線上にある。求人サイトのインディード(Indeed)によると、2025年の中間管理職の求人は2024年に比べて12.3%少なかった(求人全体も減少している)。
メタのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOは2026年1月の決算説明会で、「組織の階層を減らすため、よりAIネイティブなツールへの投資を進めている」と述べた。
「これまで大人数のチームを必要としていたプロジェクトが、今では非常に優秀な1人で達成できるようになり始めている」と彼は述べている。
AIはその重要な原動力である。例えばメタのリアリティ・ラボでは、「組織リード」がAIシステムの支援を受けながら評価や昇進の判断を行っているとBusiness Insiderは以前に報じた。
ブロックのジャック・ドーシーとベンチャーキャピタル、セコイア・キャピタル(Sequoia Capital)のシニアパートナーであるロエロフ・ボタ(Roelof Botha)は、2026年4月のブログ投稿で、完全にフラットな組織の将来像を示し、「中間管理職を固定的に置いておく必要はない」と記している。
ドーシーはまた、セコイア・キャピタルのポッドキャスト番組「ロング・ストレンジ・トリップ(Long Strange Trip)」の2026年4月公開の回で、約6000人の従業員と自分との間にある階層を従来の約5層から、2026年中に2〜3層に減らす方針を明らかにした。さらに彼は「最も理想的なのは、階層がまったくない状態だ」と話しており、「全員が自分に直接報告する形になる」と語っている。
メタはコメントを控え、ブロックはコメント要請に応じなかった。
ハーバード・ビジネス・スクール(Harvard Business School)の教授であり、AIを活用したソフトウェア企業イノベーションフォース(InnovationForce)の共同創業者のリンダ・ヒル(Linda Hill)は、「少人数で異なる専門性を持つチームへと移行することで、互いに補完し合うスキルを持つ人材が集まり、企業はより速くイノベーションを生み出せるようになる」と指摘する。ただし同時に、チームの連携を支える「橋渡し役」となる、人間のリーダーも必要になるという。
ヒルは、「考え方や専門性の多様性がなければ、イノベーションはほとんど生まれない」と言う。
AIが多くの業務を自動化できるようになったことで、企業はより少ない人員でもやっていける可能性があり、ブロックを含む一部の企業は、そうした理由を挙げて人員削減を正当化している。しかし、「管理職の役割をすべてAIに委ねることは現実的ではない」と、ネットフリックス(Netflix)の元チーフ・タレント・オフィサーで、管理のあり方を見直す契機となった「カルチャーデック(culture deck)」で知られるパティ・マッコード(Patty McCord)は指摘する。カルチャーデックとは、管理職を減らし自律性を高める考え方を打ち出したスライド形式のプレゼンテーションだ。
マッコードは、「AIが人間を仕事の現場から排除することはない」と話す。
「工場がそうしてきたように、仕事の一部を取り除くだけだ」





























