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- これらのZ世代アーティストたちは、「安定収入」を得る秘訣を見つけた――それは“郵便クラブ”だ

- アーティストとは、安定収入とは程遠い存在である。
- だが一部のZ世代アーティストは、手紙好きなこの世代を相手に安定収入を稼ぐ方法を見いだした。
- 毎月購読者にアートを郵送し、定期的に収入を得ている。
トリニティ・シロマ(Trinity Shiroma)から始めて届いた封筒からアートが出てきたとき、思わず笑みがこぼれた。
中から出てきたのは、バルセロナにあるカサ・バトリョを描いた美しい精緻な水彩画だ。ポストカードとしても使え、建築物としての重要性を記した手書きの手紙が添えられていた。さらに、スペインのタイルをモチーフにした塗り絵も入っていた。
もともとポストカードや郵便にさほど関心があったわけではないが、この手の作品を実際にみると人気の理由がわかった。
フロリダ在住で、建築士からフルタイムのアーティストに転身した25歳のシロマは、2025年8月にスネイルメール・クラブを開始した。米国内の購読者に、5×7インチ(12.7×17.78 cm)の作品を月額8.88ドル(約1400円)で発送している。現在の購読者数は約2400人で、月に約1万6000ドル(約250万円)を稼ぐ。
シロマは「建築士として働いていた頃は、旅の記録というか自分のために描いていた。だが、それは売れると周りの人に言われた」とシロマは語る。
当初は1点200ドル(約3万円)超でコミッションワーク(受注制作)を請け負っていた。だが、メールクラブなら作品をより手頃に届けられるし、コミッションごとに金額が異ならないので、安定収入を得られるようになった。

シロマは、毎月安定した収入を確保する方法として、サブスク型のスネイルメール・クラブという方法を考案したZ世代アーティストの一人だ。
コンセプトはいたってシンプル。購読期間中、毎月アーティストから手紙と絵が自宅に届く。絵はだいたいポストカードとしても使え、塗り絵やステッカーがおまけについてくることもある。
価格はたいてい月額10ドル(約1550円)未満。節約志向が強く、アナログ志向で、ちょっとした贅沢品やコレクターアイテムにお金を使うことには厭わないZ世代にぴったりだ。通常の手紙と同様、いつ届くかはわからない。受け取る側にとっては文通相手からの便りのような嬉しいサプライズ感もある。
シンガポール経営大学のニロファー・アボルファシ(Niloofar Abolfathi)起業学教授は、スネイルメール人気の高まりは、かつて時代遅れとみられたフィルム写真のような商品の復活と同じだと言う。
何百通もの封入作業は大変

ジョセフ・サイモン(Josephine Simon)もシロマと同じように、2024年8月に建築の仕事を辞め、アートに専念した1人だ。ニューヨーク市に拠点を置くサイモンは当初、作品当たり3~4時間かけて極細ペンで緻密な建築物を描いていた。
だが、すぐに燃え尽き症候群になり、1点に膨大な時間をかけるよりも、多くの人に自分の作品を届ける方法を探そうと考えた。
「月に30件のコミッションを受けるのは本当に大変だった」と当時を振り返る。「自由に自分のために働ける方法があるなら、それが究極の目標だと気がついた」

2025年8月、サイモンは自身のプリントクラブを立ち上げ、ギリシャ、パタゴニア、グアテマラなどを旅した際の絵を発送している。
26歳のサイモンは現在、毎月1週間をこのビジネスに、残りの3週間をコミッションワークやその他のプロジェクトに費やす。
一番大変なのは最後の工程、つまり400人の購読者向けに手作業で封入する作業だ。
「全部1人でやるのは本当に気が狂う。でも他の仕事の息抜きでもある」と語る。時には家族が封入を手伝ってくれることもある。

シロマによると、作業全体には、初めから終わりまで約1週間かかる。最初の4日間を作品制作と手紙を書く作業に充て、最後の3日間はひたすら封入する。両親が2000通分の封入を手伝い、残りの400通は自分でこなしていると言う。
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