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- グーグルはインターネットを破壊しようとしている…新しい検索機能はまるでAIによる「管理組合」に制御された世界のようだ
連載
ビッグテックの動向

- グーグルは5月19日、AIを搭載した新たな検索機能を発表した。だがこれはインターネットという存在そのものを破壊しかねない。
- この変更により、これまでの「青いリンク(URL)の羅列」を目にする機会は激減するだろう。
- 代わりに提示されるのは、あなた個人のためだけにAIが生成した回答だ。それはもはや、私たちの知るインターネットではない。
グーグル(Google)がインターネットを壊そうとしている。
私はインターネットを愛している。ウェブサイトを巡るのも好きだし、面白いリンクを友人たちに送るのも大好きだ。仕事中はほぼ一日中、Chromeのタブをいくつも開いて画面を眺めているし、見知らぬウェブサイトを発見する喜びも知っている。
そんな当たり前の日常が、グーグルの新しい検索アップデートによって一変しようとしている。AIによる回答生成に大きく舵を切るその計画を知ったとき、私は胸の奥がざわつくようなひどい不安に襲われた。
最大の変化は、検索へのAI統合がさらに深まることだ。キーワードをいくつか入力してリンクの一覧を得る代わりに、グーグルはAIが生成した回答や、パーソナライズされたリクエストへの応答を直接吐き出すようになる(詳細は後述する)。
大手テック企業が新製品のデモを披露するとき、常にある程度の懐疑的な視点が必要だ。だから話半分で聞いておくとして——グーグルは5月19日、新機能の例として「お気に入りのアスリートが新しいスニーカーを発売するたびに、AIエージェントが通知を届けてくれるようになる」と説明した(そのAIがどうやって私のお気に入りのアスリートを把握するのかは謎だが、もちろんグーグルは私のそんな個人情報すら知っているのだろう)。
もはや「インターネット」ではない
正直なところ、そうした機能を欲しがる人の心理にはなかなか共感できなかった。私はスポーツファンでもスニーカーマニアでもないため、アスリートがプロデュースした新作シューズと聞いても心が踊るわけではない。とはいえ買い物自体は好きだから、カッコいい新作スニーカーを買う魅力なら理解できる。
だからといって、アスリートやブランドが発表するたびに通知を受け取りたいかと言われれば疑問だ。テレビCMやファッション誌、アスリート自身のInstagramで入手できないような情報が、AIがわざわざ届けてくれるとも思えない。確かにある程度の利便性はあるだろう。しかし、この種の情報を得るための手段はすでに強固なエコシステムとして確立されているし、私はいまの方法をそれなりに楽しんで使っている。
19日に紹介されたもう1つの例を挙げよう。近くにレストランや駐車場があるハイキングコースをGoogleに尋ねるケースだ。いかにもデモ向けの健全でほほえましいシナリオではあるが、自分がそういう目的でグーグル検索を使う姿はどうしても想像できない。私のスタイルは誰もが教わってきた昔ながらのものだ。誤字だらけの2つ程度の単語をぶっきらぼうに打ち込むだけ。洗練された文章でリクエストを送ったりはしない。
たいていの場合、何を探したいかは自分で分かっている。ただ、目的のものを掲載しているウェブサイトに辿り着くための「道案内」が欲しいだけなのだ。
もちろんグーグルはこの新製品、とりわけそのパーソナライゼーション機能に対して強気の姿勢を崩していない。
「私たちは、あなただけのために作られた検索こそが検索の最良の形だと信じています」
Google検索担当プロダクト・バイスプレジデントのロビー・スタイン(Robby Stein)氏は、19日に開催されたグーグルの年次開発者会議「Google I/O2026」のプレゼンテーションでそう豪語した。
本当に? まあ、そういうことにしておこう。
スタイン氏は、ある大学生がブラックホールについて質問するシナリオを例に挙げた。学生が検索バーに質問を入力すると、Google検索はAI生成の回答とともに、ブラックホールの仕組みをわかりやすく示すカスタムアニメーションを表示する(最終的には、ブラックホールに関するほかの情報へのリンクもいくつか表示される)。
なるほど、それは素晴らしい。しかし、それはもはや「検索」とは呼べないのではないか? 単に、非常に具体的な質問に答えてくれるAIチャットボットに過ぎない。

「Googleゼロ」が迫っている
言うまでもなく、これはGoogle検索トラフィックに少しでも依存しているウェブサイトにとって、極めて深刻なニュースになり得る。いまあなたが読んでいるこのサイト(Business Insider)も含めて。
ニュース業界では以前から、いつかこうなる日が来るだろうと予想されていた。Google検索からのトラフィック(Google検索によるサイト流入)が最終的にゼロになるという暗澹たる終末シナリオ、いわゆる「Googleゼロ」だ。実際、ここ数年で業界全体でGoogleトラフィックはすでに落ち込んでおり、AIオーバービュー(AI Overviews)やChatGPTといったほかのAIツールを使った情報収集が普及したことで、パブリッシャーの検索トラフィックはすでに深刻な打撃を受けている。
だから、この新しい検索体験に対する私の拒否反応が、単なる自己保身に映るかもしれないことは分かっている。少なくとも短期的には、ジャーナリズム業界にとって明らかに好ましくない話だからだ。しかし断言しよう。私の不満はもっと個人的で、近視眼的なものだということだ。自分自身の検索体験や、インターネットとの関わり方そのものが変えられてしまうことに苛立ちを感じているのだ。
私にとって「インターネット」とは、自ら出向いて行く場所であり、向こうからお膳立てされてやって来るものではない。
時代遅れな言い方だとわかってはいる。だが「情報スーパーハイウェイ」を想像してみてほしい。道路や倉庫、地下空間が広がり、自由にさまよい歩くことができる物理的な空間だ。Googleはその入り口に立つ番人であり、地図を手渡してくれる存在だ。あとはその地図を頼りに、自分でガイドツアーを楽しむことができる。ただし、そこに一歩踏み込んだら、あとは自分一人の力で探検しなければならない。
そうした探検を、たとえば1日12時間、週7日、20年ほど続けていれば、どこを見ればいいか、どうナビゲートすればいいかが嫌でも体に染みついてくる。私はいまでも、インターネットという場所をそのように捉えている。
新しいGoogleは「閉鎖型住宅地」のようだ

ところが、新しいAI検索が目指す世界では、インターネットという広大な荒野にわざわざ足を踏み入れる必要がまったくない。すべては「中間業者」によって無菌状態に整理・浄化された形で届けられるからだ。それは、独自のルールで入居者を管理する厳格なHOA(住宅所有者組合)が支配するアメリカの「閉鎖型住宅地(gated community)」に住むようなものだ。公共交通機関が発達し、自分の足で街を自由に探索できる「ウォーカブルな都市」とは対極の世界である。
「ウェブサイトの素晴らしさ」をくどくど説明するのは、もはや旧世代の人間だけだと自覚している。昔懐かしい掲示板やブログに浸っていた人々の、テクノ楽観主義の残滓だと言われても仕方がない。確かに私は旧世代の偏屈者かもしれない。だが、今回ばかりは若い世代も味方についている。
同僚のダン・デフランチェスコ(Dan DeFrancesco)が指摘しているように、Z世代はAIに拒否感を持っており、この傾向は新しいGoogle検索製品の普及にも影響を与える可能性があるからだ。言わせてもらえば、ハッキーサック(足でボールをリフティングするX世代発祥の遊び)のようなX世代のトレンドが復活しているのだから、「オープンウェブ」を大切にする意識だって復活していいはずだ。
私はGoogle検索がお膳立てした「AIの管理組合」になんて閉じ込められたくない! 私が望むインターネット体験とは、悪趣味な色の家があり、手入れの行き届いていない芝生が生い茂り、ホームデポで買った12フィート(約3.7m)の巨大ガイコツ人形が一年中飾られているような世界だ。私にとって、インターネットとはそういう場所であるべきだ。たとえそこに、ちょっとしたノイズや非効率さがあったとしても、自分で探索し、思い切って踏み出していく場所なのだ。




















