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家電最大手ワールプールの苦境が示す米国経済の実情。日本ではほとんど報じられないものの…

先週、米国編集部エグゼクティブエディターのジョー・チョッリ記者が同国最大の家電メーカーの最新決算について鮮やかな分析を披露していました。
日本では折しも、世界中でブランドの信用を築き上げた日立が家電事業を家電量販店のノジマに売却することが発表されたばかり。東京新聞は5月10日に「どこへ行く『日の丸家電』」と題した社説を掲載し、ニュースとしての位置づけを思い入れたっぷりにこう説明しています。
「かつて世界の家電市場を席巻した日本の大手電機メーカー。高度な技術を詰め込んだ製品の数々は『日の丸家電』と呼ばれ、自動車産業とともに戦後復興を支えてきました。電機大手の多くはすでに家電事業を海外企業に売却しましたが、大手以外にも新たな動きが出てきています。日の丸家電はどこへ行くのでしょうか」
チョッリ記者が取り上げた米国の家電大手も、もはやほとんど覚えている人はいないと思われますが、実は日の丸家電の衰退史に絡んでいます。
1911年創業のワールプール(Whirlpool)は、2013年に三洋電機(当時すでにパナソニック傘下)の中国合弁会社から同社の出資分をすべて買い取った、米国の老舗電機メーカーです。
世界の発展途上国では、東芝(現在は中国の美的集団傘下)や日立、サムスン、LGといった日韓の高級ブランドに次ぐ手ごろな価格の家電製品を提供するメーカーとして相応の存在感を放っています。
ただ、チョッリ記者が指摘した同社の現状は「懸念の巣窟」といったものでした。周囲を取り囲む全ての条件や環境が同社の経営と業績に悪影響を及ぼしている、との表現からはある種の同情すら感じられます。
日本ではあまり知られていないワールプールですが、米国の電機メーカーや消費者が置かれたマクロ環境を把握する材料として最適(という言い方は酷ですが)なうえ、日本の家電市場と比較分析する材料としても役立つので、チョッリ記者の視点を以下で紹介しておきたいと思います。
AI時代にあえぐ伝統的製造業の典型例
ワールプールのマーク・ビッツァー最高経営責任者(CEO)は5月7日に開催した第1四半期(1〜3月)の決算説明会で、同社が「(映画の題材にもなった1991年の大暴風雨)パーフェクトストームさながら」の逆風に見舞われたと発言しました。
ビッツァー氏は第1四半期の業績を説明するためにその表現を使ったようですが、私には過去5年間にわたる同社の経営状態を説明する言葉と感じられました。
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