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- 若手は「厳しい指導」を求め「共感できる価値観」重視に変わった…2026年新入社員調査で分かった“AI時代の切迫感”【調査】

AI時代への危機感が、どうやら新入社員の意識に変化をもたらしているようだ。リクルートマネジメントソリューションズが、2026年の新入社員に対して実施した「新入社員意識調査2026」のデータから、例年とは異なる新入社員の特徴が浮き彫りになった。
そこから見えてくるのは、単なる価値観の変化にとどまらない、先行き不透明な時代を生き抜くための“切迫した本音”だ。
「挑戦」は過去最高、「やりきる」は過去最低

社会人として働いていくうえで大切にしたいことを聞いた項目では、新入社員の特徴的な二面性が現れた。「失敗を恐れずにどんどん挑戦すること」(34.3%)と回答した人の割合が過去最高を記録した一方で、「何があってもあきらめずにやりきること」(13.3%)や「周囲との良好な関係を築くこと」(32.9%)は過去最低となった。
また、仕事をする上で重視することでは「成長」(32.4%)が突出してトップを維持し、「創造」(9.8%)が前年から最も上昇する結果となった。
一見すると「成長意欲が高くアグレッシブ」にも映るかもしれない。だが、同社サービス統括部の主任研究員・桑原正義氏は、AIの進化などを背景とした若手特有の心理をこう分析する。
「正解がなく、先々もどうなるかわからない不安を感じやすい時代です。さらに激しいAIの進化により、自分の仕事が奪われるのではと一番身近に脅威を感じているのは新入社員でしょう。『成長したい』という前向きな気持ちの裏には、『このままで通用するのか』という不安や焦りがにじんでいます」
「丁寧な指導」と「厳しい指導」を同時に求める若手たち

職場の環境や上司に求めることにも、例年との明確な違いが現れた。
働きたい職場の特徴として、「皆が一つの目標を共有している」(23.9%)が過去最低となる一方、「ルール・決め事が明確」(16.5%)は過去最高となった。
さらにはっきりと違いが出たのが、上司に期待することだ。「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」(50.1%)が初のトップとなり過去最高を記録した一方で、「言うべきことは言い、厳しく指導すること」(24.0%)が3年連続で上昇している。
ここから読み取れるのは、若手社員が「守られる環境」だけではかえって不安を抱いてしまうという実態ではないか。
桑原氏も「コロナ禍では守られている環境が大事でしたが、その後の劇的な変化によって、守られているだけでは不安になり、成長環境に身を置くことが重要になっていることが見てとれます」と指摘する。
離職のトリガーは「給与」から「持ち味の発揮」へ

「成長」や「自身の能力発揮」へのこだわりは、早期離職の実態にも反映されているようだ。社会人1〜3年目の若手社員を対象に実施した「若手の離職実態調査2026」では、過去3年間に自己都合退職した125人に対し、退職理由で影響の大きかったものを尋ねたところ、「仕事で自分の能力や持ち味を発揮できない」(21.6%)が前回の12位から2位へと急上昇した。逆に、前回2位だった「給与水準に満足できない」は6位(8.0%)へと大きく低下している。
また、離職を思いとどまった理由においても、「転職リスクがある」といった消極的な理由が低下し、「成長できる環境がある」「会社のビジョン・価値観に共感している」「仕事にやりがい・意義を感じている」といった前向きな理由が上昇した。若手社員にとって、給与以上に「仕事そのもの」から得られる意義や成長の重要性が高まっていることがうかがえる。
同社測定技術研究所主任研究員の松本洋平氏は、この変化の裏にある「企業の努力」と「若手の本質的な要求」について次のように語る。
「初任給の向上などで給与の不満は下がり、上司もパワハラを恐れて若手に非常に丁寧に接するなど、労働条件やマネジメントは昔に比べて良くなっています。企業側の努力を認めたうえで、若手は『給与よりも仕事そのもの』というより本質的な課題に向き合うステージにレベルアップしていると言えます」
「成長したい」の裏にある不安を見逃さないで
企業は今後どのように新人育成に向き合うべきなのか。桑原氏は今回の調査結果を踏まえ、次のように話す。
「『成長』を重視していることはポジティブな傾向ですが、その背景には不安や焦りもあります。『成長したい』だけでなく、『成長しなければならない』という切迫感があることを理解する必要があります。だからこそ、『成長意欲が高いならどんどん任せよう』という育成ではなく、不安を抱えていることを前提に育成のあり方をアップデートすることが重要です」




























